【例文付き】「そもそも」の英語表現とそれぞれのニュアンス

「そもそも」という表現を英語で伝える際は、状況や文脈に応じていくつかの異なるフレーズが使えます。

ここでは「そもそも」を示す英語のフレーズとそれぞれのニュアンスを見ていきましょう。

「そもそも」の英語表現

「そもそも」を英語で表現する際のいくつかの方法と、それぞれのニュアンスを簡潔に説明します:

「そもそも」の英語
  • In the first place - 基本的な原因や理由を指し示すときに使われる。
  • To begin with - 議論や説明の出発点を示すのに使われる。
  • Originally - 何かが最初に始まった状態や理由を強調する際に使用する。
  • Fundamentally - 根本的な、基礎的な観点から物事を考えるときに用いる。
  • At the outset - 何かが始まる最初の時点を指し示す。
  • From the start - 事の発端や初期段階を強調する場合に使用する。
  • From the beginning - 最初からの状況や経緯を強調するのに適している。
  • From square one - 完全に初めから、基本から考え直す必要がある状況を示す。
  • From the ground up - 基礎や基本から物事を構築する過程や状態を強調する。
  • At the root - ある問題や状況の根本的な原因を指し示す。

これらの表現は、状況や文脈に応じて使い分けることができ、それぞれが少し異なるニュアンスを持っています。

In the first place

“In the first place” は、話や議論をその根本的な問題や出発点に戻す時に使われる表現です。これは、何かを議論する際に最初に考慮すべき基本的な事柄や理由を指摘するのに適しています。特に、現在の話題が元の問題や目的から逸脱していると感じる場合に、話を元のポイントに戻すために用いられます。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. In the first place, why did we decide to change the marketing strategy?
    日本語訳 そもそも、なぜ私たちはマーケティング戦略を変更することに決めたのですか?
  2. He shouldn’t have been invited to the meeting in the first place.
    日本語訳 彼はそもそもその会議に招待されるべきではなかった。
  3. I wonder if we need to reconsider our approach. Did we even define our objectives clearly in the first place?
    日本語訳 私たちのアプローチを見直す必要があるかもしれません。そもそも、私たちは目標を明確に定義していましたか?

これらの例では、「In the first place」は、根本的な質問を提起したり、元々の決定や行動が適切だったかを疑問視する際に使われています。

To begin with

“To begin with” は、話や議論の初めに、基本的な事実や前提を設定するために使われる表現です。このフレーズは、特に複雑な問題や状況を説明する際に、その最も基本的な点や出発点を明らかにするのに役立ちます。また、ある事柄について詳しく話す前の導入部分で使われることが多いです。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. To begin with, let’s clarify what our main goals are for this project.
    日本語訳 まず初めに、このプロジェクトにおける私たちの主な目標が何であるかを明確にしましょう。
  2. There are several reasons we’re facing difficulties, to begin with, the lack of funding.
    日本語訳 私たちが困難に直面している理由はいくつかありますが、まず初めに資金不足があります。
  3. To begin with, I’d like to thank everyone for attending today’s meeting.
    日本語訳 まず初めに、今日の会議に参加してくださった皆さんに感謝したいと思います。

これらの例では、「To begin with」は、議論や説明の出発点を設定し、聴衆の注意をその最初の重要なポイントに集中させるために使用されています。

Originally

“Originally” は、何かが最初にどのように始まったか、またはもともとどのような状態や意図であったかを指し示すために使われる表現です。この言葉は、時間の経過とともに変化した事柄の初期の状態や意図を強調する際に特に有用です。また、現在の状況と比較して、元々の計画や考えがどうだったかを示すときにも使われます。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. Originally, this building was designed to be a library, not a museum.
    日本語訳 もともとこの建物は図書館として設計されていたのであって、博物館ではありませんでした。
  2. The plan was originally to launch the product in June, but it’s been delayed.
    日本語訳 当初の計画では6月に製品を発売する予定でしたが、遅延しています。
  3. I originally studied to be a lawyer, but then I switched to journalism.
    日本語訳 もともとは弁護士になるために勉強していましたが、後にジャーナリズムに転向しました。

これらの例では、「Originally」は、過去の意図、計画、または状態が現在とどのように異なるかを強調しています。この表現は、時間の経過に伴う変化や初期の目的を明確にする際に特に役立ちます。

