基礎英文解釈の技術100のレベルは高い?現役東大生が対応偏差値から使い方まで解説!

「『基礎英文解釈の技術100』のレベルは高い?」

「偏差値でいうとどのくらい?おすすめの使い方は?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

「基礎英文解釈の技術100」は、入試基礎から難関大レベルの英文を読解するための100のテクニックが学べる参考書です。

英文解釈の参考書としては標準的なレベルであり、中級者向けと言えるでしょう。

今回は「基礎英文解釈の技術100」のレベルが気になるという方に向けて、現役東大生である筆者が対応偏差値や使い方などを解説します。

これを読んで、ご自身に合ったテキストを選ぶ上での参考にしてください。

基礎英文解釈の技術100のレベルについてざっくり説明すると

  • 難関大志望の受験生が基礎を固めるのにおすすめ
  • 偏差値は60程度と言える
  • 共通テストで6割程度取れるようになってから使うのが良い

基礎英文解釈の技術100のレベルは高い?

疑問を持つ女

受験生が英文解釈の基本スキルを学ぶ上で重宝されている人気参考書の「基礎英文解釈の技術100」ですが、そのレベルや使い方がいまいちわからないという方も多いでしょう。

よってまずは「基礎英文解釈の技術100」のレベル・難易度から明らかにしていきます。

基礎英文解釈の技術100の基本データ

基礎英文解釈の技術100 (大学受験スーパーゼミ徹底攻略)
1485円
基礎英文解釈の技術100 (大学受験スーパーゼミ徹底攻略)
1485円

「基礎英文解釈の技術100」は、入試レベルの英文をスムーズに読み解くために必須のテクニックを100個学べるという参考書です。

なお、本書は「英文解釈の技術」シリーズの1冊であり、難易度順ならこの本の前後に「入門英文解釈の技術70」と「英文解釈の技術100」があります。

よって同シリーズ3冊を難易度順に全てこなせば、基礎レベルから入試応用レベルまで一貫して英文解釈のテクニックを学ぶことが可能です。

以下では「基礎英文解釈の技術100」の基本情報を紹介します。

項目 内容
題名 基礎英文解釈の技術100
著者 桑原信淑
出版社 ピアソン桐原
価格(税込) 1,485円
ページ数 228ページ

基礎英文解釈の技術100は偏差値60レベル

「基礎英文解釈の技術100」は、ある程度英文解釈の基礎が身についた難関大志望の受験生が、実践的かつ応用的な問題集へ移行する際の基礎固めとして利用するケースが多いです。

またMARCHや中堅国公立の二次試験なら、そうした問題集へ移行することなく、「基礎英文解釈の技術100」でも十分対応できます

さらにこの参考書には長文を読解するためのテクニックが詳しく載っているため、難関大を目指していなくても、一定レベルの単語と文法の知識があるならかなりためになるでしょう。

