図のような平行六面体ABCD−EFGHと、その部分集合である四角錐C−EFGHを考える。
立体Kの体積をV(K)と表すことにする。
ここで、以下の命題を認める
①相似比が1:aとなる2つの立体の体積比は1:a3となる
②ある立体Kが切断によりK1とK2に分かれるとき、V(K)=V(K1)+V(K2)
(証明は面倒なのでここではしません。錐体の体積の公式は使わずに証明できます)
四角錐C−EFGHとの相似比が1:2となるような四角錐C−E′F′G′H′を考える。さらに、図のように5点I,J,K,L,Mを新たにおく
V(C−EFGH)=v,V(ABCD−EFGH)=Vとおく
②より
V(C−E′F′G′H′)
=V(C−EFGH)+V(E−E′JMI)+V(EIM−HH′L)+V(EJM−FF′K)+V(EFGH−MKG′L)
となる
①より
V(C−EFGH):V(C−E′F′G′H′)=1:8
よってV(C−E′F′G′H′)=8v
四角錐E−E′JMIは四角錐C−EFGHと合同である
①より
V(C−EFGH):V(E−E′JMI)=1:1
よってV(E−E′JMI)=v
立体EIM−HH′Lおよび立体EJM−FF′Kは反転合同なもう一つの立体と組み合わせることにより平行六面体ABCD−EFGHと合同となるため、①②より
2V(EIM−HH′L)=2V(EJM−FF′K)=V
よってV(EIM−HH′L)=V(EJM−FF′K)=21V
平行六面体EFGH−MKG′Lは平行六面体ABCD−EFGHと合同であるため、①より
V(EFGH−MKG′L)=V
したがって、8v=v+v+21V+21V+V
v=31V
かなり面倒ですが、このようにして積分や錐体の体積の公式を使わずに、斜錐体の体積の公式を証明することは可能です