解決済み

2010年京都大学理系第5問の整数問題です。

サイトやら参考書やらを漁ってみましたが、全て同じ解法をとっていて、面白くありません。

自分は最初、3a1=(41)a13^a-1=(4-1)^a-1 と見て二項定理からなんとかいこうとしましたが、実力不足なのか複雑すぎるのか、うまく論証できず今モヤモヤ中です。


ちなみに模範回答は全て、(1)を帰納法で、(2)は m=2nkm=2^nk と置いてやっています。

自分の解法でうまく論証できれば一番簡単な解法だと思います。

自分の正しいかどうかわからない回答もはっつけておきます。

整数が得意な方お願いします🤲🤲🤲

ベストアンサー

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整数 xx に含まれる素因数 pp の重複度を pp-進付値といい,vp(x)v_p(x) と書きます。

例.v2(32)=5v_2(32) = 5v7(98)=2v_7(98) = 2v5(11)=0v_5(11) = 0


問題 (1) は 3a13^a – 122-進付値を評価する問題です。

問題 (2) は 3m13^m – 122-進付値を評価する部分が本題です。


整数 nnpp-進付値を評価するには次のようにします。

1.nn を因数分解,

2.vp(x)v_p(x) の対数的ふるまい(vp(xy)=vp(x)+vp(y)v_p(xy) = v_p(x) + v_p(y))によって積を和に変換,

3.項をそれぞれ適切な法(pp-進付値を考えているのだから当然 pp のべき乗を法にとる)のもとで評価。

以下の解答例ではこの手順にしたがいます。


(1)

32n13^{2^n} - 1 を因数分解して,

v2(32n1)=v2((321)(32+1)(322+1)(32n1+1))=v2(321)+k=1n1v2(32k+1)\begin{aligned}v_2(3^{2^n} - 1) &= v_2\left((3^2 - 1) (3^2 + 1) (3^{2^2} + 1) \cdots (3^{2^{n - 1}} + 1)\right) \\ &= v_2(3^2 - 1) + \sum_{k = 1}^{n - 1} v_2(3^{2^k} + 1).\end{aligned}

ここで 32k+1(1)2k+12(mod4)3^{2^k} + 1 \equiv (-1)^{2^k} + 1 \equiv 2 \pmod{4} であるから,v2(32k+1)=1v_2(3^{2^k} + 1) = 1.したがって,

v2(32n1)=v2(321)+n1=n+2v_2(3^{2^n} - 1) = v_2(3^2 - 1) + n - 1 = n + 2.


(2)

m=2nM, (2,M)=1m = 2^n M,\ (2,M) = 1 とおく.

v2(3m1)=v2(32n1)+v2(32n(M1)+32n(M2)++1)\begin{aligned}v_2(3^m - 1) &= v_2(3^{2^n} - 1) + v_2(3^{2^n (M - 1)} + 3^{2^n (M - 2)} + \cdots + 1).\end{aligned}

ここで 32n1(mod2)3^{2^n} \equiv 1 \pmod{2} であるから,32n(M1)+32n(M2)++1M1(mod2)3^{2^n (M - 1)} + 3^{2^n (M - 2)} + \cdots + 1 \equiv M \equiv 1 \pmod{2}.したがって,

v2(3m1)=v2(32n1)+0=n+2=v2(m)+2\begin{aligned}v_2(3^m - 1) &= v_2(3^{2^n} - 1) + 0 = n + 2 = v_2(m) + 2.\end{aligned}

仮定より 2m3m12^m \mid 3^m - 1 であるから,

mv2(3m1)=v2(m)+2log2m+2,2m2/m1\def\arraystretch{1.5}\begin{array}{c}m \leqq v_2(3^m - 1) = v_2(m) + 2 \leqq \log_2 m + 2, \\\therefore\quad2^{m - 2} / m \leqq 1.\end{array}

f(m)=2m2/mf(m) = 2^{m - 2} / mm1m \geqq 1 で単調増加,かつ f(5)>1f(5) > 1 であるから,m5m \geqq 5 においてこの不等式は成り立たない.すなわち m=2m = 2 または m=4m = 4


どう論証してもこのくらいの複雑さにはなると思います。


補足

しいて二項展開で議論する場合は次のように展開します。

32n1=(2+1)2n1=k=12n(2nk)2k 3^{2^n} - 1 = (2 + 1)^{2^n} - 1 = \sum_{k = 1}^{2^n} \binom{2^n}{k} 2^k

これは 32n13^{2^n} - 122-進表示,ただし各桁がキャリーオーバーした 22-進表示になっています。キャリーオーバーを上位の桁へ移してみると下位の桁にちょうど n+2n + 2 個の 00 が並ぶことが証明できます。議論の中核は二項係数 (2n1),(2n2),(2n3)\binom{2^n}{1}, \binom{2^n}{2}, \binom{2^n}{3}22-進付値を評価することです。


返信(1件)

3=2+1だとすごい示しにくく感じて急遽4-1にしたんですけど、2+1でもいけるのですね。ありがとうございます。

そのほかの回答(1件)

この回答でも悪くないと思うけど、いくつか添削

(1)最後の2m+2(偶数+1)2^{m+2}(\text{偶数}+1)のところはもう少し計算過程を分かりやすくした方がいい。一つ前の式の最後の項は確かに2m+22^{m+2}の倍数だが、他の項はどうかが一目で分かりにくい。


(2)「4m4m2m2^mで割り切れることが必要」のあと

必要→必要と並べるよりはこっちの方がいいかな

「また、このとき2m4m2^m\leqq4mが必要」→「つまり2m4m2^m\leqq4mを満たすmmを求めればよい」


グラフは文字じゃないので、きちんと「グラフより」などと書く方がいい

「(グラフ)よりm=2,4m=2,4が必要」→「グラフよりm4m\leq4であるから、m=2,4m=2,4


最後の検算のところは、べつに逆をとっているわけではないので

「逆にこの時~なので証明終り」→「m=2m=2のとき~、m=4m=4のとき…だから確かに正しい(証明終り)」


個人的な考えだから参考程度にして欲しい。

返信(2件)

回答ありがとうございます。自分の回答の不安な点として、(2)の「これが 2m+22^{m+2} で割り切れるなら、4m4m はそれで割り切れる」の部分で、mが小さい時や、特に、この-4mが二項定理の他の項で打ち消されて0になる場合があると困るんです。打ち消されるならこの4mは何の倍数であってもいいということになるかと思うので。どう思いますか?採点者ってこういうところまでちゃんと採点してるんですかね、、、

補足

必要の連呼しがちだったので助かります、ありがとうございます。

そのあたりはしっかり見てなかったですね…。

(1)利用すれば2n+22^{n+2}で割れること使えばいいかと思ってたので。


ひとまずmmが偶数だからn=2n=2見れば大丈夫そうですね。

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