【例文付き】「許す」の英語表現とそれぞれのニュアンス
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「許す」という表現を英語で伝える際は、状況や文脈に応じていくつかの異なるフレーズが使えます。
ここでは「許す」を示す英語のフレーズとそれぞれのニュアンスを見ていきましょう。
「許す」の英語表現
「許す」の英語表現
「許す」の英語表現とそれぞれのニュアンスを以下に列挙します:
- Forgive - 一般的に使われる表現で、心からの許しを意味する。
- Pardon - 公式な文脈や法的な状況で使われることが多い。
- Excuse - 軽い過ちやマナー違反に対する許しを表す。
- Condone - 何か誤った行動を受け入れるが、必ずしもそれを承認するわけではない。
- Overlook - 小さな過ちや問題を意図的に見逃すこと。
- Absolve - 罪や過ちから解放する、より公式な表現。
- Spare - 罰や悪い結果を避けさせる意味で使われる。
- Exonerate - 罪や非難から完全に免れることを意味する、法的なニュアンスが強い。
- Acquit - 特に法的な文脈で、罪から完全に清算する意味。
- Let off the hook - よりカジュアルな表現で、責任や罰から逃れさせる意味。
- Turn a blind eye - 何かを故意に無視することで許す、通常は非公式な状況で使われる。
これらの表現は文脈や話している相手に応じて使い分けることが重要です。
Forgive
「Forgive」は英語で「許す」を意味する最も一般的な表現で、主に個人間の感情や過ちに対する心からの許しを表します。この言葉は深い感情的な過ちや誤解を解消する際に用いられることが多く、罪や過失を受け入れ、それを乗り越える意志を示す強い表現です。Forgiveの使用例とその日本語訳を以下に示します。
- “I forgive you for what you did, but I cannot forget it.”
日本語訳「あなたがしたことを許しますが、忘れることはできません。」 - “She asked her friend to forgive her for being so harsh.”
日本語訳「彼女は厳しすぎたことについて友人に許しを求めた。」 - “Can you ever forgive me for my mistakes?”
日本語訳「私の過ちを許してくれますか?」
これらの例では、「Forgive」は深い感情的な寛容さや理解を必要とする状況で用いられており、単に過ちを許すだけでなく、その人物との関係を維持または修復する願望を含んでいます。
Pardon
「Pardon」は「許す」の意味を持ちますが、主に公式な文脈や法的な状況で使われることが多いです。これは、罪や過ちに対する免罪や免責を意味し、しばしば政府や高位の権威によって行使されます。また、日常会話においては、聞き返す際や軽い過ちに対する謝罪としても使われます。以下に「Pardon」の使用例とその日本語訳を示します。
- “The president decided to pardon the whistleblower for their actions.”
日本語訳「大統領は内部告発者の行動に対して赦免を決定した。」 - “Pardon me, could you repeat that?”
日本語訳「すみません、それを繰り返していただけますか?」 - “He was pardoned for his minor offenses and released from prison.”
日本語訳「彼は軽微な違反に対して赦され、刑務所から釈放された。」
これらの例文では、「Pardon」は公式な赦免、日常会話における謝罪や確認の表現として使われています。特に法的な文脈では、重大な意味を持ち、個人が受けた刑罰や罰から解放されることを示しています。
Excuse
「Excuse」は「許す」の意味を持ちますが、比較的軽い過ちやマナー違反、または小さな誤りに対して使われることが多いです。日常的な文脈で使用され、相手に対する理解や容赦を示す際に用いられます。この言葉は、相手の行動を理解し、それに対して寛容な態度を取ることを意味します。以下に「Excuse」の使用例とその日本語訳を示します。
- “Please excuse my late arrival; the traffic was terrible.”
日本語訳「遅れてしまって申し訳ありません。交通がひどかったんです。」 - “Excuse me for interrupting, but I have a question.”
日本語訳「邪魔をして申し訳ありませんが、質問があります。」 - “He excused her mistake, understanding it was her first day on the job.”
日本語訳「彼は彼女のミスを許した。それが彼女の初日だったことを理解していたからです。」
これらの例では、「Excuse」は日常的な状況での小さな過ちや誤解に対する寛容や理解を表しています。相手の行動を受け入れ、その状況を軽減する意味合いが含まれています。
Condone
「Condone」は「許す」を意味しますが、通常、何か誤った行動や態度を受け入れることを示しますが、それを必ずしも正当化するわけではありません。この表現は、通常、不適切な行動を認めるが、それを積極的に批判しない場合に使用されます。以下に「Condone」の使用例とその日本語訳を示します。
- “I cannot condone your dishonest behavior, even if it had good results.”
日本語訳「良い結果が出たとしても、あなたの不正直な行動を認めることはできません。」 - “The company does not condone any form of harassment.”
日本語訳「その会社はいかなる形の嫌がらせも認めていません。」 - “He made it clear that he does not condone breaking the rules.”
