MARCHの法学部は入りやすい?実際の偏差値や難易度・各大学の特徴についても紹介!

「MARCHの法学部は入りやすいの?」

「偏差値や難易度はどのくらい?各大学の特徴は?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

MARCH法学部は難関学部の部類に入るので、合格は決して容易ではありませんが、ワンランク上の早慶法学部に比べると入りやすいと言えます。

またMARCH法学部の中でも偏差値や難易度にはばらつきがあるので注意しましょう。

今回はMARCHの法学部は入りやすいのかについて、それぞれの偏差値や難易度、各大学の特徴などを紹介します。

これを読んで、志望大学を考える上での参考にしてください。

MARCH法学部は入りやすいのかをざっくり説明すると

  • 中央大学・明治大学法学部は偏差値が高い
  • 法政大学は受験のチャンスが多い
  • 試験問題が簡単なのは立教大学

MARCHで一番入りやすい法学部はどこ?

親指を立てる少年

偏差値という観点では、MARCHの法学部の中で一番入りやすいのは立教大学法学部であると言えます。

MARCH法学部の難易度はどのくらい?

MARCHの法学部の偏差値は大学ごとに多少のばらつきがあります。偏差値が高い順に並べるなら、中央>明治>青山・法政>立教という順番です。

以下では各大学のボーダー偏差値を具体的に紹介します。なお、偏差値に幅があるのは、同じ大学でも学科や入試方式によって難易度が異なるからです。

大学名 偏差値(平均)
法政大学 60.0~62.5
立教大学 60.0
青山学院大学 62.5〜65.0
明治大学 60.0〜62.5
中央 57.5〜65.0

出典:Kei-Net大学検索システム

※偏差値は執筆当時のものになりますので、最新情報は河合塾の公式サイトをご覧ください。

上記より、どの大学も偏差値60を超えていることから、MARCHの法学部に通っている生徒は、一般的に見て高学歴であると言えるでしょう。

ちなみに偏差値を考えると、中央大学や明治大学はやや難易度が高いと言えます。よって「MARCHの法学部」ということにこだわるなら、立教・法政・青山を狙うのが良いでしょう。

早慶の法学部よりも難易度は低い

早稲田大学法学部の偏差値は71、慶應義塾大学法学部の偏差値は72であり、どちらもMARCHの法学部よりも偏差値が高いです。

よって偏差値という観点では、早慶の法学部よりもMARCHの法学部の方が難易度が低く、受かりやすいと言えるでしょう。

日東駒専になるとかなりレベルが落ちる

有名大学という基準で大学を選ぶなら、MARCH以外に日東駒専を検討する方もいるでしょうが、MARCH法学部と日東駒専法学では偏差値にかなりの差があります

東進の大学入試偏差値ランキングを参考に、MARCH法学部と日東駒専法学部の全学科の平均偏差値を求めたところ、MARCH法学部は65.9なのに対し、日東駒専法学部は57.7でした。

よって同じ有名大学でも、偏差値という観点では両者には大きなレベル差が認められるので、できればMARCH法学部を目指すべきです。

MARCH法学部の倍率を比較

以下では2020年度の一般入試におけるMARCH法学部の倍率を紹介します。

大学名 倍率
法政大学 5.0
立教大学 3.4
青山学院大学 5.5
明治大学 3.1
中央大学 3.2

上記より、倍率という観点では法政大学や青山学院大学の難易度が高いと言えるでしょう。

しかし、倍率は受験者数に応じて変動する指標であり、偏差値のように受験者の性質を内包しているわけでないので、難易度を表す指標としては信憑性が低いと言えます。

例えば、自分よりレベルが低い受験者がいくら増えたところで自分の合否には全く影響がありませんが、倍率はどこまでも上がっていくのです。

よって、倍率だけを参考に志望大学を選ぶというのはあまりおすすめしません

法政大学には様々な試験方式が存在

法政大学法学部には、T日程方式や英語外部試験方式、個別日程、大学入試センター利用など様々な受験方式があります

受験の機会が多いため、その分合格できるチャンスも多いと言えるでしょう。それぞれでしっかりと対策をできるのであれば、複数の方式で受験するというのもおすすめです。

トライする回数を増やせば、それだけ合格できる確率も高まるため、その意味では合格のハードルも低めと言えます。

なお、T日程方式は国語と数学のどちらかと英語の2科目で受験することができるので、社会や理科が不安な方はぜひ受験すると良いでしょう。科目数が少ない分、対策もしやすいのでおすすめです。

