ここでは、日本語の「これ」に相当する韓国語のフレーズと、それぞれの表現が持つニュアンスについて例文と共に解説します。
「これ」の韓国語表現
- 이거 (イゴ): 単純に「これ」を指す最も一般的な表現で、話し言葉でも書き言葉でも使われます。
- 이것 (イゴッ): フォーマルな文章や公式な場でよく使われる「これ」の表現。
- 이게 (イゲ): 「これが」のニュアンス。昔話をしているときに、その話の中で重要な役割を果たす何かを指すときに使われます。
- 이따구 (イッタグ): 非難の意味を含んだ「これ」の表現。何かが期待に達していない、品質が低いときに使われます。
- 여기 (ヨギ): 物理的な場所を指すときに使われる「ここ」の表現。
- 이 (イ): 「これ」を指すが、単独で使うよりも名詞の前につけて使うことが多い。直訳すると「この」になります。
- 이건 (イゴン): 「これは」の意味を持つ表現。具体的な物事に対して言及する場合に使います。
- 이걸 (イゴル): 「これを」の意味を持つ表現。何かを目的語として指定する場合に使います。
- 이쪽 (イチョク): 方向や場所を指す「こちら」の表現。丁寧な言葉遣いでよく使われます。
이거
1. 이거 얼마예요?
日本語訳: 「これはいくらですか?」
2. 저거 봐, 이거 어때?
日本語訳: 「あれ見て、これどう?」
3. 이거 주세요.
日本語訳: 「これください。」
「이거」は、韓国語で「これ」を表します。"이"は「この」「ここ」を表す接頭語で、"거"はもともと「もの」や「こと」を指す言葉です。ですから、「이거」は基本的に「このもの」、「これ」という意味になります。指差す、示すなどして特定の対象を指して使うことが多いです。また、「これから」を意味する「이제」や「このように」を意味する「이렇게」などのように、他の単語と組み合わせて使われることもあります。これらは上記の「发这」に含まれる「ここ」、「この」の意味を基に理解できます。
이것
1. 이것 좀 봐 주세요.
日本語訳:「これを見てください。」
2. 이것을 좀 더 계속 연구해야겠다.
日本語訳:「これをもう少し研究し続けなければならない。」
3. 이것이 문제의 핵심이다.
日本語訳:「これが問題の本質だ。」
韓国語の「이것」は日本語の「これ」に相当します。「이것」は話し手が注目している対象を指し示す際に使われます。近い距離にある対象や、直前に言及した事柄などに対して使います。また、話題に上がっている物事全体を指す表現としても使えます。具体的なものだけでなく、抽象的な概念や事象にまで適用できるため、非常に幅広い使い方が可能です。他の指示詞と比べても数量や距離に関する制限が少ないため、話し手が強調したい対象を自由に指定することができます。
이게
1. 이게 당신이 찾고 있던 책입니다.
日本語訳:「これがあなたが探していた本です。」
2. 이게 내가 원하는 디자인이야.
日本語訳:「これが私が望んでいたデザインだよ。」
3. 이게 맞는 길인가요?
日本語訳:「これが正しい道ですか?」
「이게」は韓国語で「これ」を指す言葉で、具体的な物体、事象、状況などを指して使われます。「これ」に対して特定の感情や意見を表現するときや、注目点や確認したい点を強調する際にも使われます。一方、形状、色、音、味など抽象的な事項を指す場合には「이것」や「이거」など他の表現をよく使います。また、日本語の「これ」のように、話し手と近く、または話し手が感じている事象や状況を指すことが多いです。日本語の「これ」のように、聞き手に物を示す時や、限定的な状況を指す時にも使われます。
이따구
1. 이따구로 살면서 무슨 재미가 있어?
日本語訳:「こんなふうに生きて何が楽しいの?」
2. 너가 이따구로 날 놀리지 말아.
日本語訳:「あなたがこんな風に私をからかわないで。」
3. 이따구로 물건을 분류하면 우리가 찾기 힘들어요.
日本語訳:「こんな風に物を分類すると、私たちは探すのが難しいですよ。」
韓国語の「이따구」は一般的に「こんな形/風に」といった意味で使われます。具体的な行動や状況、または物事の状態を表現する際に用いられ、何かを評価や指摘する際によく使われる表現です。「이따구」は日本語で言うところの「こんな風に」や「こんな具体的な状態や方法」に近いニュアンスを持っています。このため、状況や状態、行動などに対する評価や指摘を含意することが多く、主に否定的な文脈で使われることが多いです。
여기
1. 여기 있습니다.
日本語訳:「ここにいます。」
2. 여기 사과 좀 봐 주세요.
日本語訳:「このリンゴちょっと見てください。」
3. 여기 좋아요?
