ここでは、日本語の「雨」に相当する韓国語のフレーズと、それぞれの表現が持つニュアンスについて例文と共に解説します。
「雨」の韓国語表現
- 비 (ビ): 最も一般的な「雨」を表す韓国語で、誰でも理解できます。
- 장마 (チャンマ): 日本でいう「梅雨」を指し、多量の雨が降る時期を表します。
- 소나기 (ソナギ): 日本でいう「にわか雨」や「夕立」を指し、突然雨が降って来ることを表します。
- 빗방울 (ビットパングル): 「雨粒」や「雨滴」を表す表現で、1つ1つの雨粒を指します。
- 억새비 (オクセビ): 文学や詩などでよく使われる表現で、「秋の長雨」を意味します。
- 맑음비 (マルグムビ): 晴天の雨、つまり晴れているのに雨が降る現象を表す言葉です。
- 빗물 (ビットムル): こちらは文字通り「雨水」を表し、雨が降って得られる水を指します。
- 천둥번개 (チョンドンブンゲ): 「雷雨」を指す言葉で、雨が降るとともに雷が鳴る現象を指します。
- 진눈깨비 (チンヌンケビ): 春の初雪のように、気温が春になったにもかかわらず雪が降る現象を表すたとえ言葉です。
- 거센비 (コソンビ): 「激しい雨」を指し、非常に強く雨が降る様子を表す言葉です。
비
1. 오늘 비가 올 것 같아요.
日本語訳:「今日、雨が降りそうです。」
2. 비를 맞으며 집으로 돌아갔어요.
日本語訳:「雨に打たれながら家に帰りました。」
3. 비 때문에 계획이 바뀌었습니다.
日本語訳:「雨のせいで計画が変わりました。」
韓国語の「비」は日本語の「雨」に相当します。しかし、単に天気現象を表すだけでなく、詩や歌詞などの文学的な表現では悲しみや寂しさ、つらさなどを象徴することもあります。また、「비」は言葉の前後の文脈によって、他の単語と組み合わされることによって「雨よけの」「雨に濡れた」といった様々な意味を表すことができます。特に韓国では日本よりも降水量が多いので、「비」は生活に大きな影響を与え、その日の予定を変更させる要素として頻繁に登場します。
장마
1. 장마 기간 동안 우산을 잊지 말아야 합니다.
日本語訳: 梅雨の期間中、傘を忘れないようにしなければなりません。
2. 장마 때문에 계획이 바뀌었습니다.
日本語訳: 梅雨のせいで予定が変わりました。
3. 장마가 끝나면 여름이 본격적으로 시작됩니다.
日本語訳: 梅雨が終わると夏が本格的に始まります。
韓国語で「장마」は日本語の「梅雨」に相当します。「장마」は長い間にわたって降り続く雨を指し、6月後半から7月にかけて韓国全土で見られる現象です。この期間中は、晴れ間がほとんどなく、頻繁に雨が降るため、生活のさまざまな側面に影響を与えます。特に屋外での行事や旅行の計画を立てている人々は、장마の影響を受けやすいです。また、장마はカビや湿気による不快感を引き起こすなど、生活環境を悪化させる可能性もあります。だからこそ、장마期間中はさまざまな対策が必要となります。
소나기
1. 소나기가 내렸어요.
日本語訳:「にわか雨が降りました。」
2. 오늘은 소나기가 올 것 같아요.
日本語訳:「今日はにわか雨が来そうです。」
3. 소나기 뒤에 땅이 좀 더 푸르게 보여요.
日本語訳:「にわか雨の後、地面がより緑色に見えます。」
「소나기」は韓国語で、急に降ってすぐ止む雨を意味します。短時間で強く降ることが多いため、その存在を人々に強く感じさせます。また、一時的なもので、すぐに晴れる場合もあるため、予測が難しく、また、それが醸し出す風情も含めて「소나기」特有の詩的なイメージを持っています。一般的には春に多く、突然の雨により、生命力をより一層感じさせることから、新たな生命や清新な気持ちを象徴するとも言えます。
빗방울
1. 빗방울이 창문에 떨어지는 소리가 들려요.
