「待つとておはしまし、また御覧ずるほどの久しさ、いかばかり御心にしむならん」
訳:(お返事を)待つとおっしゃって起きていらっしゃって、またずっと御覧になっているご様子は、どれほどお心にしみていることだろう
これは、御前の人々が主人公の宮の噂をしている場面です。
最後の「しむならん」の品詞分解ができず困っています。
①「な(る)/らん」と撥音便無表記となっている
②「なら/ん」となっている
の2パターンを考えました。
ベストアンサー
「しむならん」の品詞分解は
しむ: 動詞(四段活用)の連体形
なら: 助動詞「なり」の未然形
ん: 助動詞「む」の連体形
この分解は、あなたが提案した②「なら/ん」のパターンに基づいています。
「しむ」は「しみる」(染みる)の古語で、四段活用の動詞です。ここでは連体形として使われています。
「なら」は断定の助動詞「なり」の未然形です。「なり」は活用のある助動詞で、ここでは推量を表す「む」が接続するために未然形になっています4。
「ん」は推量を表す助動詞「む」の連体形です。文末で使われる「む」の連体形は、しばしば推量や婉曲な表現を示します。
この組み合わせで、「しみているのだろう」という推量の意味を表現しています。古文において、「なり」+「む」の組み合わせは推量を強める効果があり、よく使われる表現です。
また、ご質問の前者のパターンを考慮すると、
①「しむ」+「な(る)」+「らん」
この場合、「しむ」は動詞「染む」の連用形、「な(る)」は助動詞「なり」の未然形、「らん」は推量の助動詞「らむ」の連体形となります。
さらに、「しむ」を用いた例文は
「秋の夕暮れ、もの悲しくしむ心かな」
(秋の夕暮れ時、物悲しさが心に染みる)
「君が去りし後、寂しさしむ日々」
(あなたが去った後、寂しさが染みる日々)
「春の雨、しとしとと降りてものにしむ」
(春の雨がしとしとと降って、物事に染み込む)
「老いの身にしむ冬の寒さかな」
(老いた身には冬の寒さが染みる)
「恋しさのしむ夜は長し」
(恋しさが染みる夜は長い) などがあります。
結局、①の解釈は誤りなのでしょうか?
また、もし誤りなのであればどこがダメなのかを教えていただきたいです。
せっかく詳しく丁寧に書いていただいたのに、重ねて質問してしまい申し訳ありません🙇♀️