【例文付き】「しかし」の英語表現とそれぞれのニュアンス

「しかし」という表現を英語で伝える際は、状況や文脈に応じていくつかの異なるフレーズが使えます。

ここでは「しかし」を示す英語のフレーズとそれぞれのニュアンスを見ていきましょう。

「しかし」の英語表現

「しかし」を表す英語表現とそれぞれのニュアンスは以下の通りです:

「しかし」の英語
  • But: 基本的な接続詞で、一般的に広く使用される。
  • However: 文の途中ではなく、文頭に使うことが多く、フォーマルな文脈でよく見られる。
  • Yet: 「But」と同じような意味だが、より文学的または詩的な感触を持つ。
  • Nevertheless: 「However」と似ているが、よりフォーマルで、強い対比や反論を示唆する。
  • Still: よりカジュアルで、日常会話によく使われる。
  • Though / Although: 「But」と同様の用途だが、文の先頭や中間に使用され、より柔らかい対比を示す。
  • On the other hand: 二つの異なる観点や選択肢を比較するときに使われる。
  • Conversely: 直接的な対比を示し、しばしば「On the other hand」と交換可能。
  • Notwithstanding: 非常にフォーマルで、強い対比や例外を示す際に用いられる。
  • Even so: 強い反論や異議を示す際に使われ、日常会話とフォーマルな文脈の両方で見られる。

But

「But」は英語で最も一般的に使われる接続詞の一つで、「しかし」という意味を持ちます。この言葉は、主に前述した事柄に対する対照的な意見や事実を提示する際に使用されます。一般的な会話からフォーマルな文書まで幅広く使われ、話の流れを変えるのに役立つ便利なツールです。しかし、その使用は文脈によって異なり、時には意外性や反転を強調する効果があります。

以下は「but」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “I wanted to go to the party, but I was too tired.”
    日本語訳:「パーティーに行きたかったが、とても疲れていた。」
  2. “She is very smart, but she lacks experience.”
    日本語訳:「彼女はとても頭が良いが、経験が足りない。」
  3. “It’s a cheap phone, but it works well.”
    日本語訳:「それは安い携帯電話だが、よく機能する。」

これらの例文では、「but」は前半部分の状況や意見と対照的な後半部分の情報を提示し、より深い理解を促す役割を果たしています。

However

「However」は、英語における「しかし」の表現であり、一般的にはよりフォーマルな文脈や書き言葉でよく使われます。この単語は、文の途中ではなく主に文頭で使われ、前述の事柄に対して反論や異なる視点を提供する目的で用いられます。特に学術的な文章やビジネスのコミュニケーションで頻繁に見られ、話題の転換をはっきりと示すのに役立ちます。

以下は「However」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “I understand your point. However, I disagree with your conclusion.”
    日本語訳:「あなたの意見は理解できます。しかし、結論には同意できません。」
  2. “The project was challenging. However, we managed to complete it on time.”
    日本語訳:「そのプロジェクトは難しかった。しかし、我々は時間内にそれを完了させることができた。」
  3. “He was very tired. However, he decided to continue working.”
    日本語訳:「彼は非常に疲れていた。しかし、彼は仕事を続けることに決めた。」

これらの例文では、「However」は前の文の内容や主張と対照的な意見や事実を導入しています。この単語を使うことで、話者は一つの視点から別の視点へとスムーズに移行し、対比を強調することができます。

Yet

「Yet」は英語で「しかし」という意味を持ちますが、「but」や「however」とは異なる独特のニュアンスがあります。この単語は、期待や一般的な傾向に対する例外や驚きを示す際に使用されることが多いです。また、「まだ…ない」という意味でも使われますが、ここでは「しかし」の意味に焦点を当てた例文を紹介します。

以下は「Yet」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “She had very little time to prepare, yet she gave an excellent presentation.”
    日本語訳:「準備時間がほとんどなかったにも関わらず、彼女は素晴らしいプレゼンテーションを行った。」
  2. “The task seems simple, yet it’s surprisingly complex.”
    日本語訳:「その仕事は簡単に見えるが、驚くほど複雑だ。」
  3. “He is often critical, yet his advice is always helpful.”
    日本語訳:「彼はしばしば批判的だが、彼のアドバイスはいつも役に立つ。」

これらの例文では、「Yet」は前述した事柄と対照的な意外な事実や状況を示すために使われています。この単語は、話者が予想外の結果や意見を伝えたい時に特に効果的です。

Nevertheless

「Nevertheless」は英語で「それにもかかわらず」という意味を持ち、「しかし」のよりフォーマルな表現です。この単語は、前述した状況や事実に反して、あるいはそれらを超えて異なる結果や意見を提示する際に用いられます。特に、強い対比や意外性を伴う状況で効果的に使用され、文脈に深みを加える役割を果たします。

