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ここでは、日本語の「さん」に相当する韓国語のフレーズと、それぞれの表現が持つニュアンスについて例文と共に解説します。

「さん」の韓国語表現

  1. 님 (ニム): 敬意を持って相手を尊重する際に使われ、ますますを付けるのと同じくらい敬われます。
  2. 씨 (ッシ): 若者や交友関係がある人、又はよく知らない人に対して、敬意を表すために使われます。
  3. 아가씨 (アガッシ): 未婚の若い女性を指し、直訳すると「お嬢さん」になります。
  4. 아저씨 (アジョッシ): 30代以上の男性、または既婚の男性を指し、直訳すると「おじさん」になります。
  5. 아줌마 (アジュンマ): 30代以上の女性、または既婚の女性を指し、直訳すると「おばさん」になります。
  6. 양 (ヤン): 夫や妻の呼び方として使われる言葉で、敬意を表現しています。
  7. 할아버지 (ハラベジ): 「おじいさん」を表す言葉で、年配の男性に対して使われます。
  8. 할머니 (ハルメニ): 「おばあさん」を表す言葉で、年配の女性に対して使われます。

1. 이헌수 님, 오늘 축구 경기 정말 잘 하셨어요.

日本語訳:「イホンスさん、今日のサッカーの試合、本当によくやりましたね。」

2. 김수현 님, 대단하신 분이시네요.

日本語訳:「キムスヒョンさん、すごい方ですね。」

3. 최민성 님, 시간 있으면 연락 부탁드릴게요.

日本語訳:「チェミンソンさん、時間がありましたら、連絡お願いします。」

「님」は韓国語で尊敬や敬意を示す接尾辞で、日本語でいうと「さん」に近いニュアンスがあります。ただし、「さん」よりも少し正式で、また敬意をより強く示す意味合いがあります。メールや手紙、公式な文章では人の名前の後に「님」をつけて敬意を表現します。また、SNSなどインターネットのコミュニケーションでは、一般的に交流関係がある人々に対して「님」を使用します。

1. 이영수 씨, 차가 준비되었습니다.

日本語訳:「イ・ヨンスさん、車が用意されました。」

2. 민희 씨를 만나러 왔습니다.

日本語訳:「ミンヒさんに会いに来ました。」

3. 자연 씨, 오랜만에 어떻게 지내요?

日本語訳:「ジャヨンさん、久しぶりにどうお過ごしですか?」

韓国語の「씨」は、日本語の「さん」に相当する敬称です。日本と同様に、名前の後に付けて他人を敬うために使用しますが、一般的によく知っている人、年齢が近い人、立場が近い人に対して使います。親しい間柄や立場が低い人には使いません。「씨」を付けるときは、ファーストネーム(名前)の後に付けるのが普通です。これは日本語の「さん」がラストネーム(姓)に付けるのとは異なる点です。また、韓国では女性が結婚しても彼女自身の名前に「씨」を付けて呼びます。

아가씨

1. 아가씨, 이거 얼마예요?

日本語訳:「お嬢さん、これいくらですか?」

2. 아가씨, 그 도서관 어디에 있나요?

日本語訳:「お嬢さん、その図書館はどこにありますか?」

3. 아가씨, 주문 받아주세요.

日本語訳:「お嬢さん、注文を伺います。」

「아가씨」は、一般的に若い未婚の女性を指す敬称で、日本語の「お嬢さん」や「さん」に該当します。しかし、状況によっては異なる意味を持つ場合もあります。例えば、レストランやカフェなどの接客業では、客を呼ぶ際に女性であれば年齢問わずに「아가씨」と呼びます。また、一部の地域では既婚女性を指す場合もあります。日本語の「さん」に比べて、韓国語の「아가씨」は年齢や婚姻状況、場面によってニュアンスが異なり、特に年齢や婚姻状況をはっきりと示すと言うよりも、女性に対する一般的な敬称として使われることが多いです。

아저씨

1. 아저씨, 여기서 어떻게 가요?

日本語訳:「おじさん、ここからどうやって行ったらいいですか?

2. 아저씨, 이것 좀 보여 주세요.

日本語訳:「おじさん、これちょっと見せてください。」

3. 아저씨, 그 파란 책 좀 가져다 주세요.

日本語訳:「おじさん、その青い本ちょっと取ってください。」

韓国語の「아저씨」は、基本的には中年男性を指しており、日本語の「おじさん」に相当しますが、少しニュアンスが異なる部分もあります。「아저씨」は、自分より年上の男性、特に子供から40~50代くらいの男性に対して使う敬称であり、「さん」のような丁寧さや敬意が必ずしも含まれていません。立場や関係性により、敬意を表すために「~님」を使って呼ぶこともあります。また、他人を呼ぶ場合に何の敬称も使わないことは無礼とされるため、「아저씨」という言葉が一般的に使われます。

아줌마

1. 아줌마, 나 좀 도와 주세요.

日本語訳:「おばさん、ちょっと手伝ってください。」

2. 아직도 아줌마가 너무 보고싶어.

