【例文付き】「覆水盆に返らず」の英語表現とそれぞれのニュアンス

「覆水盆に返らず」という日本の諺は、一度起きたことは元には戻せないという意味を持ちます。この概念を英語で表現する際には、似た意味を持つ複数の英語表現が存在します。

英語で「覆水盆に返らず」に相当する表現を選ぶ際は、そのニュアンスと使用される状況を理解することが重要です。

「覆水盆に返らず」の英語表現

「覆水盆に返らず」という日本語の諺は、「ひっくり返った水は盆に戻らない」という意味で、一度起こったことは元に戻らない、または過去の決定や行動は変更不可能であるということを表します。英語にはこの概念を表現するいくつかの類似の表現があります。

「覆水盆に返らず」の英語
  • “What’s done is done.”:一度行われたことは変えられないことを表します。
  • “There’s no use crying over spilt milk.”:既に起こったことを嘆いても無駄であるという意味です。
  • “You can’t unring a bell.”:一度鳴らした鐘の音は取り消せないという意味で、過去の行動は取り消し不可能であることを示します。
  • “It’s water under the bridge.”:過ぎ去ったこと、もはや重要でない過去の出来事を指します。
  • “You can’t put the genie back in the bottle.”:一度解放された「精霊」は再び瓶に戻せないという意味で、過去の行動は元に戻せないことを示します。

What’s done is done.

「What’s done is done.」は、一度起きたことは変えられないという事実を受け入れるという意味を持つ英語の表現です。

このフレーズは、過去の行動や決定が不可逆であることを認め、それに対する後悔や懸念を放棄することを示唆します。一般に、過去の出来事を受け入れて前に進む必要がある状況で使われます。

  1. 英文: “I know we made mistakes, but what’s done is done, and now we need to focus on the future.”
    日本語訳: 私たちが間違いを犯したことは分かっていますが、起きてしまったことは変えられません。今は未来に集中する必要があります。

  2. 英文: “He regretted his decision, but what’s done is done and could not be undone.”
    日本語訳: 彼は自分の決定を後悔していましたが、一度行われたことは取り消せず、変えることはできませんでした。

  3. 英文: “They wished they had acted differently, but what’s done is done, and they had to live with the consequences.”
    日本語訳: 彼らは異なる行動を取っていればよかったと思っていましたが、起きてしまったことは変えられません。彼らはその結果と共に生きていく必要がありました。

There’s no use crying over spilt milk.

「There’s no use crying over spilt milk.」は、一度起こったことについて後悔しても無駄であるという意味の英語表現です。

このフレーズは、すでに変更不可能な状況や過去の失敗に対して、嘆き悲しんでも何も変わらないという考えを示しています。代わりに、現在や未来に焦点を当て、前向きに進むことの重要性を強調します。

  1. 英文: “Yes, we lost the game, but there’s no use crying over spilt milk. Let’s focus on the next match.”
    日本語訳: はい、私たちは試合に負けましたが、こぼれたミルクを嘆いても仕方ありません。次の試合に集中しましょう。

  2. 英文: “I know you’re upset about missing the opportunity, but there’s no use crying over spilt milk. Another chance will come.”
    日本語訳: チャンスを逃したことに落ち込んでいるのは分かりますが、すでに起こったことを悔やんでも意味がありません。次のチャンスが来ます。

  3. 英文: “We made a mistake in our planning, but there’s no use crying over spilt milk. We need to learn from this and move forward.”
    日本語訳: 私たちの計画にミスがあったのですが、すでに起こったことを嘆いても無駄です。これから学び、前進する必要があります。

You can’t unring a bell.