以下は「Nevertheless」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “The weather was bad. Nevertheless, we decided to go hiking.”
    日本語訳:「天気は悪かった。それにもかかわらず、私たちはハイキングに行くことにした。」
  2. “He had very little support. Nevertheless, he continued his research.”
    日本語訳:「彼はほとんど支持を得ていなかった。それにもかかわらず、彼は研究を続けた。」
  3. “The task was extremely difficult. Nevertheless, they managed to complete it.”
    日本語訳:「その仕事は非常に難しかった。それにもかかわらず、彼らはそれを完了させることができた。」

これらの例文では、「Nevertheless」は、逆境や困難に直面しながらも、期待を裏切るようなポジティブな結果や決断を示しています。この表現は、挑戦や困難を乗り越える強い意志や決意を強調するのに適しています。

Still

「Still」は英語で「それでもなお」という意味を持ち、「しかし」のより会話的な表現です。この単語は、前述した事実や状況にもかかわらず、異なる観点や結果を示す場合によく使われます。特に日常的な会話やカジュアルな文脈で使用され、前述の状況を認めつつも、追加の情報や反対の意見を提供する際に役立ちます。

以下は「Still」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “I know it’s late. Still, I think we should finish the project tonight.”
    日本語訳:「遅いことは分かっている。それでもなお、私たちは今夜中にプロジェクトを終えるべきだと思う。」
  2. “He made many mistakes. Still, his contribution was important.”
    日本語訳:「彼は多くの間違いを犯した。それでもなお、彼の貢献は重要だった。」
  3. “The movie received bad reviews. Still, I enjoyed it.”
    日本語訳:「その映画は悪い評価を受けた。それでもなお、私は楽しんだ。」

これらの例文では、「Still」は、否定的な要素や問題を認識しながらも、肯定的な側面や異なる視点を提示しています。この表現は、状況の複雑さや多面性を表すのに適しており、日常会話での使用に特に適しています。

Though / Although

「Though」および「Although」は英語で「けれども」「それにもかかわらず」という意味を持ち、主に文の始めや中間に使用されます。これらの単語は、前述した事実や状況に反する理由や状況を示す際に用いられ、文の流れに柔軟性をもたらします。これらは「but」のより柔らかい代替表現として機能し、文脈に優しさや考慮を加えることができます。

以下は「Though / Although」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “Although it was raining, we went for a walk.”
    日本語訳:「雨が降っていたけれども、私たちは散歩に出かけた。」
  2. “She is very busy, though she always finds time for her family.”
    日本語訳:「彼女はとても忙しいが、いつも家族のために時間を見つける。」
  3. “Though he didn’t have much experience, he performed very well.”
    日本語訳:「彼にはあまり経験がなかったけれども、とても上手に演じた。」

これらの例文では、「Though / Although」は、一見すると否定的または困難な状況を認めつつ、肯定的な結果や事実を提示しています。このような表現は、論点や話題をより繊細に、かつ効果的に伝えるのに役立ちます。

On the other hand

「On the other hand」は英語で「一方で」という意味を持ち、二つの異なる観点や状況を比較する際に使用されます。この表現は、議論や説明の中で対照的な要素や異なる角度からの視点を提示するのに役立ちます。特に、複雑な問題や意見の多面性を強調する際に効果的です。

以下は「On the other hand」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “I enjoy living in the city because it’s vibrant and exciting. On the other hand, I sometimes miss the peace and quiet of the countryside.”
    日本語訳:「都会に住むことが好きです。それは活気があり、エキサイティングだからです。一方で、時々田舎の平和と静けさが恋しくなります。」
  2. “Online classes are convenient and flexible. On the other hand, they lack the personal interaction of traditional classroom settings.”
    日本語訳:「オンライン授業は便利で柔軟性があります。しかし一方で、従来の教室での授業のような個人的な交流が不足しています。」
  3. “This car is very fuel efficient. On the other hand, it doesn’t have much power compared to other models.”
    日本語訳:「この車は燃料効率が非常に良いです。しかし一方で、他のモデルと比べるとあまりパワーがありません。」

これらの例文では、「On the other hand」は、一つの視点から別の視点へと転換し、対象の異なる側面や特性を示しています。この表現は、バランスの取れた議論や分析を行う際に特に有用です。

Conversely

「Conversely」は英語で「逆に」という意味を持ち、「しかし」と同様の反対の状況や視点を示す際に使用されます。特に、二つの事柄や状況が直接的に反対または補完的な関係にあることを強調する際に効果的です。この表現は、対比を明確にし、より深い理解や洞察を促すために使われます。

以下は「Conversely」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “Warm weather can make people feel more energetic. Conversely, cold weather often makes people feel lethargic.”
    日本語訳:「暖かい天候は人々をより元気にさせることがあります。逆に、寒い天候はしばしば人々を怠けさせます。」
  2. “High levels of exercise can reduce the risk of heart disease. Conversely, a sedentary lifestyle can increase it.”
    日本語訳:「運動量が多いと心臓病のリスクが減少します。逆に、座りがちな生活様式はそれを増加させます。」
  3. “A strong currency can benefit importers. Conversely, it can be a disadvantage for exporters.”
    日本語訳:「強い通貨は輸入業者に利益をもたらすことがあります。逆に、輸出業者には不利になることがあります。」