日本語訳:「まだおばさんに会いたいんだ。」

3. 아줌마는 어디에 계세요?

日本語訳:「おばさんはどこにいますか?」

「아줌마」は、韓国語で中年の女性に対して使われる言葉で、日本語の「おばさん」に近い表現です。しかし、一部の女性があまり好きでない表現でもあります。メディアなどで啓発活動を経て、「아줌마」はあまり使われなくなってきており、年齢的にアジュンマ(아줌마)にあたる女性でも、「노모님」や「여성분」などもっと敬意を示す表現が使われるようになりました。また、「아줌마」は一般的に用事を頼むときや店の女性経営者、あるいは知らない中年の女性に対して使われることが多いです。

「양」は韓国語で、姓や名前の後に付けて敬称として使われます。日本語の「さん」と似た使い方で、相手に対する敬意を表す際に使われます。以下に「양」を使った3つの例文とその日本語訳を示します。

  1. 김민지 양, 여기서 기다리고 계세요.
    日本語訳: 金敏智さん、こちらでお待ちください。
  2. 이번 프로젝트는 박수진 양이 담당합니다.
    日本語訳: 今回のプロジェクトは朴秀珍さんが担当します。
  3. 최근에 이사온 정유나 양을 만나보셨나요?
    日本語訳: 最近引っ越してきた鄭有娜さんにお会いしましたか?

「양」は敬称として使われ、日本語の「さん」に非常に似ています。主に若い女性や女の子に対して使われることが多く、親しみや尊敬の気持ちを示すために用いられます。ビジネスの場や日常会話の中で、相手を敬う意味を込めて名前の後に付けることが一般的です。ただし、「양」は女性に限定される傾向があり、男性には「군」を使うことが一般的です。

할아버지

1. 할아버지는 항상 저를 보살펴주셨습니다.

日本語訳:「おじいさんはいつも私を面倒見てくれました。」

2. 할아버지는 저에게 인생의 중요한 교훈을 가르쳐 주셨습니다.

日本語訳:「おじいさんは私に人生の大切な教えを教えてくれました。」

3. 할아버지가 저에게 오랜 시간 동안 쌓아놓은 지혜를 공유해주셨습니다.

日本語訳:「おじいさんは私に長年ためてきた知恵を分かち合ってくれました。」

韓国語では「할아버지」を使って、祖父や年配の男性に敬意を表すことがあります。「님」、「선생」、「사장」などの敬称とは違い、一定の関係性や社会的地位を示すものではなく、年齢を尊重・敬うという韓国の文化が反映された言葉です。一般的には他人の祖父に対して使われますが、より年配の男性に対する敬称や接尾語として使われることもあります。また、特定の集団や関係性によっては、年齢に関係なく、親しい男性に対して使うこともあります。

할머니

1. 할머니는 내게 손놀래주를 만들어 주셨습니다.

日本語訳:「おばあさんは私にお手玉を作ってくれました。」

2. 나는 우리 할머니와 함께 놀러가는 것을 좋아한다.

日本語訳:「私はうちのおばあちゃんと遊びに行くのが好きです。」

3. 할머니는 항상 사랑이 많은 사람이셨습니다.

日本語訳:「おばあさんはいつも愛情深い人でした。」

韓国語の「할머니」は日本語の「おばあさん」に相当します。韓国語では年上の人に対する敬意を表すために「さん」や「さま」にあたる接尾辞を付けて呼びます。しかし、「할머니」にはそういった接尾辞が必要ないため、そのまま「おばあさん」と訳すことが一般的です。韓国では世代間の絆と尊敬が大切にされているため、「할머니」を呼ぶことは特に温かみや親しみを感じさせます。

韓国語で「さん」を表現する際のポイントと注意点

韓国語では、「~さん」の代わりに「~씨」(シ)を用いますが、日本語とは使い方が少し異なるので注意が必要です。「~씨」は一般的に相手が自分よりも年齢が下または立場が劣る場合に使用します。また、職場やフォーマルな場では敬意を示すために「~님」(ニム)を利用します。学校や社会の上下関係など公的な場では、相手の職業や役職を付けて呼びます(例:김 선생님、박 사장님)。

  • 「~씨」の使用例

-요한 시 어제 복을 받았는지 알아? (ヨハンさんが昨日返事をもらったか知ってる?)

  • 「~님」の使用例

-황 사장님과 면담을 가지고 싶습니다.(フォーマルな状況でヒョン社長に会いたいと願っています)

公的な場では、相手の地位や役職を指定しながら呼びます

-김 교수님의 강의는 정말 흥미로워요. (キム教授のレクチャーは非常に興味深いです)

「さん」の韓国語表現まとめ

韓国語では、「さん」を表す敬称は主に「씨」(ssi)が使われます。日本語の「さん」が男女問わず全ての人に対して使えるのと異なり、「씨」は基本的に友人や同僚など、自分と同等かそれ以下の年齢の人に対して使います。年上の人や目上の人に対しては、「님」(nim)を使うことが多いです。ただし、これらの敬称は付ける相手や状況により適切なものを選ぶ必要があります。