石川県在住の高一です。高校数学が全然分からないです...それどころか中学数学から分からないです。

東大に通う大学生です。

東京一工に行きたいとなると，やはり数学を捨てることはできません。数学は積み重ねの教科ですから，中学数学に不安がある場合はまずそちらを早期に固めることが必要です。

おそらく，数学の勉強について「問題ごとに1つずつ解答を用意すればよい」と考えているのだと思いますが，それでは応用的な力は決して身につきません。数学に最も重要なのは基礎概念を徹底的に理解し，直感的に利用できるようにすることです。

例えば，「10円のガムと5円のチョコを買ったときの合計金額はいくらですか」という問題に対して，あなたは自然に「10+5=15」という足し算をするでしょう。それはなぜかというと，あなたは足し算というものを直感的に理解していて，「合計」を求めたいときは足し算という道具を使えばよい，ということを深く理解しているからです。

上の例は算数の例ですが，数学においても同様で，場合分けや因数分解や微分積分を徹底的に理解し，直感的に利用できるようにならなければなりません。問題を読んだ時に，いまこういうことを聞かれていて，それを求めるにはこの道具をこうやって使えばよい，ということが，できるだけ見通しよくかつ素早く見えるようになることが受験数学で重要なことだと思います。

数学に登場する概念を道具として難なく使いこなせるようになれば，問題の構成が変わろうと何の問題もありません。

このような理解を得るために，私がやっていた勉強法を一例として紹介します。まず，教科書を自分で読み込みます。一字一句逃さず読んでください。公式の証明も，無理にわかった気にならず，完全に納得できるまで読み込んでください。次に例題を自分で解いてみます。解き方を覚えようとするのではなく，なぜその概念や定理をつかうのか，自分なりに理由づけをしてください。自分だけでは納得できないことも出てくると思いますから，それは友人や先生と気が済むまで議論してください。

基礎の定着には，問題数を多くこなすよりも，少ない問題でも一つずつ深く理解して勉強することの方が重要です。そうやって自分の理解をだんだんと広げていってください。

基礎が定着してきたら，初見の問題に多く触れてみましょう。今までわかったつもりになっていたことが浮き彫りになって，より深い理解が得られるでしょう。

数学はこれらをどれくらい積み重ねたかで実力に差がついてきます。

「問題の構成が変わると全く対応できません。」

→基礎の理解があれば，問題の構成によって問題が解けなくなるということはなくなるとおもいます。

「問題1問やるごとに、教科書とかノートをいちいち見ながらしてます。」

→教科書やノートを見直すのは悪いことではありませんが，その中では解法だけを探そうとするのではなく，定理や定義の確認を怠らないでください。定義は早いうちに覚えてしまいましょう。問題を「考えて」解くことをとても大事にしてください。覚えるのではなく，自分の頭で思考することを怠らないでください。疲れるけど楽しいはずです。

「公式を見ても「ん？」ってなります。これはただ理解力がないだけでしょうか？」

→まずはその公式の証明を理解しましょう。その上で公式がどのような道具になるのかを，複数の問題を解く中で少しずつ理解しましょう。どのような道具になるのかを理解するのは，一日やそこらの短い時間ではできません。日を跨いで，何度も悩む中で，あるとき「あ，こういうことだったのか」と急に理解できるときが訪れます。そのブレイクスルーが起こるのは，一人で勉強している時，他人と議論している時，散歩している時など本当にさまざまです。

道のりは長いですが，まだ高一ということでじっくり腰を据えて数学と向き合ってみてください。ちゃんと理解を積み重ねていけば，自分の使える道具が増え，自力で考えて解ける問題も増えてたのしくなってくるはずです。嫌いだと思い込んでしまうと，ますますやる気がなくなってきてしまうものなので，早いうちから数学と向き合ってみてほしいと思います。

手始めに，二次方程式の解の公式の証明を追ってみるのはどうでしょう？中学数学がわかっているかの確認になると思います。

ぜひ勉強頑張ってください。応援しています。