レントゲンの原理を調べると、「服や皮膚はX線を透過し、骨は吸収する」と出てきます。では骨に吸収されたX線はどうなるんでしょうか。
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レントゲン検査でのX線は骨に吸収された後、以下の結果に分かれます。
・エネルギー変換:X線は熱エネルギーへと変換されます。
・散乱: 一部のX線は骨の原子と相互作用し、散乱されます。この散乱X線は方向を変えて骨から出ていきますが、エネルギーが低下しています。
・二次放射: 吸収されたX線のエネルギーにより、骨を構成する原子が励起され、より低エネルギーの二次X線(特性X線)を放出することがあります。
また、骨がX線を吸収しやすい理由は以下に挙げられます。
・高密度: 骨は人体の他の組織と比べて密度が高いため、X線をより多く吸収します。
・カルシウムの存在: 骨を主に構成するカルシウムは原子番号が20と比較的大きく、X線をよく吸収します。
・原子番号との関係: 一般に、原子番号が大きい元素ほどX線吸収が高くなります。
骨がX線を吸収することによって、検出器に到達するX線の量は減少します。これにより、レントゲン写真上で骨が白く映し出されるようになります。その一方、軟部組織や空気はX線をあまり吸収しないため、より多くのX線が検出器に到達し、画像上では黒っぽく表示されます。これがレントゲン検査の画像の仕組みです。
また、胸部レントゲン検査1回の被ばく量は約0.06mSvと非常に低く、健康影響が生じるとされる200mSvをはるかに下回るため、安全性に問題性はないと言われています。