解決済み

坪内逍遙の「春迺屋漫筆」(1891年)の中の「梓神子」という作品に登場する「幽明界を異にすれども知音莫逆の友一個あり」の意味について教えてください

補足

「莫逆の友」について特に詳しくお願いします

ベストアンサー

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この文は「死別しても、心の通じ合う親友が一人いる」という意味です。

具体的に解説すると、

「幽明界を異にする」は死別して冥土と現世とに分かれること。

「知音」とは心の底まで分かり合える友人。

「莫逆の友」とは心から打ち解け合える友人。

「一個」は一人。

つまり、この文は死によって別れてしまっても、心の底から分かり合える親友が一人いることを表現しています。死後の世界(幽)と現世(明)という異なる境界にいても、互いの心が通じ合い、逆らうところがない深い友情が存在することを示しています。

補足として、「莫逆の友」の出典は

中国の古典「荘子」の「大宗師篇」です。具体的には、「四人相視て笑い、心に逆らうこと莫し。遂に相与に友と為れり」という一節に基づいています。この表現が「莫逆之友」の形で文献に登場するのは、より後の時代の「南史」列伝第二十においてです。日本語の文献では、「莫逆の友」という形での初出の実例として、「空華集」(1359‐68頃)の「其莫逆之友、曰二太虚充公一」という一節が挙げられています。

質問者からのお礼コメント

質問者からのお礼コメント

ご説明ありがとうございます。とても分かりやすく、興味深い解説でした。「莫逆の友」の出典や歴史的な背景まで詳しく教えていただき、大変勉強になりました。このような深い友情の概念が古くから存在し、現代にも通じる価値観であることに感銘を受けました。

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