Fundamentally

“Fundamentally” は、根本的、基本的な特性や性質を指し示すときに使われる言葉です。この表現は、何かの最も重要な、変わらない本質や原理を強調する際に用いられます。特に、表面的な違いや変化を超えて、物事の基礎的な側面や真の性質に焦点を当てたい場合に適しています。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. Fundamentally, our values and goals haven’t changed, even though our strategies have evolved.
    日本語訳 根本的には、私たちの価値観や目標は変わっていませんが、戦略は進化しています。
  2. This issue is fundamentally about trust, not just about policies or procedures.
    日本語訳 この問題は、ポリシーや手続きだけでなく、根本的には信頼に関するものです。
  3. He remains fundamentally optimistic, despite the current challenges.
    日本語訳 彼は現在の課題にもかかわらず、根本的には楽観的です。

これらの例では、「Fundamentally」は、物事の基本的な側面や変わらない核心を表現するために使われています。表面的な変更や状況の変化を超えて、何かの本質や基本原理を強調する際にこの言葉が用いられることが多いです。

At the outset

“At the outset” は、何かが始まる最初の時点、特にプロジェクトや活動の開始時を指す表現です。このフレーズは、初期の計画や意図、状況を強調し、後に起こった変化や展開と比較する際に用いられます。特に、最初に設定された目標や条件が後の段階でどのように変わったかを示す場合に適しています。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. At the outset of the project, we agreed on certain goals, which have since evolved.
    日本語訳 プロジェクトの開始時に、私たちは特定の目標に合意しましたが、それは以降進化しました。
  2. He was enthusiastic at the outset, but his interest waned as the work became more challenging.
    日本語訳 彼は最初は熱心でしたが、仕事がより困難になるにつれて、彼の興味は薄れていきました。
  3. At the outset, the plan seemed simple, but it quickly became apparent that more resources were needed.
    日本語訳 最初は計画は単純に思えましたが、すぐにより多くのリソースが必要であることが明らかになりました。

これらの例では、「At the outset」は、初期段階の状況や合意された目標を示し、後に起こる変化や課題と比較するために使用されています。

From the start

“From the start” は、あるプロセスや活動が始まる最初の時点を指す表現です。このフレーズは、初期の計画、意図、または状況を強調し、その後の展開や変化と対比させる際に特に有用です。特に、初めから存在している問題や課題、または初期から継続している状態や方針を示す場合に使われます。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. From the start, the team faced significant challenges with the project.
    日本語訳 最初から、チームはプロジェクトにおいて重大な課題に直面していました。
  2. Her commitment to environmental issues was evident from the start of her career.
    日本語訳 彼女のキャリアの初めから、環境問題への彼女のコミットメントは明らかでした。
  3. From the start, we knew that achieving our goals would require hard work and dedication.
    日本語訳 最初から、私たちの目標を達成するには努力と献身が必要になることがわかっていました。

これらの例では、「From the start」は、事態の初期段階での状況や取り組みの性質を指し示し、時間の経過と共にどのように進展または変化したかを示すために使われています。

From the beginning

“From the beginning” は、何かが始まった当初の時点や状態を指す表現です。このフレーズは、プロセスや活動の初期段階での計画、意図、または状況を強調する際に用いられます。特に、初めから存在していた条件や問題、または始めから明らかだった事実や展望を示す場合に適しています。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. From the beginning, it was clear that the project would be challenging.
    日本語訳 最初から、そのプロジェクトが難しいものになることは明らかでした。
  2. She had a vision for the company from the beginning, which guided all her decisions.
    日本語訳 彼女は最初から会社に対するビジョンを持っており、それが彼女のすべての決定を導きました。
  3. From the beginning, we agreed to be honest with each other about our expectations.
    日本語訳 最初から、私たちは互いの期待について正直であることに同意しました。

これらの例では、「From the beginning」は、事態の初期段階での状況や計画を示し、それが後の展開にどのように影響したかを示すために使われています。

From square one

“From square one” は、全くの初めから、基本的な出発点に戻ることを意味する表現です。このフレーズは、特に計画やプロセスが大きく変更されたり、初期の段階に戻る必要がある場合に用いられます。進行中の事柄が根本的に見直される際や、完全に新たなアプローチが必要な状況で使われることが多いです。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. After the feedback, we realized we need to start from square one with our design.
    日本語訳 フィードバックを受けて、私たちはデザインを全くの初めからやり直す必要があると気づきました。
  2. The negotiations broke down, so we’re back to square one.
    日本語訳 交渉が決裂したので、私たちはまた最初からやり直すことになりました。
  3. If this approach doesn’t work, we may have to go back to square one and rethink our strategy.
    日本語訳 このアプローチがうまくいかなければ、最初からやり直して戦略を見直す必要があるかもしれません。