立教大学の試験問題は易しめ

立教大学法学部の入試問題では、教科書レベルの基本的な問題を中心に出題がなされます。また記述問題はあるものの、マークシートが中心です。

さらに英語は問題形式が固定的なので、かなり対策がしやすいと言えるでしょう。

よって基礎を固めてから過去問演習を行えば、合格できるレベルに持っていくことは比較的容易であるため、こちらは難易度は低めと言えるでしょう。

青山学院大学のB方式もおすすめ

青山学院大学法学部の入試はA方式とB方式がありますが、試験日程が異なるため、両方を受験することができます。よって合格できる確率を高めるためにも、両方受験するのがおすすめです。

また青山学院大学の受験生は、早慶との併願を考えていることも多いでしょうが、B方式なら例年早慶と日程が被りません

例えば、2020年の場合、青山の法学部B方式は2月21日の実施でしたが、早稲田大学法学部の試験日は2月15日でした。

明治大学・中央大学は入りにくい?

偏差値という点では、明治大学・中央大学法学部のレベルは高いので、MARCHの中では合格するのが難しいと言えます。

また明治大学法学部は早稲田大学法学部との併願が多いので、受験者もハイレベルです。

しかし、明治大学と中央大学の法学部は、公務員の就職に強く、全体の就職率も高いという特徴があります。よって難易度が高い分、合格のメリットも大きいと言えるでしょう。

試験日程から穴場を探すのも良い

MARCH法学部は、早慶法学部などの志望者が滑り止めとして受験することも多いです。そのため、滑り止めの受験者が多い試験日程では、受験者のレベルがかなり高いと言えます。

よって合格できる確率を上げたいなら、早慶と同一の試験日やその一日前などを狙うというのも良いでしょう。

ちなみに2020年度のMARCH及び早慶の試験日程は以下の通りです。

日程(2020年) 大学
2月5日 明治大学・法政大学T日程
2月6日 立教大学
2月7日 青山学院大学
2月8日 法政大学A方式(国際政治学科)・立教大学個別
2月9日 中央大学統一入試
2月12日 中央大学一般入試
2月14日 明治大学
2月15日 早稲田大学法学部
2月16日 慶應義塾大学法学部・法政大学A方式(法律学科・政治学科)
2月18日 青山学院大学B方式
2月20日 早稲田大学政経学部
2月21日 青山学院大学C方式
2月22日 早稲田大学社会科学部

上記の日程なら、2月14日の明治大学や2月16日の法政大学A方式、2月21日の青山学院大学C方式などが狙い目だと言えます。

逆に早稲田大学法学部の志望者などであれば、滑り止めには2月18日の青山学院大学B方式などを選ぶと良いでしょう。

また2月1週目のMARCH法学部時のいずれかを受験して、入試本番の緊張感に慣れておくというのもおすすめです。

早稲田大学法学部の難易度や対策に関して知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

MARCH法学部の選び方を紹介

パソコンを見る少女

ここからはMARCH法学部の中から大学を選ぶ際の判断基準について紹介します。

立地や設備も大切

立地や設備も大学を選ぶ際に注目するべき重要な要素です。家から遠すぎないかや学部の図書館などが充実しているかなどを詳しく確認しておきましょう。

特に大学1年生のうちは、出席が必須の授業があることが多いので、家から大学までが遠いと早起きをする必要があるなど色々と大変です。

また図書館などの設備が充実していた方が学習には便利ですし、モチベーションも上がるでしょう。

自分にあったカリキュラムの大学を選ぼう

カリキュラムの内容も十分に点検しておくべきです。4年間通うことになるわけなので、自分に合ったカリキュラムの大学を選ぶのが良いでしょう。

具体的にはゼミや卒論は必須なのか、必修科目や出席が必要な授業は多いのかなどを調べておくべきです。

なお、どういったカリキュラムが良いのかは、自分がどんな学生生活を送りたいと考えているのかによって変わってきます。

3年次卒業制度は就活に有利?

