中学受験は塾なしで合格できる?自宅学習のスケジュールやおすすめ教材まで紹介!

「塾に行かなくても中学受験成功させることはできるの?」

「塾なしで合格する為に親ができることはあるの?」

このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

首都圏などでは中学受験は特別なものではありません。ですが合格した先輩の体験談として、直前期のヒートアップ具合などを耳にすると、「そんなに塾で頑張り続けることはできない」「落ちこぼれたら立ち直れない」など、中学受験専門の塾に対して、ネガティブなイメージを抱く人もいるのではないでしょうか。

しかし、現在、中学受験の専門塾を利用せずに中学受験をする場合には、必要な情報が得られないなどのデメリットもあります。

この記事では、自力で中学受験に立ち向かおうとしている人に対し、中学受験をする上での注意点や、勉強の進め方について解説しています

まずは中学受験の勉強の仕方や流れをしっかり把握して、中学受験に臨んでくださいね。

塾なしで中学受験に臨む場合の注意点をざっくり説明すると

  • 中学受験は特有の問題も出題されるので、正確な情報収集が不可欠
  • 塾なしで合格しようとするならば、塾のメリット分を保護者がカバーする努力が必要
  • 自宅学習で中学受験を乗り切るのならば、通信教育の利用などもおすすめ

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中学受験は塾なしの自宅学習でも合格できる?

勉強する女性 中学受験は、私立の中高一貫校を受験するのが一般的でしょう。私立ですから公立中よりも授業料や諸経費がかかり、費用の捻出に頭を痛める人も多いかもしれません。

さらに、中学受験の塾は補習目的の学習塾などと比べると、非常に費用がかかることはよく知られています。そのため「小学生の内容なら自分でも教えられる」と安易に考え、自宅学習で中学受験を乗り切ろうとする人も多いのではないでしょうか

結論としては、自宅学習で中学受験に合格する人もいます。ですが、割合としては少数派であり、自力だけで難関中学の入試に立ち向かうのは、かなり難しいと言わざるを得ません。

塾に行かず自宅学習で合格する条件

塾なしでも、中学受験専用の教材などを利用して、家庭学習だけで合格する人もいます。

しかし、そのようにして合格した人たちは、早くから勉強に慣れ親しんでいたり、家族の協力を得て志望校の受験情報を収集したりすることで、塾通いの人たちと同じラインに立っているのです

塾で行っていることを家庭で肩代わりする

塾では、中学受験に対してさまざまなサポートをしています。事前に塾がどのようなサポートを行っているのかを把握し、それを理解した上で親を始めとする家族が補完的な役割を果たすと、塾なしでも合格が見えてきます。

自宅で塾と同じ水準のサポートをすることは困難ですが、できる限りのサポートをしてあげることはできるはずです。

そのためには、まず塾がどのような学習サポートを行なっているかしっかりと把握することが必要だと言えるでしょう。

受験での保護者のあり方

中学受験は、ご家庭の中でも初めての受験であることが多いものです。親御さん自身が地方出身者である場合は、そもそも地元で中学受験がレアケースというのも珍しくありません。

また、そのような場合は中学受験と高校受験の違いについても、よくわからないこともあるのではないでしょうか。さらに小学生と中学生では心理の発達具合も異なりますが、年齢に合わせたメンタルケアなどもご家庭の役割です

自分の経験が及ばない分野も多いですから、どのように子どもに接するべきかなどはあらかじめ調べておいて、長い目で見守る必要があるでしょう。

塾なしで子供に勉強をさせる方法

勉強している子供のイメージ

塾に行かず自宅学習をする際に最も難しいのが、「どのように子供に学習を継続させるか」という点です。

子供の意欲的な学習継続を促すために、押さえておくべきポイントをいくつかご紹介します。

目標をしっかりと共有する

「子供をあの中学校に入れたい」と親だけが張り切っていても意味がありません。子供にも「合格したい」と思わせるように目標を共有することが大事です。

まずは、中学受験をしたいかどうか子供に聞いてみましょう。あまり勉強が好きでない子供の場合「したくない」と言われてしまうこともありますが、強制せず本人の意思を尊重してあげることが重要です。

子供が中学受験に前向きであることが確認できたら、一緒に志望校を決めましょう。この際にも、子供が行きたいと考えている中学校を第一候補にしてあげたりと、子供の意思を第一に尊重することが大事です。

