解決済み

数学的帰納法について

https://manabitimes.jp/math/644 によると、数学的帰納法の(3)のパターンでは、「nk1n \leqq k-1の場合全てを仮定してn=kn=kのときを示す」がありますが、これを使って良いのなら(1)のように「n=kn=kのときだけを仮定してn=k+1n=k+1の場合を示す」必要はなく、どんな問題であっても(3)のパターンを使ってしまったほうが、パターン分けをする必要がなく楽だと思うのですが、そうしてはいけないのはなぜでしょうか?

例えば最初の例の1+2+n=12n(n+1)1+2+ \cdots n=\frac{1}{2}n(n+1)の証明に対して

n=1n=1のとき、~~により成立。nk1n \leqq k-1全てで成立すると仮定し、n=kn=kのとき、~~により成立。」

といった書き方ではいけないのはなぜでしょうか?

ベストアンサー

ベストアンサー

つねに(3)のパターンを使ってもいけないことはありませんが,証明の書き方として不自然になる場合があると思います.


たとえば次の命題

「任意の n1n \geq 1 に対して P(n):=(n以下の素数すべての積)<4nP(n) := (n\,以下の素数すべての積) < 4^n

を例にとってみます.

 この命題を帰納法で証明しようというとき,P(k+1)<4k+1P(k + 1) < 4^{k + 1} の証明に必要なのは P(k)=max{P(1),P(2),,P(k)}P(k) = \max \{P(1),P(2),\cdots,P(k)\} がどれほど大きいかという評価であって,P(1),P(2),,P(k)P(1),P(2),\cdots,P(k) 個々の値がどれほど大きいかという評価は不要です.つまり n=kn = k での成立さえ帰納法の仮定におけばよいので,nkn \leq k での成立を仮定するのは過剰です.それは命題の形式をみただけで察せられます.

 こういう場合,「nkn \leq k での成立を仮定する」と書いたら,「おや,この議論者はどうしてこんな無意味な仮定を置いているのだろう? この議論はどこへ向かっているのだろう?」と読み手を幾分戸惑わせると思います.


証明の道筋を明快にするという観点からゆけば,(1),(3)のパターンを場合に応じて使い分けるのがよいのではないかと思います.

質問者からのお礼コメント

質問者からのお礼コメント

ありがとうございます。「不必要な仮定をおいてはならない」から使い分ける必要があるんですね。

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