一応きちんとした説明を与えておきますが、高校範囲はかなり逸脱します。結果として地球(固定惑星)の中心が焦点になることは覚えていた方がよいでしょう。
本設定において、運動方程式は以下のようになる。erの定義は後に明らかにする。
mdt2d2r=−Gr2Mmer
ここで、rは原点 O からの位置を表し、r=∣r∣。
さて、2次元極座標を導入する。2次元極座標とは、直交座標 (x, y)の代わりに
r=x2+y2,tanθ=xy
なる (r, θ)を用いて点を指定する座標系である。また、原点から (r, θ)に伸びる方向の単位ベクトルを er、 (r, θ)を原点から見て反時計回りに回転させる方向の単位ベクトルを eθとする。すなわち、以下の様に定義する。
er=cosθex+sinθeyeθ=−sinθex+cosθey
(単位円上にこの2つのベクトルを描き、その意味を確認せよ。)
図形的な認識が難しい場合には、以下のサイトを見ると良い。
https://toy1972.hatenablog.com/entry/2020/06/06/082310
さて、この2つの間には
dθder=eθ, dθdeθ=−er
という関係があることもわかる。これを用いて運動方程式を書き換えてみよう。
今回r=rerだから、運動方程式は
m[dt2d2r−r(dtdθ)2]er+m[rdt2d2θ+2dtdrdtdθ]eθ=−Gr2Mmer
これを各成分ごとに議論することで
dt2d2r−r(dtdθ)2=−Gr2Mrdt2d2θ+2dtdrdtdθ=0
を得る。(4)式を踏み込んで解釈すると、
dtd(r2dtdθ)=0
すなわち
mr2dtdθ=h
なる hは定数であると分かる。この hは角運動量と呼ばれるものの特殊ケースであり、角運動量は大学以降の物理で極めて重要になる概念である。(質量 mを掛けたのは角運動量に触れるためであり、本来の論理にはあまり関係ないため、あまり深く考える必要はない。)
さて、これを変形した
dtdθ=mr2h
を(3)式に代入してみると
dt2d2r−r(mr2h)2=−Gr2M
を得る。これは rを tの関数と見立てた微分方程式だが、これを θを変数とした微分方程式に変えたい。そこで、
dtdr=dtdθdθdr=mr2hdθdr
dt2d2r=dtd(mr2hdθdr)=mr2hdθd(mr2hdθdr)
と変形する。そうすれば、(5)式は θを変数とした rの微分方程式になる筈だ。この形の微分方程式を解くのは容易ではないが、
u=r1
と変換し、 uの微分方程式に書き直すと
dθ2d2u+u−h2GMm2=0
を得る。この微分方程式を解くのは簡単で、
u(θ)=h2GMm2+Acos(θ+α)
となる。( Aと αは定数。)よって
r(θ)=1+GMm2Ah2cos(θ+α)GMm2h2
を得る。(7)式のように、極座標系における r と θ の関係を示した式を極方程式と呼ぶ。特に、(7)式の形は『楕円・双曲線』型の極方程式であり、原点が焦点となっている楕円(または双曲線)を表す。
この点においては、以下を確認すると良い。
https://manabitimes.jp/math/1113
(説明終)
この議論を追うのは中々大変ですが、別に高校生が理解しきる必要もないのかなと思います。(どうせ物理学科に行けばやらされます。)
とりあえず「数学的な議論のもとで示されるんだな」ということを知っておくだけで良いのではないでしょうか。
質問者からのお礼コメント
丁寧にありがとうございます。大学入試にどう活かすかが分かったので満足です!また機会が有ればよろしくお願いします🤲