学習を習慣化できるようにサポートする

塾に通っていれば子供は自然に勉強するようになりますが、自宅学習だと簡単には行きません。学習習慣を身につけるための工夫をしてあげる必要があります。

まずは、自宅でも学習に集中できるような環境を作りましょう。勉強する場所からゲーム・漫画を遠ざけたり、なるべく親と距離が近い場所で勉強させたりすると良いです。

また、定期的に学習進捗を確認し、できる限り褒めてあげるようにしましょう。サボっていた場合は「それじゃ合格できないよ」と言い聞かせることも重要です。

このようにして2〜3週間ほど学習を継続させることで、少しずつ習慣化していきます。

週単位での学習カリキュラムを組む

週単位で学習カリキュラムがあるかどうかで、学習継続のしやすさは大きく変わってきます。毎週日曜日に「次週の、それぞれの曜日ごとに何をするか」を明確にし、手帳などに記録するとよいでしょう。

実際、多くの塾でもこういった日々のやることを明確にする方法を実践しています。

また週の予定を決める際には「教科ごとの偏りがないようにすること」「どの参考書の何ページをやるかまで明確に決めること」を意識しましょう。

塾なしで中学受験に臨むデメリット

膝を抱える女性 それでは、自宅学習を中心に塾なしで中学受験に臨む場合は、どのようなデメリットがあるのでしょうか。それらの具体的な事例について解説していきましょう。

ベテラン講師による指導が受けられない

塾は受験に精通したプロが担当し、生徒の学力を向上させます。特に中学受験対策塾の講師は、長年中学受験の問題研究などに携わってきた講師も多いので、小学校では習わない解法テクニックも教えてくれます。

例えば、中学入試の頻出分野である周期算や仕事算は、中学入試の未経験者は数列や方程式を利用して解こうとするかもしれません。ですが中学入試の世界では、算数を利用していないため、このやり方は誤りです。

このように中学入試特有のテクニックを始めとして、塾にはスケジュール管理や直前対策の方法も、各種ノウハウが蓄積されています。それらの知識も含めてサポートしてくれるのが塾の素晴らしさですが、塾なしで中学受験に臨む場合には、これらのサポートを全て家庭で行わなければなりません

中学受験の情報提供が受けられない

塾は長年多くの生徒を中学入試に送り出し、合格のためのノウハウや学校ごとの入試の特色などの情報も持っています。したがって、志望校決定から入試対策、合格後の学校生活の情報まで教えてくれるので、志望校の絞り込みや併願の組合せ方なども合理的に考えてくれるでしょう。

ですが、自宅学習では情報収集も全て自分たちで行わなければなりません。それらを全て調べ上げた後に志望校を絞り込むのは、個人で行うとなるとかなりの労力を要します。

塾は自分の学力の把握もしやすい

塾では実力テストや模試を実施しているのが通例です。特に受験本番を迎える6年生では、大手塾ではほぼ毎月のように模試が行われています。

中学受験において、全国の中での立ち位置やライバルとの距離感、合格可能性を客観的に把握するのは大切な経験です

模試の結果は教科や分野ごとの分析も行われるので、苦手分野も浮き彫りになります。自宅学習では意図的に苦手分野を避けてしまうこともあるので、積極的に模試などを活用し、受験生の中での立ち位置を確認する機会を作ると良いでしょう。

学習習慣を維持しにくい

塾の授業は曜日や時間が一定なので強制力が生まれ、学習のリズムが作りやすいと言えます。小学生のうちはスケジュール管理を自分の意思で行うのが難しく、決まった時間に決まった教科の授業を行ってくれる塾にスケジューリングを任せる方が、親御さんとしても楽に感じるでしょう。

また最近では、多くの塾で「スパイラル学習」を重視する傾向が強く、最低限の知識は早いうちに教えてくれることが多いです。早目に塾で学習すると学習習慣が身につくだけでなく、基礎知識も一足先に学べます。

自宅学習ではスケジューリングもやや甘めになってしまうため、何かしらの強制力を持たせる工夫が必要です

一緒に学習する友達が作りにくい

自宅学習では1人で受験に立ち向かいますが、塾は大勢の生徒がいる中での学習です。その中には同じ志望校を目指す人もいますから、ライバルが頑張っている姿を見て奮闘するタイプの子どもであれば、塾に通うほうが、メリットが多いと言えます。

また、逆に「仲の良い友達と一緒の学校に行きたい」と考えている場合にも、塾通いがプラスに働くこともあります。

ですが、家庭学習では「頑張っている同年代の人」を目にする機会はありません。そのため、自己評価が甘くなってしまったり、モチベーションアップにつながりにくかったりするので、日頃の人間関係にも注意するべきでしょう

書類手続きを自分で行う必要がある

塾では中学入試のノウハウを蓄積する中で、各種書類の提出やスケジュールなどの情報も把握しているのが一般的です。なので、保護者に向けても、適宜アナウンスしてくれることが多く、保護者も書類の提出漏れや情報の抜けが防げます。