立教大学や法政大学をはじめとするMARCH法学部では、3年生修了までに全ての単位を取り終えることができる「3年次卒業制度」を設けているところが多いです。

この制度があれば、4年生時には就職活動に没頭することができます。また法曹志望の場合は、1年早く大学院に進学することができるので、学費と時間を節約可能です。

さらにMARCH法学部は卒論が必須でないことが多いので、早めに単位を取り終わっていれば、他大学の学生が卒論執筆に追われている時に、就活や思い出づくりができます。

就職先・進学率も参考にしよう

大学を選ぶ際は、大学を卒業した後のこともしっかり考えておきましょう。卒業生の就職先のラインナップを見たり、大学院への進学率を確認しておくべきです。

もし就職したい企業や業界が既に決まっているのであれば、それらに就職した卒業生が多い大学を選ぶことをおすすめします。

また法曹になりたい場合は、ロースクールへの進学率が高い中央大学を選ぶのが良いでしょう。

法学部=法科大学院は違う

法学部の学生の多くが法科大学院(ロースクール)に進学すると思っている方もいるでしょうが、実際はそうではありません。

確かに法科大学院に進学する卒業生も一定数いますが、卒業の進路全体を見ると進学はむしろ少数派です。

また法学部の卒業生は、裁判官・検察官を含めた国家公務員になるものだというイメージをお持ちの方もいるはずですが、公務員になる卒業生はそれほど多くありません

例えば、2019年の立教大学法学部における卒業生の進路を見ると、公務員になった者は全体の1割程度で、8割以上は一般企業などへの就職を選んでいます

よって法科大学院への進学を考えていたり、公務員志望でなくても、法学部に進学して良いということです。

学費はあまり変わらない

学費の関してはいずれの大学を選んでもあまり変わりません。ちなみに2020年度のMARCH法学部の学費は以下の通りです。

大学名 学費(2020年度・1年次)
法政大学 1,314,600円
立教大学 1,121,000円
青山学院大学 1,353,000円
明治大学 1,303,300円
中央大学 1,297,300円

なお、上記の学費は年度などによって変動する可能性があるので注意してください。

奨学金を使って学費を安くしよう

MARCH法学部に進学したいが、経済的に厳しいという場合は、奨学金を利用するのが良いでしょう。

各大学のHPには奨学金の情報が掲載されているので、費用面が気になる人は一度調べてみてください。

なお、奨学金制度には入試の成績によって授業料の一部または全部が免除されるというようなものもあれば、家庭の経済状況によって減免が受けられるというものもあります

司法試験の合格率は?

法曹志望の方は司法試験の合格率に注目するというのも良いでしょう。以下では令和元年度におけるMARCHの司法試験合格率を紹介します。

大学名 司法試験合格率
法政大学 11.48%
立教大学 12.07%
青山学院大学 12.12%
明治大学 16.05%
中央大学 28.39%

上記より、MARCHの中では中央大学の司法試験合格率が際立って高いので、司法試験の受かりやすさという観点では中央大学がおすすめです。

法科大学院がある大学はどこ?