日本語訳「彼はルールを破ることを認めないことを明確にした。」
これらの例文では、「Condone」は、何か不適切な行為を受け入れるが、それを批判せずに黙認するような状況で使われています。この表現は、行為自体を支持しないが、同時にそれに対して厳しい処罰や批判を行わない態度を示しています。
Overlook
「Overlook」は「見逃す」や「見過ごす」という意味で、「許す」というコンテキストでは、小さな過ちや問題を意図的に無視することを指します。この表現は、通常、状況を円滑に進めるために、あるいは大局的な観点から問題の重要性を低く見積もる際に使用されます。以下に「Overlook」の使用例とその日本語訳を示します。
- “The teacher decided to overlook the student’s tardiness this time.”
日本語訳「先生は今回、生徒の遅刻を見逃すことにした。」 - “In the interest of maintaining peace, he chose to overlook the insult.”
日本語訳「平和を維持するために、彼はその侮辱を見過ごすことにした。」 - “They overlooked some minor errors in the report to meet the deadline.”
日本語訳「締め切りに間に合わせるために、彼らは報告書のいくつかの小さな間違いを見逃した。」
これらの例では、「Overlook」は、遅刻や侮辱、小さな間違いなど、比較的重要ではないと判断される事項を意図的に無視する状況で使用されています。この表現は、大きな問題を避けるためや全体的な目的を優先するために、小さな問題を無視することを示しています。
Absolve
「Absolve」は、「許す」という意味で使われますが、特に罪や過ちからの解放や免除を意味する、より公式かつ重みのある表現です。宗教的な文脈や法的な状況でよく使われ、個人が責任や罰から完全に解放されることを示します。以下に「Absolve」の使用例とその日本語訳を示します。
- “The court absolved him of all charges.”
日本語訳「裁判所は彼のすべての告訴を取り消しました。」 - “She felt absolved of guilt after making amends for her mistake.”
日本語訳「彼女は自分の過ちを償った後、罪悪感から解放されたと感じました。」 - “In the confession, he sought to be absolved of his sins.”
日本語訳「告白において、彼は自分の罪から解放されることを求めました。」
これらの例では、「Absolve」は、罪や責任からの完全な解放や免除を意味しています。この表現は、個人が過去の過ちや罪に対する責任から解き放たれることを示し、しばしば心理的な解放や平和の感覚をもたらします。
Spare
「Spare」は「許す」という文脈で使用されるとき、主に罰や悪い結果を避けさせる、あるいは免除するという意味を持ちます。この言葉は、通常、厳しい処置や罰から誰かを救う意味で使われ、寛容や慈悲を示す表現です。以下に「Spare」の使用例とその日本語訳を示します。
- “The judge decided to spare the young offender from jail time.”
日本語訳「裁判官は若い犯罪者に刑務所行きを免じることに決めました。」 - “Please spare me your excuses; I’ve heard enough.”
日本語訳「言い訳はもう聞きたくありません。もう十分です。」 - “He begged his captors to spare his life.”
日本語訳「彼は捕らわれの身となった人々に自分の命を助けてくれるよう懇願した。」
これらの例では、「Spare」は、刑務所の刑から免除する、言い訳を聞かないでおく、命を救うなど、ある種の厳しい結果や罰から免除する状況で使用されています。この表現は、慈悲や同情を根拠とした決定や行動を示しています。
Exonerate
「Exonerate」は、罪や非難からの完全な免除や解放を意味する言葉で、特に法的な文脈で強いニュアンスを持ちます。この言葉は、誤解や誤った非難からの名誉回復や正当性の確立を示す場合に使用されます。以下に「Exonerate」の使用例とその日本語訳を示します。
- “The new evidence exonerated him from the crime.”
日本語訳「新たな証拠により、彼はその犯罪から免れました。」 - “She was exonerated of all suspicion after the investigation.”
日本語訳「調査の結果、彼女はすべての疑いから解放されました。」 - “The report exonerated the team from any wrongdoing.”
日本語訳「その報告書により、チームは不正行為の責任から免れました。」
これらの例では、「Exonerate」は、犯罪や不正行為の疑いから完全に解放されることを意味しています。この表現は、誤解や誤った非難が明らかになり、その人の名誉が回復される状況を示しています。
Acquit
「Acquit」は主に法的な文脈で使用され、「無罪放免する」や「罪から清算する」という意味を持ちます。この言葉は、裁判や法的な手続きにおいて、被告人が罪に問われないと判断された際に用いられます。以下に「Acquit」の使用例とその日本語訳を示します。
- “The jury acquitted the defendant of all charges.”
日本語訳「陪審団は被告人を全ての告訴から無罪放免した。」 - “He was acquitted due to lack of evidence.”
日本語訳「証拠不足のため、彼は無罪とされた。」 - “After a lengthy trial, she was finally acquitted and set free.”