長文読解がいまいちうまくいかないという人は、これを使うことで読解力が劇的に向上することもあるはずです。

この参考書が対象とするのは概ね以上のような生徒なので、偏差値としては60程度といったところでしょう。

基礎英文解釈の技術100は共通テスト(旧:センター試験)6割

「基礎英文解釈の技術100」を用いるなら、少なくとも共通テスト(旧センター試験)で6割程度取れる実力があった方が良いでしょう。

そのくらいのレベルなら、この参考書を一通りこなせば共通テストで8割以上が取れるくらいの水準にはなるはずです。

一方で共通テストで6割未満、もしくはすでに8割以上であるという場合は、他の参考書を検討するのが良いでしょう。

基礎英文解釈の技術100の良い点・悪い点

指差す少年

ここからは「基礎英文解釈の技術100」を使うことのメリット・デメリットについて解説します。

基礎英文解釈の技術100のメリット

「基礎英文解釈の技術100」を使うことのメリットとしては、主に以下の2つが挙げられます。

英文の構造がわかりやすい

この参考書では入試に頻出の複雑な英文構造に関する立体的な図解が掲載されているため、英文がどのように組み立てられているかを視覚的に理解することができます。

また英文を和文に翻訳する際の論理・プロセスも詳しく説明されているため、和訳における考えた方を学びたいという方にもおすすめです。

CDがついていてディクテーションに役立つ

この参考書には例文の音声を収録したCDが付属しているため、それを用いてディクテーションやシャドーイング、発音のチェックなどをすることができます。

読解力に加え、聞き取る力や発音のスキルを向上させることができるので、共通テストのリスニング対策としても良いでしょう。

基礎英文解釈の技術100のデメリット

一方で「基礎英文解釈の技術100」には以下のようなデメリットもあります。

問題数が多すぎる

この参考書には例題100題と演習題100題の計200題が収録されているので、ボリュームは満点と言えるでしょう。

もちろんそれらに対応する解説の量も膨大なので、一つひとつを丁寧にこなすあまり、途方もない量を前に挫折してしまう生徒も多いです。

文法・単語の基礎知識が要求される

この参考書は単語や文法の基礎がある程度できているという前提で作成されているため、それらが身についていないと時間がかかるばかりで十分な学習効果は得られないでしょう。

よって単語ならターゲット1400レベル、文法ならNext StageやVintageレベルの知識を習得してから臨むのがおすすめです。

基礎英文解釈の技術100の使い方

本を読む少年

ここからは「基礎英文解釈の技術100」の使い方について解説します。

文法と単語は一通り終わらせておく

上記で解説した通り、この参考書から十分な学習効果を期待するには、一定程度の語彙力及び文法知識が必要です。それらがないといくら問題演習を頑張っても徒労に終わってしまう可能性があります。

よってまずは単語ならターゲット1400、文法ならNext StageやVintageなどを用いて、語彙力と文法知識の基礎をしっかり固めるのが良いでしょう。

例題はしっかりと読む

短期間で長文読解のテクニックを習得したいというなら演習題だけを解くのも良いですが、基本的には例題からじっくりと取り組むのがおすすめです。

まずは例題をしっかりとこなしてどのようなポイントが重要なのかを理解した上で、演習題で実践的な練習を積んでテクニックを体得していくというのが理想的な流れと言えるでしょう。

わからない単語は調べる

例題・演習題にかかわらず、問題を解く中でわからない単語を発見した時は、必ず辞書や単語帳で意味を確認し、ノートにまとめるなり、単語帳に印をつけるなりしてメモしておくのが良いでしょう。

また知らなかった熟語表現や構文に関しても、参考書などで調べた上でノートにまとめておくのがおすすめです。

なお、メモした内容はその日の就寝前などに復習して、翌日以降の演習ではきちんと使えるようにしておきましょう。

文法構造を解析する

訳出する際は文法構造を解析し、SVOCなどの文型を自分の中で確定させてから訳すことを心がけましょう。

和訳をプロセスを明確にした上で解かないと、模範解答や解説を見て「自分の解釈はどこで間違ったのか」「どこに気付けば正解できたのか」などをはっきりさせることができないので、十分な学習効果が得られません。

よって少なくとも練習の段階では、プロセスを意識しながら論理的に解答するのが良いでしょう。

2ヶ月開けてもう1周する

一通り解き終わったらそれで満足してしまうという人も多いですが、参考書を1周したくらいでは英文解釈のスキルは十分に身につきません。よって必ずもう1周するのが良いでしょう。

ただし、すぐに2周目に取り組むと長文の内容などを覚えていて十分な学習効果を得られないので、2ヶ月以上は空けて取り組むのがおすすめです。

リスニングと音読を心がける

「基礎英文解釈の技術100」には音声CDがついているので、問題を解いたらその英文のシャドーイングをするのが良いでしょう。

シャドーイングは音声の跡を追うように真似して発声する練習のことですが、これをすることによって英語を英語のまま理解する感覚が身につきます。

リーディングの場合は速読力の向上に繋がるでしょう。また目からだけでなく、耳からも覚えることで、構文などの理解も深まるはずです。

ネイティブの発音やリズムに耳を慣らすことは共通テストのリスニング対策にもなるので有意義な練習だと言えるでしょう。

共通テスト英語に関する情報や、リーディング・リスニングのコツについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