日本語訳:「窓ガラスに雨粒が落ちる音が聞こえます。」
2. 이 빗방울 소리는 자장가처럼 들린다.
日本語訳:「この雨粒の音は、子守唄のように聞こえる。」
3. 우산이 없어서 빗방울에 젖었다.
日本語訳:「傘が無くて、雨粒で濡れてしまった。」
「빗방울」は韓国語で「雨粒」を指す言葉です。微量の水が空から落ちてくる様子を表現します。その大小や強弱、及び降り方によって様々な雰囲気を創り出すことができます。例えば、小さな雨粒がゆっくりと降ってくる様子は静かな雰囲気を、大粒で激しく降る雨は強烈な雰囲気を作り出します。また、雨粒が窓ガラスに打ち付ける音、地面に落ちる音などは、人々に独特の感覚的な体験を提供し、落ち着きやリラクゼーション、または懐かしさを感じさせることができます。
억새비
1. 가을하면 억새비가 생각납니다.
日本語訳:「秋といえば、しんどくなる雨が思い浮かびます。」
2. 억새비 때문에 밖에 나가기가 힘들어요.
日本語訳:「しんどくなる雨のせいで、外に出るのが大変です。」
3. 억새비로 하루 종일 집에 있었어요.
日本語訳:「しんどくなる雨で一日中家にいました。」
韓国語の「억새비」は直訳すると「しんどくなる雨」です。主に秋に降る雨を指し、その様子を象徴的に表現した言葉です。この雨は惜しげもなくたっぷりと降り、同時に肌寒く感じることから、なんとなくしんどく、辛く感じられます。また、この言葉には、秋の終わりを感じさせる哀愁や寂しさが含まれているとも言えます。そのため、韓国では秋の雨の日にこの言葉をよく使用します。
맑음비
1. 밖에 맑음비가 내리는 것을 보았다.
日本語訳: 外では晴雨が降っているのを見た。
2. 맑음비가 너무나도 아름다워 보였다.
日本語訳: 晴雨がとても美しく見えた。
3. 맑음비가 내리는 소리를 청하면서 휴식을 취했다.
日本語訳: 晴雨が降る音を聞きながら休息を取った。
「맑음비」という言葉は、「晴れているのに雨が降る」という象徴的な表現であり、天候が予想外に変化する状況を表す際に使われます。「雨」のニュアンスとしては、予期しない驚きや意外な出来事、計画外の変化などを象徴的に表すことがあります。また、「맑음비」が降るという現象自体が、予測不能で変わりやすい人間の感情や心情を暗示することもあります。強いて言えば、「기분이 맑음비처럼 변화가 심하다」(気分が晴雨のように変化が激しい)というような表現で使われることもあります。
빗물
1. 빗물이 창문을 두드리고 있습니다.
日本語訳:「雨が窓を叩いています。」
2. 빗물에 맞은 꽃들이 사뿐히 흔들리고 있었다.
日本語訳:「雨に打たれた花々がそっと揺れていた。」
3. 빗물은 거리를 젖게 하였다.
日本語訳:「雨は通りを湿らせた。」
「빗물」は韓国語で「雨水」を意味しますが、そのニュアンスは日本語の「雨」よりやや詩的です。また、韓国語では雨に特化した多くの表現があるため、「빗물」は日本語の「雨」とは少し異なった使われ方をします。例えば、「비」(ビ)という単語だけでも「雨」を指し、泣きながら豪雨に打たれる感情を「눈물비」(ヌンムルビ)、建物の屋根を滴る雨を「지붕물」(チブンムル)と表現します。位置や状況をさらに具体的に表したい場合、「빗물」よりも詳細な表現を選ぶことが多いです。
천둥번개
1. 천둥번개가 치던 밤이었다.
日本語訳: 雷が鳴り響く夜だった。
2. 천둥번개에 놀라서 잠이 깼다.
日本語訳: 雷雨に驚いて眠りから覚めた。
3. 천둥번개 소리에 강아지가 두려워하고 있다.