日本語訳「長期にわたる裁判の後、彼女はついに無罪とされ、解放された。」
これらの例では、「Acquit」は、証拠不足や裁判の結果として、被告人が罪から解放される状況を示しています。この表現は、法的な正当性が確立され、被告人の名誉が回復されることを意味します。
Let off the hook
「Let off the hook」という表現は、比喩的に「責任や罰から逃れさせる」や「問題から解放する」という意味を持ちます。この表現は、主に日常的な文脈や軽い状況で用いられ、誰かを厳しい状況や責任から救い出すことを示します。以下に「Let off the hook」の使用例とその日本語訳を示します。
- “I was let off the hook for being late because the meeting was postponed.”
日本語訳「会議が延期になったため、遅刻に対する責任から逃れることができました。」 - “He let his brother off the hook for breaking the vase.”
日本語訳「彼は兄弟が花瓶を壊したことについて責任を問わないことにした。」 - “The manager decided to let her off the hook this time, but warned her about future behavior.”
日本語訳「マネージャーは今回彼女を見逃すことにしたが、将来の行動について警告した。」
これらの例では、「Let off the hook」は、遅刻、破損、仕事の過ちなど、比較的軽い過ちや問題に対して使用されています。この表現は、通常、厳しい結果や罰からの一時的な解放を意味し、しばしば将来の改善への期待を伴います。
Turn a blind eye
「Turn a blind eye」という表現は、「意図的に無視する」や「見て見ぬふりをする」という意味で、何か問題ある行動や状況を故意に見過ごす際に用いられます。この表現は、通常、問題に対処する代わりにそれを無視する決定がされた時に使用され、しばしば非公式な状況や権力を持つ人物による判断を示します。以下に「Turn a blind eye」の使用例とその日本語訳を示します。
- “The manager turned a blind eye to the employees’ late arrivals.”
日本語訳「マネージャーは従業員の遅刻に見て見ぬふりをした。」 - “Despite knowing the rules, she turned a blind eye to her friend’s cheating.”
日本語訳「ルールを知っていながらも、彼女は友人のカンニングに目をつぶった。」 - “The authorities sometimes turn a blind eye to minor infractions to maintain order.”
日本語訳「当局は時に秩序維持のため、小さな違反に目をつぶることがある。」
これらの例では、「Turn a blind eye」は、遅刻、カンニング、軽微な違反など、特定の問題行動を意図的に無視する状況で使用されています。この表現は、問題を直接的に取り扱う代わりに、何らかの理由でそれを見過ごす決定を示しています。
英語で「許す」を表現する際のポイントと注意点
英語で「許す」を表現する際のポイントと注意点
まず、文脈の理解し状況に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。例えば、個人的な関係での許しは「forgive」、公式な場や法的な文脈での許しは「pardon」や「exonerate」が適しています。また、許しを求める相手との関係性に応じて言葉を選ぶことが大切です。親しい間柄では「forgive me」が自然ですが、公式な場では「I beg your pardon」のようにフォーマルな表現が適しています。「excuse」は軽い過ちに使われ、「condone」は誤った行動を許容するが承認はしないことを示します。
注意として、過ちの重さに応じて言葉を選ぶことも重要です。小さなミスには「excuse」、大きな過ちや罪には「forgive」や「absolve」が適しています。また、特に「condone」や「overlook」のような言葉は誤解を招きやすいので注意が必要です。これらの言葉は許容や見逃しを意味し、必ずしも行動を承認するわけではありません。
「許す」の英語表現まとめ
「許す」の英語表現まとめ
「許す」という行為を英語で表現する際には、様々な言葉があり、それぞれ異なるニュアンスを持ちます。以下に主な表現とその特徴をまとめます:
まとめ
- Forgive
一般的に使われる表現で、心からの許しを意味します。個人間の感情的な問題によく用いられます。
- Pardon
公式な文脈や法的な状況で使われることが多く、罪や過ちに対する公式な許しを示します。
- Excuse
軽い過ちやマナー違反に対する許しを表します。日常的な状況でよく使用されます。
- Condone
誤った行動を許容するが、必ずしも承認するわけではないことを示します。通常、非公式な文脈で使用されます。
- Overlook
小さな過ちや問題を意図的に見逃すことを意味します。大局的な観点から問題を無視する際に使用されることが多いです。
- Absolve
罪や過ちから解放する、より公式な表現です。法的な文脈や宗教的な文脈で使用されることがあります。
- Spare
罰や悪い結果を避けさせることを意味します。慈悲や寛容を示す際に使用されます。
- Exonerate
罪や非難から完全に免れることを意味し、法的なニュアンスが強いです。誤解や誤った非難からの名誉回復を示します。
- Acquit
特に法的な文脈で、罪から完全に清算することを意味します。無罪放免される状況で使用されます。
- Let off the hook
責任や罰から逃れさせる意味で、よりカジュアルな表現です。日常的な状況で使用されます。
- Turn a blind eye
何かを故意に無視することで許すことを意味し、通常は非公式な状況で使われます。
これらの表現を選ぶ際には、状況の重大さ、話している相手との関係、および話者の意図を考慮することが重要です。