なぜ気柱の共鳴において、
開口端は振動の腹になるのでしょうか。
とあるサイトで以下のような記述がありました。
『閉口端は空気分子が動けないので固定端となり、定常波における節となります。
もう一方の開口端は空気分子が自由に動けるので自由端となり、定常波における腹となります。』
ですが、 倍振動や、 倍振動においては、自由に動ける気柱の気体分子(閉口端でない、気柱の中間地点付近などにある気体分子)も節になりえます。
空気分子が自由に動ける → 定常波における節
という説明は不十分ではないのでしょうか。
どなたかご回答お願いします。
ベストアンサー
それは開口端が腹になるように定義された概念であるから、という答え方も出来ますが、それではつまらないので思考実験がてら詳しく書き記していきたいと思います。
ちなみに結論から言うと自由端は節になりません。
(自由端が実は腹ではないのでは、という問いならば、その通りです!)
開口端とはすなわち媒質が自由に振動する箇所であり、つまり空気が自由に漂っている場所であることはなんとなく理解されていると思われます。
それに対して閉口端は、媒質が固定されている箇所なので振動を伝えられた時に振動を媒介しません。
例えば空気が媒質であるなら、閉口端は剛体や真空、または水だったりします。媒質が存在せず、振動が伝わらないならなんでも良いです。
ここでは気柱振動なので、高校物理での媒質は一般に空気として考えられているでしょう。
さて、質問者は開口端が節になる可能性を示唆されていますが、これはつまり、開口端の媒質が自由に振動する状態でありながら一切の振動が発生しない周波数が存在するとも言い換えられます。
つまり、気柱外部から音源を入力しながら、開口部分で定常波の振動が発生しない状態が恒常的に発生するという事ですね。
音は一般的に疎密波であるので、音源から発した音は、入力がゼロでない限り、確実に媒質へと伝わります。
(つまり入力がゼロの場合は気柱振動は発生しません。これ自体は当たり前ですが、例えば入力が連続的に変化し、周期的にゼロになる三角関数のような音源を入力した場合は、その音の強弱に従ってそれに伴う気柱振動が発生するとざっくり考えられます)
気柱振動というのは詳しく言うと、入力された音が空気を通じて気柱内を往復することにより、空気圧力が連結ばねの単振動のように運動し、結果的に気柱内で疎密の定常波を作り出す現象です。
なので気柱振動における節とは、単振動の相互作用によって出来た無振動状態であり、力学的に言えば力が打ち消し合ってるだけに過ぎません。
つまり音は伝わっているけれども、定常的には振動していないという訳です。
ここで、開口端を含む気柱外部には十分広い空間に媒質が過不足なく満たされているという暗黙の前提がありますので、気柱振動における自由端とはつまり気柱外として近似できます。
気柱外には媒質が存在するので、つまり音波は過不足なく伝わり、伝わるということはすなわち振動が発生するという事になります。
なので、よほど特殊な実験モデルでもない限り、こういった特殊な定常波が気柱外で発生して、なおかつ無振動状態(節)が起こる、というのはまずありえないのではないでしょうか。
よって、自由端の位置で腹にならない場合はありえても、節になる事は定性的にありえません。
なお有名事実として、自由端からズレた位置に腹が出来る開口端補正という現象が存在します。(ご存知かもしれませんが)
一応の回答は以上とさせていただきます
文章だけなので飲み込みづらいと思いますが、画像などを用いた説明をされているサイトもいくつか存在しますので、いろいろ調べて納得していただければと思います。
長々説明しましたが、なぜ腹になるのか、という部分をすっかり書き忘れていました。
開口端(自由端)で腹が出来ることを共鳴と言い、そこで腹になるように周波数の音波を調整して気柱に入力しているだけのことです。
先ほど説明した気柱振動の原理と合わせると、つまり音の圧力によって出来た疎密定常波において、最も空気が大きく動いている箇所(腹)と開口端の位置が重なっている状態が共鳴ということになります。