岡崎フラグメントとラギング鎖の違いを教えて頂きたいです。
調べてみたのですがよく分かりませんでした。
ベストアンサー
要するに、岡崎フラグメントはラギング鎖を構成する「部品」であり、ラギング鎖はそれらの部品が組み立てられた「完成品」であるということです。
それぞれについて解説すると
岡崎フラグメントは、DNA複製過程で形成される短いDNA断片で、
・DNAポリメラーゼによって合成される
・RNAプライマーを起点として作られる
・不連続な短いDNA断片である という特徴があります。
ラギング鎖は、DNA複製時に形成される新生鎖の一つで、
・複製フォークの進行方向とは逆向きに合成される
・複数の岡崎フラグメントが連結されて形成される
・DNAリガーゼにより岡崎フラグメントが結合される という特徴があります。
主な違いとしては、
・岡崎フラグメントは短いDNA断片であり、ラギング鎖はそれらが連結された完全な新生鎖だということ。
・岡崎フラグメントは個々に合成されるが、ラギング鎖はこれらのフラグメントが結合して形成されるということ。
・岡崎フラグメントは不連続な断片だが、ラギング鎖は最終的に連続した一本の鎖となるということ。
・岡崎フラグメントは短い断片だが、ラギング鎖は元のDNA鎖と同じ長さになるということ。
・岡崎フラグメントはラギング鎖形成の中間体であるが、ラギング鎖は完成したDNA複製の一部だということ。 が挙げられます。
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そのほかの回答(1件)
@1217さんがほぼ解説しているので私は他の情報を記しておきます。
ラギング鎖に関連するものとしては、リーディング鎖があります。
これは複製フォークの進行方向に沿って連続的に合成されるDNA鎖です。DNAポリメラーゼは、一本鎖DNAを鋳型として新しいDNAをスムーズに合成します。
また、今回の内容に関連する酵素は、
ヘリカーゼ: DNA二重らせんを解いて一本鎖DNAを生成する酵素。
プライマーゼ: RNAプライマーを合成する酵素。
DNAポリメラーゼ: 新しいDNA鎖を合成する酵素。
DNAリガーゼ: 岡崎フラグメント同士を連結する酵素。
岡崎フラグメントの発見は実は様々な疑問を解決しました。
1つ目はDNA複製の方向性です。
DNAは二重らせん構造を持ち、各鎖には特定の方向性(5'から3')があります。DNAポリメラーゼはこの5'から3'の方向にしか新しいDNAを合成できません。そのため、複製フォークが進む方向と逆向きに合成されるラギング鎖の複製方法が当初は不明でした。岡崎フラグメントの発見により、ラギング鎖が短い断片(岡崎フラグメント)として合成され、その後連結されることが明らかになりました。
2つ目は不連続複製の理解です。
岡崎フラグメントは、ラギング鎖が不連続的に合成されることを示しています。これは、複製フォークが進行するにつれて新しい1本鎖DNAが露出し、それに対して短いRNAプライマーから新しいDNAが合成されるというプロセスです。この不連続な合成は、複製フォークの進行方向と逆向きに行われるため、複数のプライマーを必要とし、その都度新しい岡崎フラグメントが形成されます。
3つ目はDNAリガーゼの役割です。
岡崎フラグメントの発見は、DNAリガーゼという酵素の重要性も明らかにしました。これらの短いDNA断片は最終的にDNAリガーゼによって結合されて切れ目のない長鎖DNAとなります。この過程は、DNA複製が正確かつ完全であるために不可欠です。
このような背景情報を得ることでよりはっきり覚えることができると思います。頑張ってください。
質問者からのお礼コメント
お二人とも丁寧に教えて下さり、ありがとうございました
回答の早かった1217さんをベストアンサーにさせて頂きます
正しく知識を入れ直したいと思います。
ありがとうございました