これらの例文では、「Conversely」は、一つの状況や行動がもたらす効果とその反対の効果を示しています。この言葉を使うことで、話者は対象の異なる側面や影響を対比させ、より包括的な理解を促すことができます。

Notwithstanding

「Notwithstanding」は英語で「にもかかわらず」「それでも」という意味を持ち、「しかし」と同様に、前述の事実や意見に反する点を強調する際に使われます。この表現は非常にフォーマルであり、法律文書や学術的な文章でよく見られます。特に、強い対比や例外を示唆する際に効果的です。

以下は「Notwithstanding」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “Notwithstanding the bad weather, the event was a success.”
    日本語訳:「悪天候にもかかわらず、そのイベントは成功した。」
  2. “He was given the promotion, notwithstanding his lack of experience in the field.”
    日本語訳:「彼はその分野での経験がないにもかかわらず、昇進された。」
  3. “Notwithstanding the critics’ negative reviews, the film became a box-office hit.”
    日本語訳:「批評家の否定的なレビューにもかかわらず、その映画は興行収入のヒット作となった。」

これらの例文では、「Notwithstanding」は、特定の困難や障害があったにもかかわらず、肯定的な結果や状況を示しています。この単語を用いることで、強い対立や意外性を強調し、文脈に深みを加えることができます。

Even so

「Even so」は英語で「それでもなお」という意味を持ち、通常「しかし」と同様のニュアンスで使用されます。この表現は、先行する事実や状況が示唆するものと異なる結論や意見を示す際に用いられます。特に、強い反論や反例を示したい場合や、前の文の内容にもかかわらず別の可能性を提示したい場合に効果的です。

以下は「Even so」を使用した例文とその日本語訳です:

  1. “The evidence against him was strong. Even so, he maintained his innocence.”
    日本語訳:「彼に対する証拠は強かった。それでもなお、彼は自分の無実を主張した。」
  2. “She knew the journey would be dangerous. Even so, she decided to go.”
    日本語訳:「彼女はその旅が危険であることを知っていた。それでもなお、彼女は行くことを決めた。」
  3. “The task seemed impossible. Even so, they tried their best to complete it.”
    日本語訳:「その仕事は不可能に思えた。それでもなお、彼らはそれを完了させるために最善を尽くした。」

これらの例文では、「Even so」は、困難な状況や否定的な見通しにもかかわらず、人々が行動を起こす意志や決断を強調しています。この表現は、逆境や挑戦に立ち向かう決意を示すのに特に適しています。

英語で「しかし」を表現するのポイントと注意点

まず、文脈や状況に応じて、「but」、「however」、「nevertheless」などの異なる接続詞を使い分けることが求められます。例えば、「but」はよりカジュアルな会話や一般的な用途に向いているのに対し、「however」や「nevertheless」はフォーマルな文脈での使用が適しています。また、これらの単語が文中のどこに位置するかも重要で、「but」は通常文中に置かれるのに対して、「however」や「nevertheless」は文の始めに置かれることが多いです。対照を示すためにこれらの単語を使う際は、文脈を明確に理解し、対照的な点を適切に表現することで、意図したメッセージを効果的に伝えることができます。

また、異なる「しかし」の表現はそれぞれ異なる語調やニュアンスを持っています。「though」や「although」はより柔らかな語調で、文中で対比を示すのに適しています。しかし、どの接続詞も過剰に使用すると文章が冗長になったり、意図が不明確になる可能性があるため、適切なバランスを保つことが大切です。

「しかし」の英語表現まとめ

「しかし」を表す英語の表現をまとめると、以下のようになります:

まとめ

  • But: 最も一般的で、話し言葉やカジュアルな文脈で広く使われる。前述の事柄に対して直接的な対照を示す。

  • However: 文頭に置かれることが多く、フォーマルな文脈に適している。文全体のトーンを変える際に使われる。

  • Nevertheless: 強い対比を示すのに用いられ、フォーマルな書き言葉でよく見られる。

  • Still: より会話的で、日常的な会話に適している。柔らかい対比を示す。

  • Yet: 文の中ほどや終わりに使われることが多く、意外性や予想外の結果を強調する際に用いられる。

  • Though / Although: 「But」の柔らかい代替表現として機能し、文の始めや中間で使われる。

  • On the other hand: 二つの異なる観点や状況を比較する際に使用される。

  • Conversely: 対照的な状況や観点を強調する際に使われる。

  • Notwithstanding: 非常にフォーマルで、法律文書や学術的な文章でよく見られる。

  • Even so: 強い反論や反例を示すのに適しており、肯定的な意見や決断を示す際に用いられる。

これらの表現は、それぞれ独自のニュアンスや使用される文脈が異なりますが、いずれも前述の事柄とは対照的な点を示すのに役立ちます。適切に使用することで、英語でのコミュニケーションがより豊かで効果的になります。