物理の静電遮蔽についての質問です。添付の写真で、「接地していない場合」では、導体Aの外側に現れる電荷によって作られた電

Question

物理の静電遮蔽についての質問です。

添付の写真で、「接地していない場合」では、導体Aの外側に現れる電荷によって作られた電場（以下これを「☆」と書きます）と、物体Cのもつ電荷（導体外部の電荷）によって作られた電場が打ち消しあうことにより、導体A内の電界が０であることはわかりました。

ただ、写真右図の「接地している場合」で、なぜ導体A内部の電界が０になるのかがわかりません。接地により、導体Aの左側にあった＋の電荷が流れていったため、「☆」がなくなってしまい、電場どうしが打ち消しあえなくなってしまったと思うのですが…。

よろしくお願いします。

@sHlcNRe46 · Accepted Answer

導体の内側表面には電荷は分布しません。したがって、導体で囲まれた領域において電荷が存在しないので、電場は作られません。

図のように、導体 $\mathrm{A}$ の外側に正の電荷をもつ物体 $\mathrm{C}$ があるとき、導体 $\mathrm{A}$ の右側には負の電荷分布が現れます。これは、正の電荷から出ている電気力線が入るところと考えれば納得できるかと思います。

ここで、導体 $\mathrm{A}$ には電荷が存在しないので、全体的に電荷を打ち消すような分布、つまり負の電荷分布が導体 $\mathrm{A}$ の左側に現れます。

導体 $\mathrm{A}$ の外側では、物体 $\mathrm{C}$ の電荷のみを置いた空間と同じ電気力線が描かれることになります。

導体 $\mathrm{A}$ の内側では物体 $\mathrm{C}$ の電荷の影響を受けていません。これを $\bold{静電遮蔽}$ といいます。

導体 $\mathrm{A}$ に現れる電荷分布によって内側の電場が打ち消されているわけではないということです。ここに認識の誤りがあると考えられます。

一方で、導体 $\mathrm{A}$ を接地したとき、導体 $\mathrm{A}$ には電荷が存在します。これは導体の外側表面にのみ現れ、導体 $\mathrm{A}$ の電位が $0$ となるように分布します。

導体 $\mathrm{A}$ の内側については接地していない場合と同じですので、同じく静電遮蔽が起こります。