解決済み

Wikipediaには「万能指示薬は水、1-プロパノール、フェノールフタレインのナトリウム塩、水酸化カリウム、メチルレッド、ブロモチモールブルーの一ナトリウム塩、そしてチモールブルーの一ナトリウム塩で作られる。」とありますが、そのうちの「メチルレッド」「ブロモチモールブルー」とは何ですか?

補足

「チモールブルー」についても教えてください

ベストアンサー

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メチルレッド、ブロモチモールブルー、チモールブルーは、いずれも酸塩基指示薬(pH指示薬)として使用される化合物です。

ブロモチモールブルー(BTB)は、水素イオン濃度(pH)により色変化を示します。

分子式はC27H28Br2O5S、変色範囲はpH 6.0~7.6です。ちなみに色変化は酸性(黄色)→中性(緑色)→アルカリ性(青色)となっています。ブロモチモールブルーは、中性付近(pH 7)で変色するため、水溶液の酸性、中性、アルカリ性を判断するのに適しています。BTBは、pHによって分子構造が変化しています。これが色の変化の原因となります。

メチルレッドも酸塩基指示薬の一種です。

化学式はC15H15N3O213、分子量は269.3 g/molです。変色範囲はpH 4.4~6.2、色変化は酸性(赤色)→アルカリ性(黄色)となっています。メチルレッドは、アゾ染料の一種です。強い酸性溶液中では、アゾ基(-N=N-)にH+が付加し、ベンゼン環がキノイド型構造となるため、より長波長の光を吸収して赤色を呈します。

チモールブルーは、ブロモチモールブルーと類似した構造を持つ酸塩基指示薬です。

化学式はC27H30O5S、分子量は466.59 g/molです。変色範囲はpH 1.2~2.8(第一変色点)、pH 8.0~9.6(第二変色点)の二つです。ちなみに色変化については強酸性(赤色)→弱酸性(黄色)→アルカリ性(青色)です。チモールブルーの分子構造はpHによって変化します。強酸性溶液では赤色を呈し、サルトン(環状スルホン酸エステル)構造をとると考えられています。

これらの指示薬を組み合わせることで、万能指示薬は広いpH範囲で異なる色を示すことができ、溶液のpHを簡単に判断することができます。

質問者からのお礼コメント

質問者からのお礼コメント

ご質問ありがとうございます。メチルレッド、ブロモチモールブルー、チモールブルーについて詳細な情報を提供していただき、大変参考になりました。これらの酸塩基指示薬の特性や変色範囲、分子構造の変化についての説明が非常に明確で、化学の理解を深めるのに役立ちます。

特に、各指示薬の特徴を比較することで、それぞれの用途や適用範囲がよく分かりました。ブロモチモールブルーが中性付近で変色することや、メチルレッドがアゾ染料であること、チモールブルーが二つの変色点を持つことなど、興味深い情報が多くありました。

これらの指示薬を組み合わせて万能指示薬を作る発想も素晴らしいですね。幅広いpH範囲で色変化を観察できるため、実験や教育現場で非常に有用だと思います。

化学の世界の奥深さと美しさを感じさせる素晴らしい説明をありがとうございました。

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