早稲田大学法学部は簡単って本当?難易度やレベルと国語・英語の勉強法まで解説!

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「早稲田大学法学部は簡単って本当?」

「実際の難易度・レベルは?おすすめの勉強法はある?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

結論から言うと、早稲田大学法学部は決して簡単ではありません。東大・京大との併願も多いので、特に早稲田を第一志望にする者にとっては難しいと言えるでしょう。

ただし、早稲田政経や商学部と比べると、入るのは幾分か簡単です。

今回は早稲田大学法学部の難易度について、実際のレベルや合格するための勉強法などを解説します。

これを読んで、志望大学・学部を決める上での参考にしてください。

早稲田大学法学部の難易度についてざっくり説明すると

  • 法学部は偏差値71は早稲田文系で3位
  • 合格者には東大落ちが多い
  • 入試問題は早稲田随一の難しさ

早稲田大学法学部の難易度はどれくらい?

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早稲田大学法学部は「私学の雄」と称される早稲田大学の中で随一の伝統を誇る由緒正しきトップ学部ですが、その難易度はどのくらいなのでしょうか。

早稲田大学の偏差値は71

東進の偏差値ランキングによると、早稲田大学法学部の偏差値は71です。偏差値70を超えると受験者の中では上位5%に入ると言われているので、かなりの難易度であると言えるでしょう。

センター利用は例年91〜92%程度はないと合格できないというレベルであり、この点からも相当難しいと言えます。

多くの早稲田志望の学生が例年チャレンジとして法学部を受験しますが、倍率が高いので惨敗することも珍しくありません。

早稲商や早稲田政経と比べると

上述のランキングによると、早稲田大学商学部や政治経済学部の偏差値は72となっているので、法学部よりも少し難しいと言えるでしょう。

商学部に関しては試験の難易度自体は法学部よりも簡単であるという見方もありますが、倍率が高いので合格するのは難しいです。「簡単だがミスができない」という難しさがあります。

ちなみに早稲田大学の文系学部の偏差値一覧は以下の通りです。

順位 学部 偏差値
1 政治経済学部 72
1 商学部 72
3 国際教養学部 71
3 文化構想学部 71
3 文学部 71
3 社会学部 71
3 法学部 71
8 人間科学部 70
8 教育学部 70
10 スポーツ科学部 68

※出典:東進の大学入試偏差値ランキング

上記より、偏差値で見ると法学部は早稲田の文系学部の中で三番目に難しいということがわかります。

合格者の多くは東大落ち

早稲田大学法学部は早稲田志望者にとってはチャレンジの学部ですが、東大や京大、一橋志望の学生からは滑り止めとして認識されています。

実際、早稲田大学法学部の合格者には、早稲田を第一志望としていた者よりも、東大や京大に落ちて早稲田を選んだという者の方が多いです。

そのため、端から早稲田大学法学部を目指す者にとっては、競争相手のレベルが高いため、合格はより難しいと言えるでしょう。

入試のレベルは早稲田で一番難しい

入試問題のレベル自体は、法学部が早稲田大学の中で一番難しいとされています。特に英語の難易度は高く、1,000語以上の超長文問題は全法学部の中でもトップレベルの鬼門です。

なお、早稲田の法学部では英語の配点が4割程度を占めているため、その鬼門を含めた英語試験を攻略できるかどうかで合否が決まると言っても過言ではありません。

早稲田大学法学部以外の学部の情報や合格のための勉強法などに関して気になる方は、以下の記事を参考にしてください。

早稲田大学法学部の試験形式と配点・合格点

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ここからは早稲田大学法学部の試験形式と配点、合格点について解説します。

科目は国語と英語・地歴政数

早稲田大学法学部の一般入試における科目(配点)は、英語(60点)・国語(50点)・地歴・公民または数学(40点)です。英語の重要性が非常に高い試験と言えるでしょう。