基礎英文解釈の技術100の前後で取り組みたい参考書

成功の看板

ここからは「基礎英文解釈の技術100」の前後で取り組むべきおすすめの参考書をいくつか紹介します。

なお、各見出しの最後にはそれぞれの基本情報を記載しています。

やっておきたい英語長文300

やっておきたい英語長文300 (河合塾SERIES)
1005円
やっておきたい英語長文300 (河合塾SERIES)
1005円

河合塾から出ている「やっておきたい英語長文」のシリーズの中で最も簡単な一冊です。他には500や700、1000というバリエーションがあります。

200〜400語程度の基礎〜標準レベルの読解問題が30題収録されており、読解の基礎と必須項目を学ぶことができるので、「基礎英文解釈の技術100」の前に取り組むと良いでしょう。

項目 内容
題名 やっておきたい英語長文300
著者 杉山俊一 他
出版社 河合出版
価格(税込) 1,005円
ページ数 151ページ
特徴 「やや易しめ〜標準」レベルの長文問題(200〜400語)30題で読解の必須事項を基礎から学べる
使用感 大学入試に向けて長文読解の練習を始める高校生にはちょうど良いレベル

英文読解入門基本はここだ!

英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版
935円
英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版
935円

中学や高校の教科書レベル短文を使って、英文読解の基本ルールを順番に学べる入門レベルの参考書です。例文はどれも簡単なので、英語が苦手な人でもとっつきやすいと言えるでしょう。

本書の著者は後述する「ポレポレ」と同じなので、これを読んでからポレポレに進むのもおすすめです。

ポレポレでは長文読解の基本プロセスを運用することに重点が置かれているのに対し、この参考書では基本プロセスの理解が大切にされています。

項目 内容
題名 英文読解入門基本はここだ!
著者 西きょうじ
出版社 代々木ライブラリー
価格(税込) 935円
ページ数 165ページ
特徴 教科書レベルの簡単な短文で長文読解の基本ルールを学べる
使用感 受験勉強の導入としては良い

基礎英文問題精講

基礎英文問題精講 3訂版
1045円
基礎英文問題精講 3訂版
1045円

基礎英文問題精講は、受験に頻出のテーマを扱った長文問題を硬・軟合わせて豊富に収録した参考書です。レベルは「基礎英文解釈の技術100」と同程度と言えるでしょう。

こちらはどちらかというと文法や構文に力点をおいた作りになっているため、文法や構文に関する確かな知識をベースに長文読解問題を攻略したいという方におすすめです。

逆にもっと英文解釈自体にフォーカスした参考書が良いという場合は「基礎英文解釈の技術100」を使うと良いでしょう。

項目 内容
題名 基礎英文問題精講
著者 中原道喜
出版社 旺文社
価格(税込) 1,045円
ページ数 272ページ
特徴 短い英文で文法や構文の基礎を固めた上で大学受験レベルの応用問題に取り組める
使用感 何度の繰り返せば問題を多角的に見ることができるようになる

ポレポレ英文読解プロセス50

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式
833円
ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式
833円

英文読解をする上での「なぜそうなるか」「どうしたらわかったか」などのプロセス面に焦点を当てた参考書です。

難易度は「基礎英文解釈の技術100」よりも少し難しく、後述の「英文読解の透視図」よりは簡単というレベルなので、3冊を順番にこなすのが良いでしょう。

ちなみにタイトルの「ポレポレ」とはスワヒリ語で「ゆっくり」という意味であり、腰を据えて英文読解のプロセスをじっくり学びたいという方におすすめです。

項目 内容
題名 ポレポレ英文読解プロセス50
著者 西きょうじ
出版社 代々木ライブラリー
価格(税込) 833円
ページ数 129ページ
特徴 「なぜそうなるか」に着目して長文読解に必須の基本プロセスを習得する
使用感 構造を的確に把握できるようになるので素早く正確に英文を読みたいという方におすすめ

英文読解の透視図

英文読解の透視図
1540円
英文読解の透視図
1540円

英文の構造をきちんと把握し、文を複雑化している原因を見極める方法を丁寧に解説したハイレベルな参考書です。これを一冊マスターすれば、下線部和訳問題において最強になることができます

