高木貞二先生の『初等整数論講義』において,次の説明がありました.
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ㅤㅤ32x+57y-68z=1.(4)
最小の係数 32 でほかの係数を割れば,
ㅤㅤ57 = 32 × 2 - 7,
ㅤㅤ68 = 32 × 2 + 4,
よって
ㅤㅤx' = x+2y-2zㅤ(5)
と置けば,
ㅤㅤ32x'-7y-4z=1.(4*)
同様に,
ㅤㅤ32 = 4 × 8,
ㅤㅤ7 = 4 × 2 - 1,
よって
ㅤㅤz'=8x'-2y-zㅤ(6)
と置けば, (4*)から
ㅤㅤy+4z'=1.(4**)
(4**)の一般解として
ㅤㅤ 1-4z'(x',z' は任意の整数)
を得る.それを(6)に代入して
ㅤㅤz=8x'+7z'-2,
最後に(5)に代入して
ㅤㅤx=17x'+22z'-6,
故に(4)の一般解は
ㅤㅤx = 17x' + 22z' - 6,
ㅤㅤy = ㅤㅤㅤㅤ-4z' + 1,
ㅤㅤz = 8x'ㅤ+ 7z'ㅤ- 2.
x', z' に任意の整数値を与えて,この式から(4)のすべての解を得るのである.
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お恥ずかしながら,僕はこの解法が理解できません.必要性はどのように担保されるのか,またこの解法に汎用性はあるのか,という2点がわかりません.特に,後者の疑問に関して,不定方程式
ㅤㅤ32x-7y-4z=1
に対して同様の解法で解こうと思いましたができませんでした.
この質問では,この不定方程式に対し上記と同様の解法を適用してみていただきたいです.可能なら,どうしてこのように変数変換をするだけで必要性が確保できるのかを説明していただきたいです.
整数に弱いもので,何卒宜しくお願い致します.
高木さんの解説は次ページからも見ることができます:
https://linesegment.web.fc2.com/books/mathematics/shotouseisuronkougi/shotouseisuronkougi_03.html