書類提出やスケジュールの把握は、受験生本人ではなく保護者の仕事であり、子どもの将来に直結する大事な役割です。そのアナウンスがあるだけで保護者の負担が少なくて済むのはもちろんのこと、新たに出来たゆとりの時間を、子どもの面倒を見る時間に充てることもできるでしょう。

アドバイスやカウンセリングを受けられない

塾に通わせている場合であっても、次のような不安を抱える親御さんは多いのではないでしょうか。

  • 塾に通わせているが、本当にこのままで志望校に合格できるのか
  • 親はどのように対応するべきなのだろうか
  • 中学受験のテキストはボリュームが多いけれど、これを全部こなせるのか

塾であれば、このような不安を塾の講師やメンターに相談できます。プロ講師ならば、今までの経験を踏まえて、不安への対処法や生活面を含めて指導してくれることもあるでしょう

ですが自宅学習では閉鎖的な環境になりやすいので、親子共にストレスを抱えやすく、メンタル面が不安定になってしまうことがあります。メンタル上の不安を抱えていると受験だけでなくその後の生活にも影響を与えやすいので、いざという時に相談できる相手を見つけておくのも大切です。

自宅学習で中学受験を目指す際の注意点

振り返る子ども ここで、自宅学習で中学受験を目指す際の注意点について解説しましょう。

塾の学習と小学校の学習は違う

中学受験の知識が浅いと「塾に通わせなくても、小学校の内容なら簡単に教えられる」と考える親御さんは、非常に多いです。ですが、小学校の学習内容と塾で教えてくれる学習内容には、大きな隔たりがあると心得ましょう

中学受験は、小学校で教えてくれる授業内容の知識を、完全に使いこなせるのが前提です。その上で、小学校の知識を活用しつつ応用力を問う問題が多く出題されますから、対処法を知っているかどうかで合否が決まると言っても過言ではありません。

その方法を教えてくれるのが、中学受験専門の塾なのです。具体的にどのように異なるかイメージがつかめない人は、YouTubeなどで中学受験用の動画などを参考にしたり、知り合いから塾のテキストなどを見せてもらったりすると良いでしょう。

志望する学校にあった対策が必要

学校によって問題の難易度や傾向は、毎年のように変化します。中学受験ではその実態を踏まえて、最新情報を取り入れながら志望校ごとに合わせた対策が必要です。

塾ではそのような対策も一手に引き受けてくれますが、一般家庭で行うのはかなりの困難を伴います。もし実践するのならば、情報を正確に分析し、効率良い学習方法を心がけましょう。

受験対策前は学校の予習を行う

塾では、先取り学習で小学校の学習内容を早目に終わらせてから、志望校対策に取り掛かるのが一般的です。早い人では3年生の春から予習を始め、5年生修了時には小6までの全ての範囲を学習し終えるというケースもあります。

その後、6年生の1年間で受験勉強を通して応用力・発展力を磨くので、高校受験とは大きく学習スケジュールが異なります

受験対策はいつからスタートすれば良い?

塾なしで中学受験に臨むのであれば、当然塾通いの子どもと同じくらいか、それよりも少し早く対策を始めるのが望ましいと言えます

現在では、中学受験は小4から対策を立てるのが一般的ですが、同じように小4の春には受験対策をスタートしたいところです。

ただし、低学年のうちから受験を意識するあまり先取り学習に力を入れてしまうと、基礎が身につかないまま応用分野に取り組んで中途半端になってしまうケースもあります。早くても、3年生の中盤以降に受験勉強を始めるのがおすすめです。

具体的な学習スケジュール

ここで、3年生から6年生までの受験スケジュールの概要をご案内しましょう。

時期 対策内容
3年生冬〜4年生春 受験対策スタート
4年生〜5年生 6年生までの先取り学習
6年生1学期 受験対策問題を中心に取り組む
6年生2学期〜直前 志望校を定め、志望校特化の対策を進める

情報収集やメンタル管理は保護者の仕事

先に述べたように、自宅学習では情報収集なども保護者が行わなければなりません。また、子どものメンタル管理についても、親子で話し合わなければならないため、客観的なアドバイスをするのが難しく感じることもあるのではないでしょうか。

ですがたとえ塾通いであっても、「メンタル管理は親の仕事」と釘を刺されることも多いものです。情報収集に加えてメンタルケアもしなければならないとなると、親の負担もかなり大きくなりますが、合格後の学校生活について話し合うなど、プラス思考で受験に臨んでください。