日本語訳: 雷の音に小型犬が怯えている。
韓国語の「천둥번개」は、日本語の「雷」に相当します。しかし、「천둥번개」は文字通り「天の動きと稲妻」を組み合わせた意味で、「雨」という要素は含まれていません。「천둥번개」に「雨」のニュアンスがあるとするならば、それは「雷雨」や「豪雨」のような天気状況を暗示する表現としての「雨」に過ぎません。つまり、雨が降ることを確定するものではなく、雨が伴う可能性があるという微妙なニュアンスが「천둥번개」には含まれていると言えるでしょう。
진눈깨비
1. 외출할 때 우산을 꼭 챙겨가야 해요. 오늘은 진눈깨비가 올 것 같아요.
日本語訳:「外出する時は傘を必ず持って行ってください。今日はみぞれが降るかもしれません。」
2. 진눈깨비가 올 때면 감기에 주의해야 해요.
日本語訳:「みぞれが降ったときは風邪に注意しなければなりません。」
3. 진눈깨비가 내리는 날은 창밖을 보면서 커피를 마시는 것이 좋아요.
日本語訳:「みぞれが降る日は、窓の外を見ながらコーヒーを飲むのが好きです。」
「진눈깨비」は韓国語で、「雨と雪が交互に降る」という意味を持っています。韓国では、雨や雪が一緒に降ることが少なくありません。この現象が頻繁に起こるため、韓国語にはそのような天候を表す独特な言葉が存在します。その一つが「진눈깨비」です。「진(震)」は「ふるえる、震える」、「깨비(蛙)」は「カエル」を意味します。つまり、カエルが寒さに震えるような天候、つまり雨と雪が交互に降る天候を表しています。
거센비
1. 거센비가 내리고 있어요. 외출을 삼가주세요.
日本語訳:「激しい雨が降っています。外出を控えてください。」
2. 주말 동안 거센비가 예상되니 주의하시기 바랍니다.
日本語訳:「週末に激しい雨が予想されるので注意してください。」
3. 어제 거센비 때문에 많은 피해가 발생했어요.
日本語訳:「昨日、激しい雨のせいで大きな被害が出ました。」
「거센비」は、「激しい雨」や「豪雨」などと訳される韓国語の語句です。「거센」は「強い」や「激しい」という意味で、「비」は「雨」を指します。韓国では、特に梅雨時期や台風の時期にはこの「거센비」が降ることもしばしばあり、それに伴う洪水や地滑りなどの自然災害を引き起こすこともあります。そのため、「거센비」を耳にすると、韓国の人々は大雨による災害への警戒を強めることが一般的です。「거센비」は、ただ単に「雨が降っている」を超えて、「非常に激しく雨が降っている」、つまり危険な状況を指し示す表現ともいえます。
韓国語で「雨」を表現する際のポイントと注意点
「雨」を韓国語で表現すると「비」になります。しかし、日本語と同様に様々な表現や形状による違いがあります。例えば、「シトシトと降る雨」は「새어 오다」と「大雨」は'호우'と言います。「霧雨」は「이슬비」、突然の雨を表す「にわか雨」は「갑작스러운 비」、そして少し雨が降ることを表す「パラパラ降る」は「가볍게 내리다」となります。
たとえば、「今日は雨が降るかもしれない」を韓国語に訳すと「오늘 비가 올지도 모른다」となります。
また、「雨音」を表す「빗소리」、雨にうたれる「비에 젖다」、雨が上がる「비가 그치다」、雨具を示す「장마」などの表現もあります。
それぞれのニュアンスや使い方を理解することで、より自然な韓国語表現が可能になります。
「雨」の韓国語表現まとめ
「雨」を韓国語で表現するには「비」(ビ)と言います。また、「大雨」は「호우」(ホウ)、小雨は「소나기」(ソナギ)と言います。雨が降り始めることを「비가 오다」(ビガオダ)、雨が止むことを「비가 그치다」(ビガグチダ)と表現します。雨具については、傘を「우산」(ウサン)、レインコートを「비옷」(ビオッ)と言います。以上が基本的な雨に関する韓国語表現です。