なお、地歴政数学に関しては日本史B・世界史B・政治経済・数学の中から1つを選択します。

※数学はセンター試験の数学IA・IIBの合計(200点満点)を40点満点に換算

以下では2018〜2020年度入試における各科目の平均点をそれぞれ紹介します。

英語 国語 日本史 世界史 政治経済 数学
2018年 33.338点 27.427点 23.679点 24.331点 26.286点 161.149点
2019年 30.474点 23.938点 26.717点 26.183点 23.160点 160.573点
2020年 27.736点 26.248点 24.023点 26.212点 23.979点 144.813点

合格ラインは60%

2015〜2020年度の早稲田大法学部入試における合格最低点及び得点率は以下の通りです。

年度 満点 最低点 得点率
2015年 150点 88.995点 59.3%
2016年 150点 88.995点 59.3%
2017年 150点 88.995点 59.3%
2018年 150点 91.745点 61.2%
2019年 150点 92.745点 61.8%
2020年 150点 90.295点 60.2%

上記より、合格ラインは例年60%前後であるということがわかります。

受験者数は4000人超え

2015〜2020年度の早稲田大法学部入試における受験者数・合格者数及び倍率は以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 倍率
2015年 4,162人 963人 4.3
2016年 3,908人 870人 4.5
2017年 3,895人 825人 4.7
2018年 4,625人 755人 6.1
2019年 4,626人 721人 6.4
2020年 4,058人 786人 5.2

上記より、法学部には4,000人以上が受験することも珍しくないということがわかります。

センター利用のボーターは91%以上

2018〜2020年度の早稲田大法学部センター利用入試の倍率やボーダー得点率などは以下の通りです。

年度 志願者数 合格者数 倍率 ボーダー得点率
2018年度 1,819人 448人 4.1 91%
2019年度 2,364人 489人 4.8 92%
2020年度 1,905人 466人 4.1 91%

上記より、早稲田法学部のセンター試験のボーダー得点率は91%以上であることがわかります。

早稲田政経と商学部の倍率もチェック

参考までに、先ほど比較した早稲田政経と商学部の倍率(一般入試)も確認しておきましょう。

  • 政治経済学部(政治学科)
年度 受験者数 合格者数 倍率
2015年 1,917人 367人 5.2
2016年 1,902人 347人 5.5
2017年 2,037人 288人 7.1
2018年 1,674人 247人 6.8
2019年 1,489人 245人 6.1
2020年 1,354人 209人 6.5
  • 商学部
年度 受験者数 合格者数 倍率
2015年 11,494人 1,514人 7.6
2016年 12,474人 1,325人 9.4
2017年 12,993人 1,190人 10.9
2018年 12,955人 1,028人 12.6
2019年 11,793人 1,042人 11.3
2020年 10,261人 1,154人 8.9

上記より、政治経済学部と商学部の方が法学部よりも倍率が高いことがわかります。特に商学部は倍率が10を超えることも珍しくないので、入るのは難しいと言えるでしょう。

早稲田大学法学部に合格するための勉強法

勉強する少女

ここからは早稲田大学法学部に合格するための勉強法について解説します。

国語の勉強法

法学部の国語は早稲田の国語で最も難しいとされています。抽象的で高度な論説文が出題されるため、文章の全体像を素早く的確に把握する練習を十分に積んだ上で臨むのが良いでしょう。

具体的には段落ごとの文意を大まかに要約したり、結論となる文章の前後をより重視する緩急のある読み方の練習をするのがおすすめです。

なお、法学部の国語では、下線部付近や結論部分だけを読んで対応できるような問題はまず出題されないため、各段落の論旨を追いながら文全体に通底する主張を的確に捉えなければなりません。

また記述問題も出題されるため、文章に関する深い理解を自分なりにまとめる力も必要です。

英語の勉強法

先述した通り、読解問題で出題される英文はとにかく長いので、高得点を取るには速読力が必要です。

よって単語帳を用いて語彙力を高めたり、パラグラフの大意を素早く把握する練習を積むのが良いでしょう。

またひっかけ問題も多いので、アンダーラインを引くなどして文章や設問の意図を正確に把握する力を身に付けることも大切です。

なお、近年東大チックになってきたと言われる英作文は難易度が高く独特なので、特に不得意だと感じる場合は参考書で入念に対策をしておくのが良いでしょう。

さらに総じて時間との戦いという側面もあるため、模擬試験を積極的に受験し、より良い時間配分の作戦を考えておくのがおすすめです。

政経の勉強法

政治経済に関しては、まずは共通テストレベルの対策をしっかりと行い、基礎知識を完璧にするのがおすすめです。具体的には教科書の隅々までに目を通し、登場する語句を網羅的に暗記するのが良いでしょう。