MARCHにはそれぞれ法科大学院がありますが、立教大学と青山学院大学に関しては2018年度より法科大学院の学生募集を停止しています。

よって法科大学院がある大学を希望するのであれば、法政大学・中央大学・明治大学がおすすめです。

ただし、立教や青山に入学した場合でも、他大学の法科大学院に進学することはできます。

予備試験の合格率も要チェック

法曹になりたいなら司法試験に合格する必要がありますが、司法試験の受験資格を得るには2通りの方法があります。

一方は法科大学院の卒業で、他方は司法試験予備試験の合格です。予備試験は合格率4%前後の国内最難関の国家試験ですが、予備試験に合格すれば学部生のうちから司法試験に挑戦することもできます

またロースクール卒業生の司法試験合格率よりも、予備試験合格者の司法試験合格率の方がかなり高いというデータもあるため、予備試験への挑戦は大いに有意義です。

以下では令和元年司法試験予備試験に関するMARCHの受験情報を紹介します。

大学 受験者 合格者 合格率
法政大学 141人 2人 1.4%
立教大学 81人 4人 4.9%
青山学院大学 93人 1人 1.1%
明治大学 307人 5人 1.6%
中央大学 937人 39人 4.2%

上記より、中央大学は司法試験予備試験にも強いということがわかります。

MARCH法学部に合格するためのスケジュールの立て方

成功の看板

志望するMARCH法学部が決まったら、次はそこに合格するための学習スケジュールを立てましょう。

試験日程に注意しよう

複数の大学・学部を受験する場合は、試験日程に注意するべきです。日程が被ったり、過密になることは避け、第一志望に万全の状態で望めるような受験スケジュールにするのが良いでしょう。

ちなみに連日の受験だと集中力が続かない場合があるので、あまりおすすめはしません。先に第一志望を持ってくるならまだ良いですが、後に第一志望が来るような連日受験のスケジュールは避けましょう。

コツコツ勉強すれば試験直前に焦らない

MARCH法学部は比較的難易度が高く、日本の大学全体で見るなら「難関大学」という位置付けになるので、早いうちからコツコツ勉強を重ねていくのがおすすめです。

試験勉強が充実していればしているほど、試験直前も焦りも少なくなるので、合格できる確率も高まるでしょう。

一発勝負の大学受験ではメンタル面も合否を左右する大事な要素なので、早め早めの手堅い対策で精神的なコンディションを整えておくべきです。

試験対策はしっかり行おう

第一志望の大学・学部に受かるために最も大切なことは、合格できるだけの実力をつけるための試験対策を十分に行うことです。

具体的な対策法ですが、過去問演習と苦手分野克服のための勉強を並行して行うのが良いでしょう。

また各試験科目を一つずつ完璧にしていくのではなく、各科目で合格者の平均点を取れるような対策をするべきです。

MARCH法学部の試験では、専門的な知識も要求されるため、満点を目指すには相当の労力が必要で、一つ一つ完璧を目指していたら試験対策が間に合わない可能性があります。

一方で合格者の平均点であれば、それなりの対策をすれば取れるようにある可能性が高いですし、各科目で合格者の平均点を取得できれば合格はほぼ確実です。

なお、合格点や配点などに関しては、各大学の公式サイトに掲載されているので、志望校が決まったら確認してみましょう。

独学でつまずきそうになったら通信教育や予備校もおすすめ

独学でのMARCH入試の対策が厳しいと感じられている方は、通信教育や予備校の活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか?

予備校や通信教育の中には、MARCHも対象となる難関私立大対策コースが含まれているパターンも多く、MARCH入試の傾向を踏まえた対策を行うことができます

以下の記事では、通信教育・予備校各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。

MARCH法学部は入りやすいのかまとめ

MARCH法学部は入りやすいのかまとめ

  • 法政・立教・青山が狙い目
  • 中央大学は司法試験に強い
  • 法科大学院があるのは法政・中央・明治

MARCH法学部は入りやすいのかについて解説しました。

中央大学と明治大学は偏差値が高いので難しいですが、法政・立教・青山は比較的入りやすいと言えます。

特に試験方式のバリエーションが豊富な法政大学や、偏差値が比較的低く、試験問題が易しい立教大学がおすすめです。

ただし、MARCHは日本全体で見ると「難関大学」という位置付けなので、それらの学部を受験する場合でも、入念な試験対策をした上で入試に臨むのが良いでしょう。

以上を参考に、MARCH法学部を受験するかどうかを検討してみましょう。