1次不定方程式を「中学生でもわかる」ように基礎から教えてほしいです。よろしくお願いいたします。
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[概観]
まずは一次不定方程式を具体例を交えて見ていきましょう。
について考えてみます。
(,)=(-1,1),(,0),(,)
など整数の解、少数を含む解、ルートを含む(無理数)解など様々な解が存在しますね。
まとめますと、一次不定方程式の解は無数に存在します。
たいていの問題は整数の解についてのみ、求めるようなものになっています。
以下では、この整数解を求める問題について考えていきますね。
[解の求め方]
基本的には下の3ステップで解くことができます。
⓵整数解を一つ見つける。
⓶元の方程式と引き算する。
⓷一般解を求める。
それでは具体例を交えて見ていきましょう。
ここでも上のを用いて説明していこうと思います。
⓵整数解を一つ見つける。
今回の場合ではという解がありましたね。
他になどがありますがどの解を使っても大丈夫です。
⓶元の方程式と引き算する。
見つけた解を元の方程式に代入してみましょう。
となりますね。この式と元の式を右辺は右辺と、
左辺は左辺と引き算してみましょう。
整理すると
となりますね。このとき、が互いに素(共通の約数が1以外に存在しない)であることがポイントとなってきます。
もし、互いに素でないのなら共通の約数で両辺を割ってあげましょう。
⓷一般解を求める。
が成り立っていて、&x+1,y-1&が互いに素なのだから、を整数として、
と分かり、
となりますね。これが一般解、つまり無数に存在する解を1つの式で表したものになります。
[補足]
というようなときは整数解を持ちません。
偶数と偶数の輪は偶数になるため、というのが理由ですが実はそれ以外にも理由があるのです。,の係数である2,2は互いに素ではないですね(共通の約数に2が存在)。これが原因なのです。一般に、という不定方程式の,が互いに素でないときには、整数解をもちません。
対偶という考え方を用いると簡単に証明もできます。
また、解が簡単に見つからないときには「ユークリッドの互除法」というものを使って求めることができます。
興味があればぜひ調べてみてください。
あとは、上の方法は右辺が3や5など1以外のときも使えます。
まとめますと、
の整数解の一つをとすると、
整数解は、整数を用いて、
という風に表されます。
さて、長い道のりでしたがどうだったでしょうか。この一次不定方程式は整数という単元で習いますが、
計算が煩雑になったり、条件を付けて難しく見せることのできる分野です。
しかし、基本は頭と手を動かせば必ず解けるのでぜひ練習してみてください。
センター試験の数学ⅠAの大門4が整数の問題となっているのでぜひ解いてみてください。実践に適していると思います。
かなり長くかつ駄文になってしまいましたが、yutnさんの勉強の一助になれば幸いです。
②元の方程式と引き算する
というところの数式に誤りがありました。
となっていますが、正しくは
です。大変失礼しました。
質問者からのお礼コメント
本当にありがとうございます!🙏大変助かりました。そして、とてもよく理解できました