また思考力が問われるような出題に関しては、過去問演習を繰り返し行って解き方を覚え、その実践に慣れておくことが必要です。

日本史の勉強

法学部の日本史では近現代史に偏った出題がなされるため、まずは教科書を読み込んで近現代史の基礎をしっかりマスターするのが良いでしょう。

また史料や早稲田にゆかりのある人物に関する知識もしっかり頭に入れておく必要があります。

さらに時事問題やテーマ(税制・テロリズム・金融・物流など)ごとの出題に関する対策も十分にしておくべきです。

世界史の勉強

法学部の世界史は問題のレベルとしてはそれほど難しくありませんが、問題数が多いので処理スピードが求められます

そのため、過去問演習などを通して素早く問題を解いていく訓練を積んでおくのが良いでしょう。

なお、法学部の世界史では論述問題が課せらることも多いので、短時間で正確に文章をまとめる練習も十分にしておくべきです。

センター数学の勉強法

数学は独自の試験があるわけではなく、センター試験の点数が圧縮して用いられます。

センター数学で高得点を狙うなら、網羅系参考書を用いた問題演習から過去問演習という流れで勉強するのがおすすめです。

まずは青チャートや基礎問題精講などの網羅系参考書を使い、典型的な例題の解法パターンをマスターしましょう。各単元の解き方をしっかり覚えたら、それだけでも十分な高得点(8割以上)が狙えます。

しかし、満点近くを狙うならセンター特有の形式に慣れるということも重要です。よって網羅系問題集の後は過去問を使って繰り返し演習を行いましょう。

なお、過去問演習は実際の試験時間と同じか、もしくはそれより短い時間の中で行い、より良い解答スピードや時間配分の感覚を身に付けておくのがおすすめです。

勉強スケジュール

早稲田大学法学部を目指すなら、夏休み明けまでに各教科の基礎をしっかり固めておくのが良いでしょう。

具体的には英語なら語彙力や文法知識、国語なら共通テストに対応できる程度の最低限の読解力などを身に付けておくべきです。

日本史や世界史、政治経済に関してはスローペースで構いませんが、教科書を読み込んである程度の知識は把握しておきましょう。

そして夏休み明けからは赤本を使って過去問演習をしていくのがおすすめです。また過去問演習と並行して、英作文や国語の記述問題の対策もするのが良いでしょう。

その際は学校や塾の先生などに添削してもらうと効果的にスキルアップができます。

なお、社会に関しては年明けまでに基礎固めを済ませ、そこから論述などの対策を進めていきましょう。

早稲田大学法学部を目指すならZ会

早稲田大学のみならず慶應義塾大学などの早慶入試対策を行う場合には、実績が抜群なZ会の利用がおすすめです。

Z会は毎年早慶をはじめとして難関大への合格者を多数輩出しています。

実際に2020年度試験においては早稲田大学が2,447人、慶應義塾大学は1,770人のZ会利用者が合格しています。

これだけの合格実績が継続して出せているということはやはりZ会の教材が非常にクオリティの高いものであるということでしょう。

そのほかにも、Z会の教材の質に対する満足度も97%であることなどデータからもZ会の教材は信頼に値するものであると言えるでしょう。

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ハイレベルなZ会高校生講座を活用した勉強法について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

早稲田大学法学部の評判や就職先

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早稲田大学法学部はその難易度の高さゆえに入学してからも大変だと言われることもありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

