あまり良い解き方か分かりませんが、下のようにすれば一応解は求まります。
ひとまず h(n+1)=h(n)2 の形の漸化式を考察する。この漸化式を見て分かるのは、h(n) の発散が n! より速い(つまり大変速い)ことである。そこで両辺の対数をとって微分してみると
h(n+1)h′(n+1)=2h(n)h′(n)
を得る。ここで H(n)=h′(n)/h(n) とおく。H(n+1)=2H(n) から容易に H(n)=2n−1H(1) が得られ、したがって
h(n)h′(n)=2n−1H(1)
を得る。これを形式的に未知関数 h(n) の微分方程式と見なして解けば、
h(n)=Cexp(log2H(1)2n−1)
を得る(ここで C は任意定数)。これを元の方程式 h(n+1)=h(n)2 へ代入してみると、C=1 でなければならないと分かる。また H(1)/log2 は定数であるからこれを A とおく。すると最終的に
h(n)=exp(A2n−1)
を得る。これが漸化式 h(n+1)=h(n)2 のすべての解の表現である。
h(n+1)=h(n)2 の 2 つの解 h1,h2 をとる。h3(n)=h1(n)+h2(n) とおくと
h3(n+1)=h1(n+1)+h2(n+1)=h1(n)2+h2(n)2=(h1(n)+h2(n))2−2h1(n)h2(n)=h3(n)2−2h1(n)h2(n)
となる。ここでもし h1(n),h2(n) を適切に選ぶことで h1(n)h2(n)=1 とできるならば、h3 は、漸化式 g(n+1)=g(n)2−2 の解となる。そこで h1(n)=exp(A12n−1), h2(n)=exp(A22n−1) として、
h1(n)h2(n)=exp(2n−1(A1+A2))=1
という方程式を立てる。この方程式が成り立つ必要十分条件はあきらかに A1+A2=0 の成立である。この条件を満たす A1,A2 はあきらかに存在する。よって、g(n+1)=g(n)2−2 の解は、h(n+1)=h(n)2 の 2 つの解の和として表わされると分かる。
あとは g(1)=3 という条件を満たすように A1=−A2 の値を定めればよい。これを定めるには
exp(A1)+exp(A2)=3
を解く。A1=logx とおけば、これは x2−3x+1=0 を解くことに等しい。これを解いて
A1=log23+5=logϕ2
を得る。(ここで ϕ=(1+5)/2)
以上の結果をまとめれば、g(n+1)=g(n)2−2, g(1)=3 の一般項は
g(n)=ϕ−2n+ϕ2n
となる。
※ arccos の引数に 1 より大きい数が与えられているのは、arccos を複素関数として扱っているからです。複素関数を使った Wolfram の表現も黄金比 ϕ を使った上の表現も同じものです。
質問者からのお礼コメント
丁寧な数式でありがとうございます。大学で勉強すると自分もこういうことができるようになりたいと思いました。