「You can’t unring a bell.」は、一度起こったことは取り消すことができないという意味の英語表現です。このフレーズは、過去の行動や発言が不可逆であることを強調し、一度なされたことは元に戻せないという事実を受け入れる必要があることを示唆しています。

通常、後悔や修正を望むような状況で使われますが、すでに起きてしまったことに対しては変更が不可能であることを認識することが重要です。

  1. 英文: “He wished he had never said those words, but you can’t unring a bell.”
    日本語訳: 彼はあの言葉を決して言わなければよかったと思っていましたが、一度鳴らした鐘は取り消せません。

  2. 英文: “After the news was leaked, it was too late to keep it a secret. You can’t unring a bell.”
    日本語訳: ニュースが漏れた後では、それを秘密に保つのは遅すぎました。一度鳴らした鐘は元には戻せません。

  3. 英文: “She regretted her hasty decision, but you can’t unring a bell.”
    日本語訳: 彼女は自分の軽率な決定を後悔していましたが、一度なされたことは取り消せません。

It’s water under the bridge.

「It’s water under the bridge.」は、過去に起きたことはもはや重要でないという意味の英語表現です。

このフレーズは、過ぎ去った出来事を忘れ、現在や未来に集中することの重要性を強調します。特に、過去のトラブルや誤解が解決され、もはや問題にならない状況に使われます。

  1. 英文: “We had our differences in the past, but it’s water under the bridge now. Let’s move forward.”
    日本語訳: 私たちは過去にいくつかの相違がありましたが、今はもう水に流したことです。前に進みましょう。

  2. 英文: “I know you were upset about the mistake, but it’s water under the bridge. We’ve learned from it.”
    日本語訳: そのミスについてあなたが怒っていたことは知っていますが、もう水に流しましょう。私たちはそれから学びました。

  3. 英文: “Yes, they made an error, but it’s water under the bridge now. We need to focus on our current project.”
    日本語訳: はい、彼らは間違いを犯しましたが、今はもう水に流したことです。私たちは現在のプロジェクトに集中する必要があります。

You can’t put the genie back in the bottle.

「You can’t put the genie back in the bottle.」は、一度起こったことは元に戻せないという意味の英語表現です。

このフレーズは特に、一度開始されたプロセスや変更が不可逆であることを強調する際に使われます。例えば、技術の進歩や重要な情報の公開など、一度行われると元に戻せない出来事に対して用いられます。

  1. 英文: “Once the confidential information was leaked, it was impossible to control. You can’t put the genie back in the bottle.”
    日本語訳: 機密情報が漏れた一度、それを制御することは不可能です。一度出た精霊は瓶に戻せません。

  2. 英文: “After the new policy was implemented, there was no turning back. You can’t put the genie back in the bottle.”
    日本語訳: 新しい方針が実施された後、後戻りはできません。一度出た精霊は瓶に戻せません。

  3. 英文: “The invention of the internet changed everything. You can’t put the genie back in the bottle.”
    日本語訳: インターネットの発明はすべてを変えました。一度出た精霊は瓶に戻せません。

英語で「覆水盆に返らず」を表現する際のポイントと注意点

英語で「覆水盆に返らず」を表現する際、単に「過去は変えられない」という意味ならば「What’s done is done」が適切ですが、過去のミスについて「後悔しても無駄」というニュアンスなら「There’s no use crying over spilt milk」が適切です。

また、例えば、「You can’t unring a bell」は過去の発言や行動に関して使われ、「It’s water under the bridge」はもはや問題にならない過去の出来事に対して使われます。

なお、「覆水盆に返らず」という表現は日本固有のものであり、英語圏の人々にとっては直接的な対応がないことがあります。そのため、文脈をしっかりと説明することが重要です。

「覆水盆に返らず」の英語表現まとめ

「覆水盆に返らず」、つまり一度起こったことは元に戻せないという概念を表す英語表現をまとめます。

まとめ

  • “What’s done is done.”
  • “There’s no use crying over spilt milk.”
  • “You can’t unring a bell.”
  • “It’s water under the bridge.”
  • “You can’t put the genie back in the bottle.”

これらの表現は、「覆水盆に返らず」という概念を様々な文脈で表現するのに適しています。それぞれのフレーズは、過去の行動や決定が変更できないという事実や、過去に起こったことを受け入れて前に進む必要があることを伝えます。