「恥ずかしい」の英語表現とそれぞれのニュアンス・例文

「恥ずかしい」は英語でどのように言うのでしょうか。

「人前で転んで恥ずかしかった」「うそをついたことが恥ずかしい」「彼は恥ずかしがり屋だ」など、普段何気なく使っている「恥ずかしい」という言葉ですが、英語で表現しようとすると意外と難しいことがわかります。

実は英語には、日本語の「恥ずかしい」にそのまま当てはまる単語やフレーズがありません。上の3つの文を英語に直した場合、「恥ずかしい」に当たる部分は、それぞれ embarrassed、ashamed、shy という異なった単語で表現されることになります。

「恥ずかしい」の意味を英語で表現する場合は、この embarrassedashamedshy の3語が基本になります。今回は、この3語の使い方を中心に説明していきます。

embarrassed

embarrassed は、人前で失敗したり、きまりが悪かったりして「恥ずかしい」「照れ臭い」という意味で使われます。

通常は be [または feel] embarrassed という形をとり、多くの場合、前置詞句(about ~、at ~、by ~)や to 不定詞を伴います。

I was so embarrassed when I tripped in front of the whole class.
クラス全員の前で転んでとても恥ずかしかった。

He was embarrassed by [about, at] his son’s bad behavior.
彼は息子の行儀の悪さを恥ずかしく思った。

I was too embarrassed to ask her out.
恥ずかしくて[照れ臭くて]彼女をデートに誘えなかった。

She was embarrassed to be praised in front of so many people.
彼女は大勢の人の前で褒められて恥ずかしかった[照れ臭かった]。

上の例からもわかるように、embarrassed が述語として使われる文では、「恥ずかしく感じている人」が主語になります。

一方、「恥ずかしく感じさせる状況」が主語になる場合は、embarrassed の代わりに embarrassing を使うことになります。

His presentation was so embarrassing to watch.
彼のプレゼンは見ていてとても恥ずかしかった。

It is embarrassing to sing in public.
人前で歌うのは恥ずかしい [照れ臭い]。

That’s embarrassing.
それは恥ずかしいね。

なお、embarrassing には、

He made an embarrassing mistake.
(彼は恥ずかしい間違いを犯した。)

のように、名詞を修飾する用法もあります。

ashamed

ashamed は一般に、罪の意識や良心の呵責からの「恥ずかしさ」を意味します。また、病気や貧困、外見などによって本人が「恥」を感じる場合にも使われます。

通常は、be [または feel] ashamed of ~ という形をとりますが、of ~ の代わりに for ~ や to 不定詞、that 節などが使われることもあります。

I 'm ashamed of myself for having done such a thing.
あんなことをした自分が恥ずかしい。

She was ashamed of her shabby dress.
彼女は自分のみすぼらしい服が恥ずかしかった。

I 'm ashamed for having lied to you.
君にうそをついたことが恥ずかしい。

I 'm ashamed to say it, but I used to drink a lot.
恥ずかしい話ですが、以前はたくさんお酒を飲んでいました。

I 'm ashamed that I cheated on my final exam.
期末試験でカンニングしたことが恥ずかしい。

なお、

I was embarrassed / ashamed that I couldn’t answer the question.
(質問に答えられなくて恥ずかしかった。)

のように、embarrassed と ashamed の両方が使えるケースもあります。上の文の場合、embarrassed は「気恥ずかしかった」というニュアンスに、ashamed は「恥をかいた」というニュアンスになります。

shy

shy は「恥ずかしがりの」という意味を表します。embarrassed や ashamed と違い、shy には「人前で緊張する」「臆病な」というニュアンスがあります。

He is a shy person.
彼は恥ずかしがり屋だ。

Don’t be shy. Come and say hello.
恥ずかしがらないで。こっちに来て挨拶しなさい。

She is shy with boys.
彼女は男の子の前で恥ずかしがる。

She was too shy to ask anyone for help.
彼女は恥ずかしがって誰にも助けを求めなかった。

その他の表現

shame

shame は、上で説明した ashamed と同じニュアンスの「恥ずかしさ」「恥」を意味します。

He bowed his head in shame.
彼は恥ずかしさのあまりうつむいた。

I felt great shame at telling him a lie.
彼にうそをついてとても恥ずかしく思った。

To my shame, I am not a very good cook.
恥ずかしいことですが、料理はあまり得意ではありません。

Shame on you!
恥を知れ!

なお、「恥ずかしい」という文脈において、shame は ashamed ほど頻繁には使われません。日常会話では、That’s a shame.(それは残念だ)、It’s a shame that ~(~は残念なことだ)のように、「残念」という意味で使われることが多い語です。

humiliate

humiliate は「(公衆の面前で)恥をかかせる」「屈辱を与える」という意味の動詞です。embarrass の場合と同じように、「恥ずかしく感じている人」が主語の場合は過去分詞の humiliated を、「恥ずかしく感じさせる状況」が主語の場合は現在分詞の humiliating を使います。

I’ve never been so humiliated in my entire life.
今までの人生でこれほど恥ずかしい思いをしたことはなかった。

The defeat was so humiliating that he did not want to live any more.
敗北があまりにも恥ずかしく、彼は生きていたくないとさえ思った。

「恥ずかしい」の英語表現のまとめ

以上、「恥ずかしい」に関する様々な英語表現について見てきました。

まとめ

  • 「恥ずかしい」の意味を英語で表現する場合は、 embarrassedashamedshy の3語が基本になります。
  • embarrassed は、人前で失敗したり、きまりが悪かったりして「恥ずかしい」という意味で使われます。
  • 「恥ずかしく感じさせる状況」が主語になる場合は、embarrassed の代わりに embarrassing を使います。
  • ashamed は一般に、罪の意識や良心の呵責からの「恥ずかしさ」を意味します。また、病気や貧困、外見などによって本人が「恥」を感じる場合にも使われます。
  • shy は「恥ずかしがりの」という意味を表します。embarrassed や ashamed と違い、「人前で緊張する」「臆病な」というニュアンスがあります。
  • shame は、ashamed と同じニュアンスの「恥ずかしさ」「恥」を意味しますが、「恥ずかしい」という文脈では ashamed ほど頻繁には使われません。
  • humiliate は「(公衆の面前で)恥をかかせる」「屈辱を与える」という意味の動詞です。「恥ずかしく感じている人」が主語の場合は過去分詞の humiliated を、「恥ずかしく感じさせる状況」が主語の場合は現在分詞の humiliating を使います。

今回の記事を参考に、「恥ずかしい」を意味する英語を上手に使い分けられるようになっていただければと思います。