では大問2の模範解答を作ります。
(2)→(1)→(3)の順で解く方がやりやすいので、そのように解答させていただきます。
(2)
運動方程式、
mdt2d2r=F
の両辺にvとの内積をとり、時間積分すると、
21mv2−21mv02=∫CF⋅dr
となる。ただし、Cは物体の運動に沿った経路である。右辺の被積分関数はヘルムホルツの分解定理よりベクトル場Aとスカラー場ϕによって、
F=−gradϕ+rotA
と表すことができる。よって、
∫CF⋅dr=∫C(−gradϕ+rotA)⋅dr=∫C(−gradϕ)⋅dr+∫C(rotA)⋅dr
とできる。この量が状態量であるならば閉曲線に沿った経路∂Sについて、
∫∂SF⋅dr=0
が成立しなければならない。また、この式の左辺はストークスの定理より、
∫∂SF⋅dr=∫SrotF⋅dS
とできる。ただし、Sは∂Sによって囲まれた面領域であり、Sは面積を大きさとしてもち、面の法線方向を向くベクトルである。一般の閉曲線経路について成り立つ必要があるため、
rotF=0
でなくてはならない。この条件を、
∫CF⋅dr=∫C(−gradϕ)⋅dr+∫C(rotA)⋅dr
に課すと、
rotF=rotgradϕ+rotrotA=rotrotA ∵rotgradϕ=0=0∴rotA=−gradχ
を得る。ここで、χは任意のスカラー場である。よって、
ψ=ϕ+χ
と新たなスカラー場ψを定義すれば、
∫CF⋅dr=∫C(−gradψ)⋅dr=−∫t0tv⋅gradψ dt=−∫t0tψ˙ dt=ψ(r(t0))−ψ(r(t))
とできる。ただし、t0,tは運動の開始時刻と終了時刻である。このスカラー場ψが一般にポテンシャルと定義され、条件を満たすFは保存力と定義される。□
(1)
(2)の解答より条件は、
rotF=0
であったが、2次元では、ストークス定理の代わりにグリーンの定理を使用して、
∂xFy−∂yFx=0
が条件であることを示せる。Fx , Fyは、
∂xFy−∂yFx=Ax−Ax=0
となるため、保存力である。□
(3)
Fが保存力なのでポテンシャルU(x,y)は、
∫CF⋅dr=∫0xFxdx+∫0yFydy=2Ax2y+2Ax2y=Ax2y
である。
質問者からのお礼コメント
ありがとうございます