摩擦角の定義｜摩擦角の求め方と例題

(1)まず，トロッコが円形レールから離れないために $v_0$ が満たすべき条件を考える。 トロッコの運動方程式とエネルギー収支を考える。円形レールの最下点でのトロッコの速さを $v_0$，図に示した，角度 $\phi$ でのトロッコの速さを $v$ とすると，

接戦方向： $mr\ddot{\phi}=-mg\sin\phi$

向心方向： $mr\dot{\phi}^2=N-mg\cos\phi$

エネルギー収支： $\dfrac{1}{2}mv^2+mgr(1-\cos\phi)=\dfrac{1}{2}mv_0^2$

となる。向心方向の式と、エネルギー収支及び，円運動の関係式$v=r\dot{\phi}$　より， $$\begin{aligned} N&=\dfrac{mv^2}{r}+mg\cos\phi\\ &=\dfrac{mv_0^2}{r}-mg(2-3\cos\phi) \end{aligned}$$ $\phi=\pi$　の時を考えると， $N\geq0$　となる条件は， $$N=\dfrac{mv_0^2}{r}-5mg\geq 0\\ \therefore v_0\geq\sqrt{5gr}$$

次に，トロッコが地上からの高さ $2r$ の地点に到達する条件を考える。エネルギー保存の式から， $$\dfrac{1}{2}mv_0^2\geq 2mgr\\ \therefore v_0\geq\sqrt{2gr}$$ となる。以上より求める条件は，$v_0\geq\sqrt{5gr}$

(2)摩擦角を $\theta$ とすると，定義より静止摩擦係数を用いて， $\tan\theta_0=\mu$　となる。一方，動摩擦係数は，最大摩擦係数より小さいことが知られている。(上記の摩擦についての記事参照)よって $$\tan\theta=\mu_0<\tan\theta_0$$ 以上より，最高点に到達した後，トロッコは静止する。