家庭学習で実践すべき勉強法

家庭学習のイメージ画像

以降では、中学受験のための家庭学習を正しく、効率的に行うために意識すべき点についてご紹介します。

基礎的な内容から段階を踏んで学習する

いきなりハイレベルな問題集に手を出しても、効率的な勉強を行うことはできず、子供も自信を無くしてしまいます。

そのため、まずは中学受験対策の基礎レベルである参考書から取り組み、完璧になったら次のレベルに進む、といった段階的な学習を行うように心がけましょう。

また、最難関レベルの中学校でない場合、基礎的な内容がしっかりとできていれば合格点を取ることはそこまで難しくありません。

子供に「思ったより簡単じゃん」と自信を持たせる効果もあるため、基礎から始める方が効率が良いのです。

時間を置いて何度も反復学習する

人間は一度覚えたことでも、時間が経つと忘れてしまいます。そのため、新しい内容の勉強を進めるだけでなく、過去に学んだ内容の反復学習も同時に行うようにしましょう。

算数の場合、応用問題で基礎的な内容まで復習できることも多いですが、理科・社会などの暗記の重点が大きい科目では、特にこの反復学習が欠かせません。

同じ参考書を何周も反復したり、一定期間を置いて確認テストを行ったりするなどして、忘れてしまった内容を定期的に補完するようにしましょう。

家庭での中学受験対策で使う教材

両手を広げる女性 家庭学習のみで中学受験に臨むには、どのような補助教材があると良いのでしょうか。

通塾のメリットに近づける観点からすると、比較的手が届きやすいのは通信教育の利用です。また、市販の参考書を利用できるケースもありますから、そちらも合わせてご案内しましょう。

教材選びのポイント

家庭学習では、塾のように教材が固定されていないので、志望校レベルや難易度に合わせて教材を選ばなくてはなりません。ある程度保護者がイニシアチブを取りながら、数多くの教材の中から選ぶ必要があり、同時に子どもの学力と志望校の難易度のマッチングを満たすような教材が、ベストだと言えます。

通塾の場合には、入塾の段階で既難易度別にクラス分けをされたり、定期的にクラスの入れ替えテストも行ったりするので、このような教材の選定の手間も省けるのがメリットの一つと言えます。

おすすめの市販教材

一般的な市販教材の中で、中学受験に必要な知識を身に着けやすくおすすめの参考書は「自由自在」シリーズです。

国語や算数だけでなく、理科や社会など一通りの科目が揃っており、基礎~中学受験対策レベルまでの情報が調べられるので、通信教材などを利用している場合でも、手元にあると便利でしょう。

なお、志望校別対策は、別途志望校別に特化したテキストや問題集を購入するか、後述するように通信教育などを利用するのがおすすめです。

通信教育の利用が安心

通信教育のメリットは、何と言っても塾より費用が安価である点です。

近年は中学受験対策にも力を入れている通信教育会社も多く、中には、塾と変わらないレベルのテキストやサービスを提供している通信教育も見られます。塾のメリットである「すぐに質問できる」「一人ひとりに合ったアドバイスをもらえる」という点も、タブレットなどを活用してカバーしている会社も多いです。

中学受験対策を取っている塾は、首都圏や大都市近郊に集中していることも多く、地方では利用できないこともあります。それでも中学受験を考えているのであれば、通信教育の利用も検討してみましょう

スケジュール管理や過去問対策もバッチリ

通信教育を利用すると、専用テキストが用意されるだけでなく、志望校の過去問の準備やスケジューリングなど、中学受験対策の幅広いサポートが期待できます。

地方の中学受験の場合は、そもそも情報収集すら難しい場合もありますが、大手の通信教育であれば、地方の私立中学受験や中高一貫校のデータも持っていることもあるので、効率良く受験に臨むことが可能です。

中学受験対策ができる通信教育は、以下の記事でまとめて紹介しています。

塾なしの中学受験まとめ

塾なしでの中学受験まとめ

  • 中学受験を自宅学習で乗り切るのならば、保護者も積極的なサポートをするべき
  • 理論上は塾なしでも合格は可能だが少数派であり、親の負担は塾利用の場合よりも格段に増える
  • 中学受験は実質的に4年生からのスタートであり、先取りを意識しながら進めなければならない

今まで中学受験は首都圏などのごく限られた地域での話で、全国的に見れば少数派の話だったかもしれません。ですが少子化が進んでいるにもかかわらず、地方でも公立・私立を問わず中高一貫校が設立されるなど、これから中学受験を経験する人は増えていくと予想されます。

その際に明暗を分けるのは、子ども自身の頑張りだけではなく、保護者の中学受験に対する正しい知識も、大きく影響すると考えられます。まずは「自分たちの時代とは常識が異なる」と認識し、通信教材などを利用しながら、中学受験の正しい知識を身につけてくださいね。