解決済み

1年解けずに放置した漸化式なのですが、どなたかご教授いだだけないでしょうか?

サイトに聞いた結果が写真の通りです。

逆三角関数の括弧の中に1より大きい数が書いてあるのが不思議なんですが、これっておかしいですか?まだあんまり逆三角関数については詳しくないので分からないのですが。


ベストアンサー

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 あまり良い解き方か分かりませんが、下のようにすれば一応解は求まります。


 ひとまず h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^2 の形の漸化式を考察する。この漸化式を見て分かるのは、h(n)h(n) の発散が n!n! より速い(つまり大変速い)ことである。そこで両辺の対数をとって微分してみると

h(n+1)h(n+1)=2h(n)h(n)\frac{h'(n + 1)}{h(n + 1)} = 2 \frac{h'(n)}{h(n)}

を得る。ここで H(n)=h(n)/h(n)H(n) = h'(n)/h(n) とおく。H(n+1)=2H(n)H(n + 1) = 2 H(n) から容易に H(n)=2n1H(1)H(n) = 2^{n - 1}H(1) が得られ、したがって

h(n)h(n)=2n1H(1)\frac{h'(n)}{h(n)} = 2^{n - 1} H(1)

を得る。これを形式的に未知関数 h(n)h(n) の微分方程式と見なして解けば、

h(n)=Cexp(H(1)log22n1)h(n) = C \exp\left(\frac{H(1)}{\log 2} 2^{n - 1}\right)

を得る(ここで CC は任意定数)。これを元の方程式 h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^2 へ代入してみると、C=1C = 1 でなければならないと分かる。また H(1)/log2H(1)/\log 2 は定数であるからこれを AA とおく。すると最終的に

h(n)=exp(A2n1)h(n) = \exp(A 2^{n - 1})

を得る。これが漸化式 h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^2 のすべての解の表現である。

 h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^222 つの解 h1,h2h_1, h_2 をとる。h3(n)=h1(n)+h2(n)h_3(n) = h_1(n) + h_2(n) とおくと

h3(n+1)=h1(n+1)+h2(n+1)=h1(n)2+h2(n)2=(h1(n)+h2(n))22h1(n)h2(n)=h3(n)22h1(n)h2(n)\begin{aligned}h_3(n + 1) &= h_1(n + 1) + h_2(n + 1) \\ &= h_1(n)^2 + h_2(n)^2 \\ &= (h_1(n) + h_2(n))^2 - 2 h_1(n) h_2(n) \\ &= h_3(n)^2 - 2 h_1(n) h_2(n)\end{aligned}

となる。ここでもし h1(n),h2(n)h_1(n), h_2(n) を適切に選ぶことで h1(n)h2(n)=1h_1(n) h_2(n) = 1 とできるならば、h3h_3 は、漸化式 g(n+1)=g(n)22g(n + 1) = g(n)^2 - 2 の解となる。そこで h1(n)=exp(A12n1), h2(n)=exp(A22n1)h_1(n) = \exp(A_1 2^{n - 1}),\ h_2(n) = \exp(A_2 2^{n - 1}) として、

h1(n)h2(n)=exp(2n1(A1+A2))=1h_1(n) h_2(n) = \exp(2^{n - 1} (A_1 + A_2)) = 1

という方程式を立てる。この方程式が成り立つ必要十分条件はあきらかに A1+A2=0A_1 + A_2 = 0 の成立である。この条件を満たす A1,A2A_1, A_2 はあきらかに存在する。よって、g(n+1)=g(n)22g(n + 1) = g(n)^2 - 2 の解は、h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^222 つの解の和として表わされると分かる。

 あとは g(1)=3g(1) = 3 という条件を満たすように A1=A2A_1 = -A_2 の値を定めればよい。これを定めるには

exp(A1)+exp(A2)=3\exp(A_1) + \exp(A_2) = 3

を解く。A1=logxA_1 = \log x とおけば、これは x23x+1=0x^2 - 3x + 1 = 0 を解くことに等しい。これを解いて

A1=log3+52=logϕ2A_1 = \log \frac{3 + \sqrt{5}}{2} = \log \phi^2

を得る。(ここで ϕ=(1+5)/2\phi = (1 + \sqrt{5})/2

 以上の結果をまとめれば、g(n+1)=g(n)22, g(1)=3g(n + 1) = g(n)^2 - 2,\ g(1) = 3 の一般項は

g(n)=ϕ2n+ϕ2ng(n) = \phi^{-2^n} + \phi^{2^n}

となる。


arccos\arccos の引数に 11 より大きい数が与えられているのは、arccos\arccos を複素関数として扱っているからです。複素関数を使った Wolfram の表現も黄金比 ϕ\phi を使った上の表現も同じものです。


補足

訂正:

 h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^2 のすべての解の表現

h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^2 のある一群の解の表現


 h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^222 つの解の和として表わされる

h(n+1)=h(n)2h(n + 1) = h(n)^222 つの解の和として表わされうる


 A1=log3+52A_1 = \log \dfrac{3 + \sqrt{5}}{2}ϕ=(1+5)/2\phi = (1 + \sqrt{5})/2

A1=log3±52A_1 = \log \dfrac{3 \pm \sqrt{5}}{2}ϕ=(1±5)/2\phi = (1 \pm \sqrt{5})/2

返信(3件)

ひと昔前の微分方程式が指導要領に入っている高校生なら解けなきゃいけない問題ですか?

補足

この解法を微分方程式を解き方をたとえ知っていても解けない気がします。

 あとで自分で反省したことですが、微分方程式という言葉を持ち出したのはいささか大袈裟だったと思っています。上で示したものも微分方程式と言えば微分方程式ですが、両辺を積分して exp()\exp(\cdot) で囲うだけで解けるものだからです。


 高校生がこの漸化式を解けなければならないということはないと思います。学校で教わるのは、線形の漸化式(等差数列、等比数列や、より発展的にはフィボナッチ数列など)で、この線形漸化式には機械的に解く方法が知られています。ところが、g(n+1)=g(n)22g(n + 1) = g(n)^2 - 2 という漸化式は非線形です。非線形の漸化式には一般的な解法が知られていないので、問題ごとに個別に議論をおこない、ときにはカンを働かせなければなりません。普通、学校でそういうマニアックな技術を教えることはないはずです。(だから、広く一般の高校生へむけて門をひらいている大学がこれの類題を入試にだすこともありえません。)


なるほどです。ありがとうございます。これ見てると、なんか入試簡単に思えてきますね。

質問者からのお礼コメント

質問者からのお礼コメント

丁寧な数式でありがとうございます。大学で勉強すると自分もこういうことができるようになりたいと思いました。

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