(1)
f(x,y,t)=0 があらわすものは曲線の集合であるという理解でまったく正しいです。「曲線族」という言葉はたしかに「曲線の集合」を意味します。もっとも「族」という言葉を使うとき、それはただの集合ではなく、集合に属するひとつひとつの曲線が番号づけされたものを指します。番号というのはパラメータ t のことです。
より詳しい説明は以下にゆずります。
(2)
たとえば、f(x,y,t)=x2+y2−t2 というように f を具体化してみます。方程式 f(x,y,t)=0 はいま
x2+y2=t2
という方程式に同じです。これは、半径 t、中心 (0,0) の円の方程式です。かりに t=1 として、平面上にこの円を描いてみましょう。t を 1≤t≤2 の範囲で動かせば、円はだんだん膨らんでいって、t=2 となった時点で膨らむのをやめるでしょう。そのあいだに円のなぞったドーナツ状の領域が、いまの場合の通過範囲 F です。
さて、(x,y) が F に属するとしたら、円を膨らませてゆくどこかの時点で、円は (x,y) を通過したはずです。その「どこかの時点」で、円はある半径 t をとっていたはずです。つまり、
(x,y) が F に属する⟺ある半径 t をもつ円について (x,y) はその円周上にのる
このことを論理記号で書けば
(x,y)∈F⟺∃t, x2+y2=t2⟺∃t, f(x,y,t)=0
となります。
一般の曲線族 f についても同じように考えます。パラメータ t を α≤t≤β の範囲で動かすとき、曲線 f(t) は t の変化にしたがって空間上を動きます。そのとき曲線のなぞった領域が通過範囲 F です。点 (x,y) が F に属するということは、どこかの時点で曲線が (x,y) を通過したことを意味します。その「どこかの時点」での曲線が t で番号づけされていたとすれば、
(x,y)∈F⟺∃t, f(x,y,t)=0
となります。t の動く範囲まで合わせて明示するなら、
(x,y)∈F⟺∃t (α≤t≤β∧f(x,y,t)=0)
ということです。
(余計かも知れないこと)
私ひとりの意見をいえば、∃t (α≤t≤β∧f(x,y,t)=0) という論理記号による表現は分かりにくいので、自分なりに読み下した方がゆくゆく便利だと思います。私は普段「ある t∈[α,β] について f(x,y,t)=0 が成り立つ」のように読み下しています。