長文読解に関しては東大よりも難しいとされている京大の受験者などにおすすめです。

ちなみにこの本が出版されたのは1994年なので、収録されているのは20年以上前の英文及び問題です。

英語の長文読解問題に関しては最近よりも昔の方が難しかったため、結果として非常にハイレベルな参考書になっています。

よってこの参考書のレベルに慣れておけば、入試本番には余裕を持って臨むことができるでしょう。

項目 内容
題名 英文読解の透視図
著者 篠田重晃
出版社 研究社
価格(税込) 1,540円
ページ数 236ページ
特徴 文構造を把握して文を複雑化している要素を見極めるという英文を正確に読むための必須技術を学べる
使用感 日本語がこなれており文法解説もポイントも厳選されているので読みやすい

「英文解釈の技術」シリーズで揃えても良い

序盤で解説した通り、「基礎英文解釈の技術100」の前後には、「入門英文解釈の技術70」と「英文解釈の技術100」の2冊があります。

よって「英文解釈の技術」シリーズ3冊で英文解釈の力を完成されるというのも良いでしょう。同じシリーズで揃えることで一貫した学習ができ、スムーズがレベルアップが目指せるはずです。

なお、同シリーズの70や100といった数字は、収録されているテクニック及び演習問題の数を意味します。よって同シリーズを3冊ともこなせば、十分な問題演習を通して全部270のテクニックが学べるということです。

それだけのテクニックをきちんと体得すれば、かなり読解力は向上するでしょう。

以下では他の2冊の特徴をそれぞれ紹介します。

入門英文解釈の技術70

入門英文解釈の技術70 (大学受験スーパーゼミ徹底攻略)
1430円
入門英文解釈の技術70 (大学受験スーパーゼミ徹底攻略)
1430円

英文の構造を把握する基本的なテクニックを70個学ぶことができる英文解釈の入門書です。要点を復習できる演習問題70題と詳細な解説もついているため、基礎を効率的・効果的に固めることができるでしょう。

ちなみに公式情報だと本書の難易度は、高校基礎から中堅大・センターレベルです。

項目 内容
題名 入門英文解釈の技術70
著者 桑原信淑
出版社 桐原書店
価格(税込) 1,430円
ページ数 197ページ
特徴 構文図解も交えて英文の構造を把握する上で基本となる70のテクニックを習得
使用感 基礎的な内容ながらその考え方は二次試験まで役に立つ

英文解釈の技術100

英文解釈の技術100 (大学受験スーパーゼミ徹底攻略)
1485円
英文解釈の技術100 (大学受験スーパーゼミ徹底攻略)
1485円

いかに複雑な構造を持つ英文であっても読解できるだけの100のテクニックが習得できる上級者向けの参考書です。

文の構造を把握する方法から和訳を組み立てるコツまで学べるため、これ1冊を仕上げれば初見の難しい長文読解問題にも対応できるようになるでしょう。

難関大・最難関大レベルなので難易度はかなり高いですが、立体的な図解などのサポートもあるため、ある程度の基礎が身についていれば挑戦することができます。

項目 内容
題名 英文解釈の技術100
著者 杉野隆・桑原信淑
出版社 ピアソン桐原
価格(税込) 1,485円
ページ数 230ページ
特徴 複雑な構造を持つ初見の英文も問題なく読解できるようになるための100のテクニックを習得
使用感 難しい構文を一通り学ぶことができる・「ポレポレ」よりも難しい

基礎英文解釈の技術100のレベルまとめ

基礎英文解釈の技術100のレベルまとめ

  • 単語と文法の基礎を固めたから利用するべき
  • 例題からしっかり取り組むべき
  • 2ヶ月空けてからもう1周するのがおすすめ

基礎英文解釈の技術100のレベルについて解説しました。

この参考書は難関大学を目指す受験生が二次試験レベルの応用学習に移行する前の基礎固めとして用いる教材です。

偏差値で言うなら60程度なので、使いこなすには少なくとも共通テストで6割を取れるくらいの英語力が必要になります。よって単語と文法の基礎をしっかり固めた上で使うのが良いでしょう。

また1回では本書のテクニックを十分に体得することはできないので、2ヶ月以上空けてからもう1周するのがおすすめです。

以上を参考に、ご自身のレベルや目的に合っている場合はぜひ使ってみてください。