解決済み

「留数定理を用いたバーゼル問題の美しい証明」のなかで、留数定理を使って出した積分値が-π^3i となっていますが、マイナスは残らないのですが、その直前の-πilog^2(-1)からの変形を教えていただけませんか。私はπ^3i とーが消えると思うのですが。つまり、log^2(-1)=-π^2 だと考えるんですが、おかしいでしょうか。



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log2(1)=(πi)2=π2\log^2(-1) = (\pi i)^2 = -\pi^2

だから πilog2(1)=πi(πi)2=π3i-\pi i\log^2(-1) = -\pi i(\pi i)^2 = \pi^3 i で合っています.


【補足】

π3i\pi^3 i で合っているとすると I=01logxx21dx=π28I = \displaystyle{\int_0^1 \frac{\log x}{x^2 - 1}dx = -\frac{\pi^2}{8}}

つまり,被積分関数は正値のみとるのに I<0I < 0 となって不合理です.


要するに記事には間違いがあります.

積分経路のとり方が問題で,正しくは写真のように極 z=1z = 1 を小円弧で迂回しないといけません.


z=1z = 1 を扱うにも logz\log z の多価性を考慮しないといけません.

f(z)=log2(z)/(z21)f(z) = \log^2(z)/(z^2-1)argz[0,2π)\arg z \in [0,2\pi) に分岐をとると z=1z = 1 で可除特異点ですが,argz[2π,4π)\arg z \in [2\pi,4\pi) に分岐をとると z=1z = 1 で留数 2π3-2\pi^3 の真の極です.


C3C_3 の方は極 z=1z = 1 が上述のとおり可除特異点なので寄与 00

C7C_7 の方は極 z=1z = 1 が真の極なので下側に迂回した寄与は iπResz=1=2π3i-i\pi\mathrm{Res}_{z=1} = 2\pi^3 i

したがって,

Cf(z)dz=4π20dxx214πi0logxx21dx+2π3i \int_C f(z)dz = 4\pi^2\int_0^\infty\frac{dx}{x^2-1} - 4\pi i\int_0^\infty\frac{\log x}{x^2-1}dx + 2\pi^3 i.

この積分値は 2πiResz=1=π3i2\pi i\mathrm{Res}_{z=-1} = \pi^3 i に等しいので虚部を比較して

0logxx21=π24 \int_0^\infty \frac{\log x}{x^2-1} = \frac{\pi^2}{4}.

これで正しく求まります.


記事の間違いで困惑したかもしれませんが,普通に計算して π3i\pi^3 i でOkです.

補足

× z=1z=1 で留数 2π3−2π^3 の真の極

○ z=1z=1 で留数 2π2−2π^2 の真の極


× C3C_3 の方は極 z=1z = 1

  C7C_7 の方は極 z=1z = 1

○ C3C_3 の方は z=1z = 1

  C7C_7 の方は z=1z = 1

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