「イラクによるクウェート侵攻を契機とした1991年の湾岸戦争では,国連は武力行使を容認する安保理決議を採択している。」
という文があるのですが,この時の採択とはどういう意味なのですか?
ベストアンサー
安保理決議とは、国連安全保障理事会の構成国の票決による決議のことです。理事国15か国中、9か国以上の構成国が賛成し、かつ、常任理事国5か国の反対が一切なかったときに採択されます。
イラクに対する武力行使に関する決議は、カナダ、フランス、ルーマニア、旧ソ連、イギリス、アメリカ合衆国によって提案され、賛成12、反対2(キューバ、イエメン)、棄権1(中国)で採択されました。なお、常任理事国の中国が棄権しましたが、反対ではなかったため、決議は採択されました。
この決議に基づいて、1991年1月にアメリカを中心とする多国籍軍がイラクを空爆し、湾岸戦争が始まりました。
国連加盟国から提出された「決議案」は安全保障理事会で審議されます。採択された場合,「決議案」は正式な「決議」となります。採択されない場合,「決議案」は廃案となります。
安保理に提出される多くの決議案の中で,安保理が「採用」した決議案のみが決議となるので,「採用」と「採択」は同じ意味と考えて良いと思います。
なお,安保理が決議案を「承認する」という表現もよく使われます。
国連憲章のもとに加盟国がその実施を義務づけられる決定を行う権限を持っているのは、安全保障理事会だけである。
質問者からのお礼コメント
安全保障理事会の役割がよく理解ができました。ありがとうございます。