解決済み
エステル化に濃硫酸がなぜ使われるのですか?
ベストアンサー

エステル化の際、濃硫酸は「触媒」の働きをしています。
エステル化の触媒として、濃硫酸が使われる理由は、
濃硫酸が濃度98%程度の非常に濃い水溶液で、その溶液中に水をほとんど含まないからです。水を含まない方がエステル化反応が進むのです。理由は下記のとおりです。
カルボン酸とアルコールからエステルができる反応は下記のようになります。
上記の化学反応式より、
・反応が「平衡反応(可逆反応)」であること
・「エステル化で水が生成」すること
の2点がわかります。
つまり、エステル化させる(平衡を右に傾ける)ためには、反応物に水を含まない方が良いということが分かります。逆に言うと、水を多く含むと平衡は左に傾き、エステル化反応が進まない方向に傾きます。※ルシャトリエの原理より
以上の理由により、水をほとんど含まない「濃硫酸」がエステル化の触媒として用いられているのです。
※濃塩酸や濃硝酸について
塩酸や硝酸は常温で気体です。そのため、98%濃度の水溶液を作ることができないでしょう。つまり、エステル化には濃硫酸が最適です。
質問者からのお礼コメント
悩んでいたのでありがたいです。