以下では現役早稲田大学生に聞いたキャンパスの雰囲気や授業形態などを解説します。

キャンパスの雰囲気

早稲田大学には早稲田キャンパスをはじめ、所沢・戸山・西早稲田など豊富なキャンパスがありますが、総じて学生を含めて明るい雰囲気のキャンパスが多いです。

所沢キャンパスに関しては、体育学部の生徒が多いので、ラフな服装の人がたくさんいます。

また早稲田の外国人留学生の数は日本トップレベルなので、キャンパスで留学生を見かけることも珍しくなく、グローバルな雰囲気を感じることができるでしょう。

学部内の交流ですが、新入生はたいてい法学部特有のサークル(法律サークル)に入るため、そこで同じ学部の友達を作ることができます。

一方で他学部との交流もサークル活動を通して行うことが可能です。早稲田大学には公認サークルだけでも約550の種類があるため、幅広い交流ができるでしょう。

早稲法の授業や学生生活

早稲田の法学部は文系学部の中でも授業が非常に難しく、単位を取得するのもかなり厳しいというイメージを持たれがちですが、実際はそれほど難しくありません。

確かに授業の難易度は高いですが、試験は比較的簡単です。最低限の法律知識があれば問題なく取得することができるでしょう。

またほとんどの授業は出席点がないため、試験のみで評価が決まります。そのため、授業には出ないという人も多いです。

法曹を目指すのでない限りは、単位取得だけを考えて要領よく勉強してさえいれば良いので、サークルをはじめとする他の活動にも力を入れやすい学部だと言えるでしょう。

試験勉強に関しては先輩のサポートを受けられることも多く、法学部内の情報網をうまく利用すれば問題なく進級・卒業できるはずです。

ゼミや卒論も任意である

法学部のゼミは2年生の秋、もしくは3年生の春から始まりますが、参加は強制ではありません。そのため、ゼミに入らないという学生も例年2割ほどいます

なお、ゼミの雰囲気は様々なので、自分に合ったところをリサーチして選ぶのが良いでしょう。

また卒論が任意であることが多いため、卒論を書かずに卒業する学生もいます。

学年ごとの単位取得の雰囲気

学年ごとの単位取得の雰囲気(難しさなど)は以下の通りです。

学年 単位取得
1回生 大学での勉強や法律という分野に対する不安からしっかりと勉強する人が多い
大体の人が単位を取得できる
2回生 法律の勉強にも慣れてきてサークルや部活をメインに生活する人も多い
サボりがちで単位が危うくなる人も
3・4回生 授業には適度に出て就職活動やサークル活動をメインにする人が多い
要領よく単位を取得する人が多い

早稲法の人気の就職先

法学部生の進路というと、ロースクールに進学、もしくは司法試験予備試験を受験して法曹になるということをイメージする人もいるでしょうが、実際は法曹になる人はそれほど多くありません。

例えば、2016年3月卒業生の場合、早稲田大学法務研究科(法科大学院)に進学したのは48人、その他の法科大学院に進学したのは51人です。

早稲田の法学部の合格者数は例年800人ほどなので、ロースクールから法曹を目指す人は8人に1人いるかいないかという程度だと言えるでしょう。

では法曹にならない人はどうするのかと言うと、早稲田法学部卒生の多くは民間企業に就職していきます。公式サイトの情報を見る限りでは、証券会社や銀行、保険会社などが多いようです。

また民間企業ではなく官公庁に就職する人、つまり官僚や公務員になる人もいますが、最近の傾向としてはこの進路を選ぶ人はあまりいません。

早稲田大学法学部の難易度まとめ

早稲田大学法学部の難易度まとめ

  • 早稲田政経や商学部よりも入学は簡単
  • 入学後の単位取得・卒業は世間的なイメージほど難しくない
  • 対策にはZ会を用いるのがおすすめ

早稲田大学法学部の難易度について解説しました。

法学部の偏差値は71であり、入試問題は早稲田で一番難しいとも言われるため、法学部に入るのは決して簡単ではありません。

早稲田政経や商学部に比べれば簡単ですが、東大・京大の滑り止めとしても利用されるので、競争相手はかなりハイレベルです。

なお、合格するための勉強法ですが、夏休み明けまでに英語・国語の基礎固めを済ませ、それ以降は過去問演習をするというのが良いでしょう。

しかし英語を中心にかなり難易度が高いので、Z会を活用するのもおすすめです。

以上を参考に、早稲田大学法学部を受験するかどうかを検討してみましょう。