「ベクトル空間と次元」の記事について質問があります。
https://manabitimes.jp/math/1806
「ベクトル空間の次元,基底」の節の2つ目の例題に、「微分方程式の理論によってこのベクトル空間は 2次元である」と書かれているのですが、与えられた微分方程式を満たす一次独立な解がsin, cosしか無いと言えるのはなぜですか?
もしお分かりの方がいらしたら、教えてください。よろしくお願い致します。
ベストアンサー

まず,
"与えられた微分方程式を満たす一次独立な解が しか無いと言えるのはなぜですか?"
という点についてですが,一次独立な解の組は の他にもたくさんあります.例えば という組も一次独立な解の組です.
そして他の解の組を使っても記事のその後の議論は全く同様に進めることができます.この記事では,(たくさんありうる)「一次独立な解の組」の中でもある程度見た目が簡単な を人為的に選んでいるのだと思われます.
(これは例えば平面ベクトルをどう表すか,という話と似ています.平面に一次独立なつのベクトル と があれば,それを使って任意の平面ベクトルを という形に表すことができるのでした. と は一次独立ならばなんでもいいので,その選び方はたくさんあります.その中でもよく使われるのが と という組です.)
そして,どのような組を選んでも解全体としては同じものが得られる,というのが重要な点です. を使って と書かれる関数は, と変形することで, でも書けることがわかります.
つまり, を選んでも別の解の組を選んでも得られる結果は同じなので,(たまたま簡単に発見できた) というのを使っているということです.
最後になぜ解の空間が 次元になるのか,という点についてですが,これは微分方程式の形から解空間の次元を計算する一般的な理論の結果なので,簡単に説明することはできません.気になるのであれば微分方程式の教科書を参照するといいかもしれません.
ご回答ありがとうございます。
そして用語の使い方が不適切で申し訳ありません。
たしかに1次独立な解はsinx, cosx以外にも存在しますね。
お察しの通り、解の空間が2次元になる理由が気になっています。
ちなみに微分方程式の教科書でどのようなキーワードで調べたら、解説が見つけられるのでしょうか?
度々の質問で恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。
関連キーワードは
線形微分方程式,微分方程式の解の存在と一意性,初期値問題
あたりかと思います.
大体の証明方針としては次のような感じです.
階の 変数線形微分方程式は 次元ベクトルの 階線形微分方程式に変換できる.このとき「微分方程式の解の存在と一意性」定理から,時刻 で与えられた 次元ベクトル(初期値) を通る解 がただひとつ存在する.これにより「微分方程式の解」と「初期値」が1対1に対応するから,微分方程式の解空間の次元は初期値の次元,つまり に等しい.
(厳密にはどういう区間で微分方程式を考えるかなどの条件が必要です.)
icedaisuki様
返信が遅くなり、申し訳ありません。そしてご回答ありがとうございます。
証明の概略が、とても分かりやすかったです。ありがとうございました!
質問者からのお礼コメント
補足も含めて、よく分かりました。ありがとうございました。