日本の法案提出権とアメリカの大統領の
教書はどのように違うのですか?
ベストアンサー
前提として、日本とアメリカには政治の仕組み違いがたくさんあります。ご質問の内容もその一つです。
日本の首相(内閣総理大臣)は国会議員の中から衆議院の多数派の代表が選ばれます。議院内閣制のため、内閣は国会に対して連帯して責任を負います。責任と権利は表裏一体で生じるものですから、首相は立法府たる国会に対して、内閣を代表して議案の提出を行うことができます。これが日本の法案提出権です。
対してアメリカの大統領は国民の選挙によって独自に選出され、議会・裁判所との権力分立は厳格です。そのため大統領には議会に対する法案提出権はありません。しかしながら行政権を持つ大統領が法案を作る議会に対し、国家の全般的状況や予算案などの情報を与えて口出しをすべき場面もあるでしょう。その手段として大統領には、教書と呼ばれるメッセージを議会に送る権限が与えられています。
ご理解につながれば幸いです。
※ちなみにですが、アメリカの大統領は法案拒否権を有しています。議会を通過した法案の成立には大統領の署名が必要であり、大統領はこれを拒否して議会に再審議を求めることができます。さらにこれを上下両院が各3分の2以上で再可決すると法案は成立します。
質問者からのお礼コメント
とてもよく理解できました。
丁寧な解説ありがとうございます!