日本語訳:「ここが好きですか?」
「여기」は、「ここ」「この」などを指す韓国語です。具体的には、話し手の近くにある場所や物を指します。また、「ここ」は物理的な場所だけでなく、抽象的な「場所」を指すこともあります。例えば、文章の特定の部分を指すときなどです。「여기」は韓国語において非常に一般的であり、物体や位置、場所を指すのに必要な表現です。しかし、そのニュアンスは文脈によります。「여기」が指している具体的な対象や場所を把握するためには、前後の文脈を理解することが重要です。そのため、「여기」は必ずしも「これ」を意味するとは限らない、という点に注意が必要です。
이
1. 이게 뭐예요?
日本語訳:「これは何ですか?」
2. 이것을 좀 봐주세요.
日本語訳:「これを少し見てください。」
3. 이는 내가 좋아하는 책이에요.
日本語訳:「これは私が好きな本です。」
「이」は韓国語で「これ」を意味しますが、日本語の「これ」と同様に、話者が指す対象や話題が近くにあるときや、もしくは既に話題に上がっているときによく使われます。これに対して、遠くにあるものやまだ話題になっていないものを指すときは「그」を使います。また、「이」は名詞の直前に置いて用いられ、名詞を修飾することで「この〜」という意味になります。例えば、「이 책」は「この本」を意味します。これに対して、「これ」だけを意味する場合は「이것」を使います。
이건
1. 이건 무엇입니까?
日本語訳:「これは何ですか?」
2. 이건 제가 좋아하는 책입니다.
日本語訳:「これは私が好きな本です。」
3. 이건 내가 만든 케이크입니다.
日本語訳:「これは私が作ったケーキです。」
韓国語の「이건」は日本語の「これは」に相当します。「이」は「これ」を、「건」は「~は」をそれぞれ指しています。「이건」の後に続く文やフレーズは視覚的、または感覚的な共有経験に基づく情報(見た目、形、色、感じ、味など)を伝えるために使用されます。したがって、「이건」は、話している人と話を聞いている人が共有している何か(物や事柄)に言及する際に用いられます。また、「이건」から始まる文は一般的に、その対象についての新たな情報や意見、評価を伝えることが多いです。
이걸
1. 이걸 어디서 찾아요?
日本語訳:「これはどこで探せますか?」
2. 이걸 왜 안 먹어요?
日本語訳:「なぜこれを食べないのですか?」
3. 이걸 나한테 주실 건가요?
日本語訳:「これを私にくださるんですか?」
韓国語の「이걸」は、日本語の「これ」に該当します。「이」は「これ」を意味し、「걸」は「を」の意味となります。したがって、「これを〜」といった日本語の表現に対応します。また、「이」は話者が指し示す対象に比較的近い場合または親しい対象を表すので、「これ」の意味を持ちます。また、「걸」は、対象が具体的なものであることを強調します。これは話者が、特定の対象や状況に対する行動や反応を示すときに使います。
これらの特性から、「이걸」は日本語の「これを」に近い意味とニュアンスを持つ表現と言えます。
이쪽
1. 이쪽으로 와주세요.
日本語訳:「こちらへ来てください。」
2. 그 책은 이쪽에 있어요.
日本語訳:「その本はこちらにあります。」
3. 이쪽 문제를 한번 봐 주세요.
日本語訳:「こちらの問題を見てください。」
韓国語の「이쪽」は日本語で言うところの「こちら」や「このほう」といった意味で用いられます。よく人や物体、場所を指す際に使用されますが、基本的には話し手が中心となる視点からみて、近い方を指す言葉です。また、自分と関連があるものや自分の立場から物事を示すときにも使います。例文2のように物の位置を示す場合や、例文3のように具体的な問題や課題を示す際にも用いられます。このように、人やものの位置関係を表すだけでなく、抽象的な概念を指すためにも使用されます。
韓国語で「これ」を表現する際のポイントと注意点
「これ」に相当する韓国語の言葉は「이」や「이것」です。また「저」や「저기」も近くの物を指す表現として使われますが、主に離れているものや相手が持っているものを指します。例えば「これは何ですか?」を韓国語で言うと「이건 뭡니까?」となります。「저건 뭡니까?」は「あれは何ですか?」となります。ただし、これらの表現は物体に対する適切な議論または応答を生み出すためには、自然な言い方と正しい文脈を強調する必要があります。日本語と同様に、このような指示詞は文脈によって意味が変わるので、状況に応じて適切な表現を選択することが重要です。
「これ」の韓国語表現まとめ
「これ」を韓国語で表現する際は、「이」や「이것」を使います。単体で使う場合は「이」、文章中で「これ」という意味を持たせる場合は「이것」を用いることが一般的です。また、相手に近いものを示す場合は「그」や「그것」、さらに遠いものを示す場合は「저」や「저것」を使います。注意したいのは、話し言葉と書き言葉で微妙に使い方が異なることです。