名詞構文とは?使い方や訳し方を例文付きで解説
“the arrival of the train”(列車の到着)や “her kindness”(彼女のやさしさ)のように、動詞や形容詞の名詞形を使って「主語 + 動詞」や「主語 + be動詞 + 形容詞」などの関係を表した構文を「名詞構文」と呼びます。
この記事では、名詞構文の構造、特に意味上の主語や意味上の目的語の示し方について詳しく見ていきます。
この記事に関連するQ&A
動詞の名詞形を使った名詞構文
動詞の名詞形を使った名詞構文
自動詞
自動詞の名詞形を使った名詞構文には、次のようなものがあります。
(1) The station manager announced the arrival of the train.
駅長は列車の到着をアナウンスした。
(2) I was shocked by his sudden death.
私は彼の突然の死にショックを受けた。
(1)の the arrival of the train(列車の到着)は、自動詞 arrive(到着する)の名詞形である arrival(到着)を使った名詞構文です。arrival の意味上の主語である the train(列車)は〈of + the train〉という形で示されています。
自動詞の arrive を用いた構文と、名詞形の arrival を用いた構文との関係は次のようになります。
the train arrived → the arrival of the train
(2)の his sudden death(彼の突然の死)は、自動詞 die(死ぬ)の名詞形である death(死)を使った名詞構文です。death の意味上の主語である he(彼)は所有格(his)で示されています。
自動詞の die を用いた構文と、名詞形の death を用いた構文との関係は次のようになります。
he died suddenly → his sudden death
他動詞
他動詞の名詞形を使った名詞構文には、次のようなものがあります。
(3) Bell is known for his invention of the telephone.
ベルは電話を発明したことで知られている。
(4) Is this your first visit to this hospital?
初めてのご来院ですか?
(5) They went to the boy’s rescue.
彼らはその少年の救助に向かった。
(3)の his invention of the telephone(彼による電話の発明)は、他動詞 invent(~を発明する)の名詞形である invention(発明)を使った名詞構文です。invention の意味上の主語である Bell は所有格の代名詞(his)で、意味上の目的語である the telephone(電話)は〈of + the telephone〉という形で示されています。
他動詞の invent を用いた構文と、名詞形の invention を用いた構文との関係は次のようになります。
he invented the telephone → his invention of the telephone
(4)の your first visit to this hospital(あなたの初めての来院)は、他動詞 visit(~を訪れる)の名詞形である visit(訪問)を使った名詞構文です。visit の意味上の主語である you(あなた)は所有格(your)で、意味上の目的語である the hospital(病院)は〈to + the hospital〉という形で示されています。
他動詞の visit を用いた構文と、名詞形の visit を用いた構文との関係は次のようになります。
you visit this hospital for the first time → your first visit to this hospital
(5)の the boy’s rescue(少年の救助)は、他動詞 rescue(~を救う)の名詞形である rescue(救助)を使った名詞構文です。rescue の意味上の目的語である the boy(少年)は所有格(the boy’s)で示されていますが、意味上の主語は明示されていません。(意味上の主語が文脈から明らかな場合は、特に明示しないのが普通です。)
他動詞の rescue を用いた構文と、名詞形の rescue を用いた構文との関係は次のようになります。
rescue the boy → the boy’s rescue
形容詞の名詞形を使った名詞構文
形容詞の名詞形を使った名詞構文
形容詞の名詞形を使った名詞構文には、次のようなものがあります。
(6) They soon discovered the beauty of the landscape.
彼らはすぐにその景色の美しさに気づいた。
(7) She is worried about her child’s repeated absences from school.
彼女は子供が繰り返し学校を欠席することに悩んでいる。
(6)の the beauty of the landscape(その景色の美しさ)は、形容詞 beautiful(美しい)の名詞形である beauty(美しさ)を使った名詞構文です。beauty の意味上の主語である the landscape(景色)は〈of + the landscape〉という形で示されています。
形容詞の beautiful を用いた構文と、名詞形の beauty を用いた構文との関係は次のようになります。
the landscape was beautiful → the beauty of the landscape
(7)の her child’s repeated absences from school(子供が繰り返し学校を欠席すること)は、形容詞 absent(欠席の)の名詞形である absence(欠席)を使った名詞構文です。absence の意味上の主語である her child(彼女の子供)は所有格(her child’s)で示されています。
形容詞の absent を用いた構文と、名詞形の absence を用いた構文との関係は次のようになります。
her child is repeatedly absent from school → her child’s repeated absences from school
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
下線部の名詞の意味上の主語や意味上の目的語が示されている場合は、それらを指摘しなさい。
1.April 1 marks the start of the school year.
2.The company’s discovery of oil was a lucky accident.
3.We are worried about our children’s education.
1.the school year(意味上の主語)
(the school year starts → the start of the school year)
2.The company(意味上の主語)、oil(意味上の目的語)
(the company discovered oil → the company’s discovery of oil)
3.our children(意味上の目的語)
(educate our children → our children’s education)
名詞構文の解釈に困ったときは、「主語 + 動詞」「動詞 + 目的語」「主語 + be動詞 + 形容詞」などの関係に直して考えてみることをお勧めします。