これらの例では、「From square one」は、事態が完全に初期の状態に戻ることを示しています。これは、大幅な変更や新たな始まりを意味する場合に特に適した表現です。

From the ground up

“From the ground up” は、完全に新たに、基礎から物事を構築することを意味する表現です。このフレーズは、何かが完全にゼロから作られる、または根本的に再構築される場合に使われます。特に、新しいプロジェクトやビジネス、構造などを完全に新しい基盤やアイデアから始める際に適しています。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. They built the company from the ground up, starting with just a small team.
    日本語訳 彼らは小さなチームから始めて、会社を一から築き上げました。
  2. The new software was developed from the ground up to ensure better performance.
    日本語訳 新しいソフトウェアは、より良い性能を確保するために完全に一から開発されました。
  3. We need to rethink our approach and start from the ground up.
    日本語訳 私たちはアプローチを根本的に見直し、一から始める必要があります。

これらの例では、「From the ground up」は、全く新しい基盤やアイデアから何かを構築する過程を示しています。この表現は、全く新しい始まりや、既存のものを完全に改造する必要がある状況に特に適しています。

At the root

“At the root” は、問題や状況の最も根本的な原因や要素を指し示す際に用いられる表現です。このフレーズは、表面的な症状や結果ではなく、物事の深層にある本質的な原因や動因に焦点を当てたい時に特に適しています。問題の核心に迫る、または根底にある事実を明らかにする場合に使われます。

例文とその日本語訳は以下の通りです:

  1. At the root of the conflict is a fundamental difference in values.
    日本語訳 その対立の根本には、価値観の基本的な違いがあります。
  2. To solve this issue, we must understand what lies at the root of the problem.
    日本語訳 この問題を解決するためには、問題の根底にあるものを理解する必要があります。
  3. At the root of his success is a combination of hard work and persistence.
    日本語訳 彼の成功の根底には、努力と粘り強さが組み合わさっています。

これらの例では、「At the root」は、状況や問題の最も基本的な原因や要因を指摘するために使用されています。この表現は、物事の深層にある本質的な要素を強調する際に特に役立ちます。

英語で「そもそも」を表現する際のポイントと注意点

まず、正確な文脈を選択し、適切なフレーズを選ぶことが大切です。文脈に応じて “In the first place” や “To begin with” などが選択肢としてあります。また、各表現には独自のニュアンスがあるため、ニュアンスを理解し選択することが重要です。

注意として、過剰使用を避け、ポイントを強調する際に使用するタイミングに気を付けましょう。文の構造にも注意し、一般的には文の始めに配置することが一般的ですが、文脈に応じて文中や文末に配置することもあります。さらに、聞き手の理解度を考慮し、必要に応じて詳細な説明を加えることが大切です。

「そもそも」の英語表現まとめ

「そもそも」を英語で表現する際には、いくつかの異なるフレーズが使用されます。これらのフレーズは、文脈やニュアンスによって選択され、話題の基本的な出発点や根本的な問題を指し示すのに用いられます。以下に主な表現をまとめます:

まとめ

  • In the first place - 基本的な原因や理由を指し示し、元の問題や目的に話を戻す際に使用される。

  • To begin with - 議論や説明の出発点を示し、基本的な前提や事実を設定する際に用いられる。

  • Originally - 何かが最初にどのように始まったか、もともとどのような状態や意図であったかを強調する際に使用する。

  • Fundamentally - 根本的な観点や基本原理を強調し、物事の本質や核心を指し示す際に用いられる。

  • At the outset - 何かが始まる最初の時点や初期段階を指し示すのに使われる。

  • From the start - 事の初めや元々の計画、初期の状態を強調する際に使用される。

  • From the beginning - 最初からの状況や経緯を強調し、時間の経過に伴う変化を示す際に用いられる。

  • From square one - 完全に初めからやり直す必要がある状況、特に大きな変更や新たなアプローチが必要な場合に使用される。

  • From the ground up - 何かを全く新しい基盤やアイデアから構築する過程や状態を強調する際に使われる。

  • At the root - 問題や状況の根本的な原因や要素を指し示す際に用いられる。

これらの表現は、英語での「そもそも」を適切に伝えるために、文脈に応じて選択し使用することが重要です。